愛犬・愛猫に与えるキウイについて
外国産と国産で収穫時期がズレるため、日本では1年中食べることが出来るキウイ。
最も多く栽培されているキウイはヘイワード種で緑色の果肉をしている、よく目にするキウイです。その他にも黄色のゴールドキウイなど違う品種も存在します。
キウイにはブドウ棟、果糖、ショ糖が多く、すぐエネルギーになりやすい糖類が主成分となっています。
サイズも小さく値段も手頃なので取り入れやすく、犬猫と一緒に楽しめたら嬉しいフルーツですよね。
この記事では犬猫にキウイを与えても良いのか、キウイ特有の成分はどんなものかなど、順番に解説していきたいと思います。
犬や猫はキウイを食べても大丈夫?
犬猫はキウイを食べても大丈夫です。キウイは生で与えることができ、犬猫に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
水分が多く含まれるため水分補給ができ、犬の散歩後などの熱中症対策にもおすすめです。
食べても大丈夫ですが、カリウムや糖分も多く含まれているので愛犬・愛猫に合った量を与えましょう。
マタタビ科のフルーツのキウイ。猫は酔っ払う?
キウイ畑に猫が集まっているところを目撃したことはありますか?
キウイは猫が大好きと言われているマタタビ科のフルーツで、興奮作用のあるマタタビラクトンという成分が含まれています。
実際に市販のキウイに含まれるマタタビラクトンは微量なのでキウイを食べて大丈夫そうですが、オス(去勢前)は過剰反応を示すことがあるそうなので、様子を見ながら与えましょう。
※マタタビラクトンを含む食品を犬が舐めたり食べても犬の神経にはとくに影響がないようです。
キウイ(緑肉種)に含まれるその他の栄養素
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 53kcal |
たんぱく質 | 1.0g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 13.4g |
カリウム | 300mg |
ビタミンC | 71mg |
キウイ(黄肉種)に含まれるその他の栄養素
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 59kcal |
たんぱく質 | 1.1g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 14.9g |
カリウム | 300mg |
ビタミンC | 140mg |
アクチニジン
タンパク質分解酵素のアクチニジンはキウイ特有の成分として知られています。
肉・魚などのタンパク質の分解を助けて消化を促進するため、犬猫に生肉を与える習慣のある飼い主さんにも選ばれやすい食材です。
ただしキウイを加熱してしまうと効果がなくなってしまうため、消化促進を目的の場合は生で与えるようにしましょう。
カリウム
キウイに多く含まれるカリウムはミネラルの一種です。細胞内液の浸透圧の調整や、ナトリウムを身体の外に出しやすくして塩分の摂り過ぎを調節する働きがあります。
ビタミンC
キウイにはビタミンCが豊富ですが、特にゴールデンキウイなどと呼ばれる果肉の黄色い品種に多く含まれています。
キウイに含まれるビタミンCは免疫力UPなどの効果が期待できますが、健康な犬猫はビタミンCを体内で合成することが可能です。
ビタミンが豊富だからといって過剰に与えることはせず、 あくまで補助的な役割として適量を心がけましょう。
犬や猫にキウイをあげる際の注意点
犬や猫にキウイをあげる際には、いくつかの注意点があります。
シュウ酸に注意
キウイには尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれていますので、過去にシュウ酸カルシウム結晶と診断された犬猫に与えるのは控えた方が良いでしょう。
カリウムの過剰摂取に注意
カリウムは犬猫にとってなくてはならない重要な成分ですが、過剰に摂取することで心臓に負担をかけてしまうと言われています。
高カリウム血症の恐れもありますので、必ず愛犬・愛猫に合った量を与え、過剰摂取は避けるようにしましょう。
ニンジン・カバノキにアレルギーがある犬猫は要注意
ニンジンやカバノキはキウイと分子構造が似ていて、交差反応を引き起こす可能性があります。
キウイを初めて与える場合はキウイ以外のアレルギーにも注意し、食後は犬猫の様子をよく観察しましょう。
消化促進には外側の果肉がおすすめ
キウイ特有の成分であるタンパク質分解酵素のアクチニジンは中心部には少なく、外側に多いと言われています。
消化促進などの目的で与える場合は外側を与えた方が効果を感じられるかもしれません。
犬猫が喜んでも犬猫の身体にいいとは限りません
人用のキウイジュースやキウイゼリーなどは大量の砂糖や添加物が含まれています。
甘く加工した製品を与えると、とくに犬は喜ぶかもしれませんが、犬や猫が食べても健康になるどころか病気の原因にもなりかねません。
犬猫に人用の加工品は絶対に与えないようにしましょう。
犬や猫にあげるキウイレシピ
犬猫はキウイを生で食べても大丈夫ですが、そのままではなく他の食材と合わせることで栄養や食いつきUPが期待できます。
見た目も華やかになるので誕生日などの特別なメニューとしてもおすすめです。
キウイのキラキラゼリー
キラキラとした見た目が涼やかなゼリーはキウイをそのまま与えるよりも水分量が増えるので、お水をなかなか飲まない子や犬のお散歩後におすすめです。
とくに追加の味付けもせず、人も一緒に楽しめるレシピです。
キウイのお花ケーキ
キウイをお花に見立てた、誕生日やお祝い事にピッタリのケーキ。
食パンとヨーグルトを使用し、少ない材料で簡単にできるのも嬉しいポイントです。
キウイによるアレルギーの懸念
即時型口腔アレルギー
上記では、キウイにタンパク質の分解を助けて消化を促進する効果が期待されるタンパク質分解酵素が含まれていることを解説しました。しかしその効果の反面で、強いタンパク質分解酵素の刺激を受けて、食べた直後に口の周りをかゆがったり、発疹が現れる事があります。
この発症は個体差によるので、食後に異変がないか注意観察をすることが大切です。
参考:犬猫の食物アレルギー
ラテックスフルーツ症候群
ゴム製品に触れる事で起こる蕁麻疹、アナフィラキシーショック、喘息発作などの即時型アレルギー反応を『ラテックスアレルギー』といいます。
そのラテックスアレルギーの患者さんの中は、果物に対して交差反応を示すとの報告がされており、それを『ラテックスフルーツ症候群』と呼びます。稀にではありますが、犬猫の中にもラテックスアレルギーを発症するケースはあるため、交差反応が懸念される食品にも注意が必要です。
キウイはこのラテックスフルーツ症候群のハイリスク食材に挙げられています。もし、ゴム製のおもちゃやマットに触れてかゆがっていたりすればラテックスアレルギーを疑い、また、ラテックスアレルギーが疑われる犬猫へはキウイを与えるのは控えた方がよいでしょう。参考:『ラテックス-フルーツ症候群』ってどんな病気?
【まとめ】犬猫はキウイを食べても大丈夫
犬猫はキウイを食べても大丈夫!
キウイは栄養が豊富で、とくに犬猫が好む肉・魚の消化を助ける酵素も含まれるため是非取り入れたいおすすめの食材です。
ただし過剰に与えても健康効果が増すどころか健康を害す原因になることもありますので、適量を心がけましょう。
参考資料