赤いちょうちんがぶら下がっているようなかわいらしく独特な形の実を成すホオズキは、初夏に花を咲かせ、お盆の時期の8月頃には朱色に色づいた実を生らせます。
ホオズキのちょうちんのような見た目が、お盆に帰ってくるご先祖様が迷わずに帰ってこれる道しるべになる灯りに見立てられ、お盆の飾りの代表的な植物として扱われます。
お盆の時期が近づくと、切り花としても鉢植えの園芸用としても多く店先に並びます。
また、ホオズキは観賞用だけではなく食用のものもあるので、スーパーなどでみかけることもあるでしょう。
ホオズキの基本情報
学名:Physalis alkekengi var. franchetii
和名:ホオズキ(鬼灯、酸漿)
科名 / 属名:ナス科 / ホオズキ属
花言葉:「自然美」「心の平安」「偽り」「ごまかし」「私を誘って」「私を誘惑して」
ホオズキは犬猫にとって危険な植物
ホオズキはナス科の植物です。
ナス科の植物といえば、未熟なナスやトマト、またジャガイモの芽、タバコなどに含まれるアルカロイドが健康被害を起こすとして有名で、犬猫だけではなく人間にも注意喚起がされています。
主な毒性成分はアルカロイドの『ヒストニン』『ソラニン』
お盆のころに出回る一般的な観賞用のホオズキはアルカロイドの一種である『ヒストニン』や『ソラニン』が含まれているので、犬猫にとって危険な植物です。
食用のホオズキであれば安全なのでは?と思われるかもしれませんが、食用のホオズキにもアルカロイドの成分は微量に含まれているようです。
食用に含まれるアルカロイドの量は人間にとっては微量であるため、食べても大丈夫とされていますが、犬猫が食べる事は想定されていないのでその影響は明確ではありません。
また、ヒストニンには子宮収縮作用が確認されているので、人間であっても妊娠中の女性は食べるのを避けた方がいいといわれています。
ホオズキの誤食で起こる中毒症状例
ホオズキは熟した果実を除くすべての部分が有毒であると考えられています。
これは人間に対しても重度の毒性があると考えられていますので、犬や猫に対してはより一層危険度が高いと考えていいでしょう。
ホオズキの誤食で起こりうる中毒症状は下記の通りです。
- 嘔吐
- 下痢
- めまい
- 瞳孔散大
- 幻覚
- 呼吸困難
- 死に至ることもある
ホオズキを誤って食べてしまったら
ホオズキには重度の毒性を含むため、犬や猫が誤食したことが分かったらすぐにでも動物病院へ相談し獣医師の指示に従いましょう。
その際にはホオズキのどの部位をどの程度食べてしまったのかを確認し、症状の有無や時間の経過などを記録しておきましょう。
早期発見、早期治療は重篤化を防げる可能性が高くなります。
ホオズキは命の危険も考えられる植物なので、症状が出ていないからといって放置してしまう事は危険であると考えておいた方がいいでしょう。
誤食を防ぐ
上記で解説したように危険度の高い植物でもあるので、犬や猫がいる環境での取り扱いには十分に注意しましょう。
基本的に犬猫の行動範囲内にはホオズキを配置しないことや、食用のホオズキをキッチンに置きっぱなしにしないなどしっかりと管理することで誤食のリスクを減らしましょう。
また、鉢植えなどで栽培を楽しまれている場合、成長の過程でみられる未熟果は最も危険なので、これの誤食は絶対にあってはいけません。
犬猫の行動範囲には置かない、植えない、近づけないなどの予防策を徹底するといいでしょう。
まとめ
ホオズキにはソラニンやヒストニンなどのアルカロイドを含むナス科の植物です。
これらの成分は命の危険も考えられる重度の毒性性成分であり、犬や猫にとって危険な植物であると考えられます。
ホオズキの毒性成分は熟した果実以外全草に含まれるといわれ、特に未熟果は危険であるといわれています。
食用のホオズキもありますが、これにも微量にアルカロイド成分が含まれている可能性があり、人間でも多量の摂取やまた妊婦の摂食は控えた方がいいと考えられています。
これらのことから、人間より体の小さい犬や猫に対する影響を考えるとたとえ食用で販売されている物であっても犬猫に食べさせる必要はないでしょう。
ホオズキは大変危険な植物であることを念頭に置き、犬や猫が誤食してしまわないように配置や管理に十分に注意しましょう。