食べても大丈夫ですが積極的に摂取すべきではありません
健康志向の高まりで注目を集めるアーモンドは、気軽に食べることのできる健康食材として人気があります。
アーモンドには犬猫に有害な成分は入っていないといわれており、過剰摂取させなければ基本的には食べても大丈夫な食材ではあります。
ただし、必ず食べさせたい食材とは言い難いので積極的に食べさせる必要はありません。
アーモンドの注意点
高カロリー
ナッツ類は健康的な要素の反面、「食べ過ぎると吹き出物ができる」といわれる原因になるほど高カロリー・高脂肪で、それは犬猫にとってもデメリットとなります。
アーモンドの成分の約50%は脂質と言われており、人間に比べて小さな体の犬猫にとっては少量食べるだけでも影響があると考えられます。
過剰摂取により肥満や糖尿病・高脂血症などの要因になりかねません。
喉に詰まりやすい
形状として丸のみしやすく、犬猫が噛まずに飲み込んでしまえる大きさなので十分に注意が必要です。
犬猫はドライフードも噛まずに飲み込んで食べてしまう子が多く、アーモンド程度の大きさや形状であれば丸のみしてしまう可能性は非常に高いと考えられます。
小型犬や猫の場合は食道も狭く、硬くて溶けるわけでもないアーモンドが詰まってしまった場合には窒息してしまう可能性もあります。
また、食物繊維も豊富で硬い食材なので、砕かれず丸のみしたものは腸に詰まりやすく腸閉塞の危険性も。
人が置いたままにしたものを愛犬愛猫が誤って食べてしまわないように十分に注意して管理しましょう。
豊富な食物繊維
本来であれば整腸作用や便通の改善に喜ばれる食物繊維ですが、過剰に摂取してしまうとデメリットとなります。
アーモンドには不溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内の善玉菌の餌となり腸内環境を整える効果がありますが、犬猫をはじめとする肉食動物は草食動物と違い腸が短い傾向があります。
そのため食物繊維を消化しにくい面があり、不溶性食物繊維を過剰摂取してしまうと排便が困難になってしまう可能性があります。
少量の食物繊維は便秘の予防・解消に役立ち、腸内環境を整える効果があるため、犬猫の健康を維持するために必要な働きをします。
過剰摂取をしなければ大丈夫ではありますが、アーモンドの形状や含まれる食物繊維の質などを考えると積極的に食べさせる必要性はないでしょう。
アーモンドを与える際の注意点
前述したように、消化やカロリー面で配慮が必要ですが食べてはいけない食品ではありません。
また、魅力的な栄養素も含まれるので犬猫に与えたいと考える方もいらっしゃると思います。
その場合には以下のような点に気をつけて与えてあげてください。
細かく砕いてから与えましょう
丸のみの危険性を防ぐために、あらかじめ細かく砕いてから与えましょう。
かみ砕いて食べるのが苦手な犬猫も先に細かく砕いておけば喉に詰まらせての窒息や腸閉塞のリスクも減り、消化のサポートにもなります。
塩分・糖分の過剰摂取に気をつけて
他の食材と同様に、人用に加工したものを与えないように気をつけましょう。
昨今の健康志向の高まりであらゆるナッツの加工品が手軽に購入できるようになりましたが、犬猫が食べても大丈夫アーモンドは無添加、無塩の素焼きナッツのみと考えていいでしょう。
食塩はもちろん、キャラメリゼされた砂糖たっぷりのナッツのおやつは犬猫にとって負担が多すぎる食品です。
他にもチョコレートと合わせた加工品が多いのもアーモンドの特徴のひとつですが、チョコレートで犬猫が中毒症状を引き起こすのは今や一般常識ともいえるのほど。
チョコがコーティングされたアーモンドは絶対に食べさせないように気をつけてください。
人用のアーモンドの加工品をうっかり放置して誤食してしまう事もあるかもしれませんので、管理に十分気をつけてください。
カシューナッツやクルミ、マカダミアナッツなどの他のナッツも同様に注意が必要
アーモンドについて解説してきましたが、カシューナッツやマカダミアナッツ、クルミなどもアーモンド同様に脂質が多く、高カロリーなので肥満の原因になります。
食物繊維の多さから下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす可能性、丸飲みによる喉や消化器への詰まりの心配もありますので、基本的にナッツ類全般は積極的に食べさせる必要はないといえるでしょう。
まとめ
アーモンドは犬猫が食べてはいけない食品ではありませんが、あらゆる面の危険性を紹介させていただきました。
アーモンドミルクなどの加工品も多くスーパーで並び、気軽に購入できるほど注目を集める食材ですが、人間にとって良いものが必ずしも犬猫にとっても良いとは限りません。
少量を注意して与える分には問題はなさそうですが、アーモンドを与えないというのも飼い主の選択肢の一つであります。