犬猫にししとう(しし唐辛子)は与えないで!辛み成分が胃腸を刺激する可能性。当たりは特に危険!

ピーマンに似た味わいで若干の苦味が特徴のししとう(しし唐辛子)。

形状は一般的な唐辛子に似ていますが、唐辛子ほどの辛みはなく「甘とう(甘唐辛子)」とも呼ばれます。

そのまま炒めて醤油などをかけシンプルに食べたり、天ぷらにして塩で食べたりするのが一般的。

稀に非常に辛い「当たり」があるのもまた一興な野菜です。

ししとうは犬猫に食べさせてダメ!

ししとうは犬猫に食べさせてはいけない野菜です。

少し口にしたことで命に関わるようなものではありませんが、身体に悪影響を及ぼします。

本記事では

  • ししとうが犬猫に危険な理由やその量について
  • 犬猫がししとうを誤食した時に考えられる症状や対応方法
  • ししとうとピーマンの違い

についてお話ししていきます。

ししとうが犬猫に危険な理由

犬猫にししとうを食べさせてはいけない理由は、辛み成分「カプサイシン」が含まれているからです。

カプサイシンは人が適量食べる分には食欲促進・冷え性改善・疲労回復など良い効果をもたらしてくれる成分ですが、犬猫が食べる場合は刺激が強すぎて身体に悪影響を及ぼしてしまいます。

ししとうはナス科トウガラシ属に分類される野菜で、唐辛子の一種であり、その中でも辛みの少ない「甘味種」に分類されています。

辛みが少ないので当然カプサイシンの含有量はも抑えられていますが、それでも微量のカプサイシンを含んでいることに違いは無く、犬猫の胃や腸を刺激し悪影響を及ぼす可能性はないと言い切れません。

「当たり」は特に危険!

おおよそ10本に1本程度の割合でカプサイシン含有量が非常に高い激辛のもの、いわゆる「当たり」が存在することも、ししとうの危険性を高めています。

この「当たり」は人間が口にしても思わず口から出してしまうほど辛いことがあり、そのまま食べると体調を崩す人も居るほどです。

人間より身体の小さな犬猫は、その辛さの影響をより受けてしまいます。

形がいびつだったり種が少なかったりする傾向からある程度「当たり」の判断を付けることができますが、それでも必ず回避することは難しいため、犬猫に食べさせるにはかなりリスクがあると言えます。

体調を崩す量や致死量は?

正確にどの程度の量から体調を崩すのか、致死量になるかは明確にお伝えできません

辛み成分の刺激に対する耐性は個体差が大きいため、ほんの少ししかかじっていなくても体調が悪化してしまうケースもあるでしょう。

人間の場合は唐辛子1キロ以上を口にしてやっと致死量に至るというデータがあります。

犬猫は人間より辛みの影響を受けやすいとは言え、ほんの少しで致死量に至ることは考えづらいでしょう。

しかしカプサイシンを含むものは誤食が起きないように慎重に取り扱う必要があります。

犬猫がししとうを誤食したことで考えられる症状

腹痛・下痢・嘔吐

まず考えられるのが、カプサイシンにより胃や腸など消化器系を刺激されたことで起こる腹痛・下痢・嘔吐です。

脱水症状

嘔吐や下痢を繰り返すと身体の水分も多く奪われてしまうため、脱水症状になってしまうことがあります。

食欲不振

続いて現れはじめるのが、胃や腸の刺激に起因する食欲不振。

人間が辛いものを食べた後に胃腸の調子が悪くなり食欲がなくなってしまうのと同様に、犬猫も食欲不振になってしまいます。

ご飯をあまり食べなくなることから元気もなくなってしまいます。

よだれの量が増える

カプサイシンに刺激されることにより、よだれが出て止まらなくなってしまうこともあります。

誤食の時の対応方法

まずは水分補給を

カプサイシンなど刺激物を犬猫が食べてしまった場合、まずは新鮮な水を飲ませてあげてください。

口の中の辛み成分を薄めると共に、尿として早く体外へ排出されることを狙います。

ほんのひとかじり程度の場合

愛犬愛猫の様子をよく観察し、本記事で挙げたような症状やいつもと違う様子が現れた場合はすぐに動物病院へ連絡をしましょう。

たくさん食べてしまった場合

なるべく早く動物病院へ連絡し、自宅で様子を見るべきなのか、すぐに動物病院へ行くべきなのか指示を仰いでください。

この際、家庭の判断で無理に吐かせるといった処置を行うのは非常に危険なのでやめましょう。

ピーマンは大丈夫なの?ししとうとの違いは?

ピーマンは犬猫の食べることの出来る野菜です。

ピーマンもししとうと同じナス科トウガラシ属に分類される野菜ですが、カプサイシンを持たないように品種改良されているのでししとうと違い犬猫にも食べさせられます。

犬猫はピーマンを食べても大丈夫!生でも食べられる?種やヘタは?栄養や注意点を解説

【まとめ】

犬猫にししとうを食べさせてはいけません!

すぐさま命の危険がある訳ではありませんが、辛み成分「カプサイシン」により犬猫の身体に悪影響を及ぼす可能性があります。

またししとうに稀にある「当たり」は特にカプサイシンの量が多く特に危険です。

どの程度の量を食べると危険なのかは個体差が大きく断定できません。誤食が起きないように慎重に取り扱いましょう。

ししとうなどカプサイシンを含む食材を犬猫が口にすると、

  • 腹痛・下痢・嘔吐
  • 脱水症状
  • 食欲不振
  • よだれの量が増える

などの症状が考えられます。

誤食が起きてしまった場合は新鮮な水を飲ませ、いつもと違う様子が見られる場合はすぐに動物病院へ連絡を取り指示を仰ぎましょう。

参考
農林水産省「カプサイシンに関する詳細情報」

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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