シュウメイギクは犬猫にとって危険な植物。キク科ではなくトリカブトと同じキンポウゲ科

シュウメイギクとは

秋の訪れを報せてくれるシュウメイギクは、切り花をはじめ花壇や鉢植えでも広く楽しまれる植物です。

日本全国の野山や空き地などでも自生しているのをみかけるほど身近な花で、散歩コースで見かける事も多くあるでしょう。

京都の貴船地方では野生化したものも多く見られるほど定着している植物で、キブネギクとも呼ばれています。

シュウメイギクの基本情報

学名:Anemone hupehensis ほか(Hybridも含む)
和名:シュウメイギク(秋明菊)
その他の名前:キブネギク、秋牡丹
科名 / 属名:キンポウゲ科 / イチリンソウ属(アネモネ属)
花言葉:「薄れゆく愛」「淡い思い」「多感な時」「忍耐」

シュウメイギクは毒性成分を含むので犬猫にとって危険な植物

シュウメイギクはその名からキク科の植物と思われがちですが、キク科ではなくキンポウゲ科の植物です。

有毒なキンポウゲ科の植物で最も有名なものを挙げるとしたら「トリカブト」です。

トリカブトの毒性は非常に強く、人間の死亡例もあるので危険な植物として認識している方も多くいる事でしょう。

シュウメイギクはキンポウゲ科の中でもアネモネやクレマチスなどと同じ属性の植物であり、これらの植物と同様に毒性成分を含む植物なので犬猫にとって危険な植物です。

シュウメイギクに含まれる主な毒性成分

シュウメイギクに含まれる毒性成分は「プロトアネモニン」です。

プロトアネモニンを誤って摂取してしまうと、消化器系に症状が起きることや、心臓に障害をもたらす毒も含んでいるため非常に危険です。

また茎葉の汁が皮膚についてしまうと炎症を起こすことがわかっていますので誤食だけではなく接触にも注意が必要です。

シュウメイギクによる中毒症状例

  • 皮膚炎
  • 水疱
  • 流涎
  • 嘔吐
  • 下痢

プロトアネモニンは刺激性成分で皮膚や粘膜を刺激するため、シュウメイギクを食べた場合には口腔内に激しい痛みや灼熱感を感じる事でしょう。

また、茎や葉が傷ついた際に分泌される汁が皮膚に直接触れただけでもかゆみや炎症、水ぶくれなどを引き起こす場合があります。

またプロトアネモニンには心臓に障害をもたらす心臓毒も含むと考えられているため、大量にシュウメイギクを食べた場合には死に至る可能性も考えられます。

少量をかじった程度では重篤な症状を引き起こすことは考えにくいのですが、犬や猫の個体差によるところもあるため、たとえ少量であっても摂取させるべきではないでしょう。

犬や猫が居る環境下でシュウメイギクを置かない!

シュウメイギクは一度植えれば毎年花を咲かせてくれることや日陰でも十分に成長し、葉をたくさん茂らせてくれるので雑草を防ぐグランドカバーにも好まれているので園芸植物として人気があります。

花のかわいらしさから切り花、フラワーアレンジメントでも使われ、日常で出会う機会が多い植物といえるでしょう。

しかし、上記で解説したようにシュウメイギクは全草に強い毒性を持つ有毒植物で、接触による皮膚炎が起こることもあることから犬や猫が触れられる環境下で飾る事はNGです。

また空き地などで自生していることもあるので、散歩で外を歩く機会が多い犬はご自宅以外の場所でも飼い主が注意してあげる必要があります。

犬猫にとって危険な植物の知識をもち、不用意に犬や猫を近づけない、遊ばせない事で有毒植物による健康被害から回避ができます。

シュウメイギクの誤食がわかったら

シュウメイギクに含まれるプロトアネモニンは刺激性があり、誤食した場合口腔内に痛みや灼熱感を感じることから、犬や猫が致死量に至るまで大量に誤食してしまう事は考えにくいでしょう。

しかし、揺れる花や葉に興味を示し、おもちゃにしてしまう事はあるかもしれません。

その場合茎や葉から出る汁に触れ、炎症を起こすことや誤って飲み込んでしまった場合、腹痛や嘔吐、下痢などを起こす可能性は高くあります。

もしシュウメイギクに触れ、汁が付着した場合には速やかにしっかりと水で洗い流してあげましょう

洗い流しても痛がる、皮膚に炎症が起きてしまっている、また誤食による消化器系の症状があれば、どの程度誤食したのかや症状、時間の経過を確認し動物病院へ相談することをおすすめします。

まとめ

シュウメイギクは園芸植物として人気があり、また野山や空き地に自生していることもある生活に密着した植物ですが、強い毒性をもつ有毒植物です。

誤食による中毒症状だけではなく、接触による皮膚炎を起こすこともある事もあるので、犬猫が居る環境下に飾る、育てる事は控えましょう。

屋外での散歩中に道端に自生するシュウメイギクに触れてしまう事もあるので、飼い主は犬や猫にとって危険な植物の知識を持ち、接触や誤食を回避してあげられるようにしましょう。

参考:シュウメイギクの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:人もペットも気をつけたい園芸有毒植物図鑑

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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