犬猫はローズマリーを食べても大丈夫?てんかん悪化の危険性に注意

犬猫はローズマリーを食べても大丈夫

ローズマリーは針葉樹のような見た目のシソ科のハーブで、その強い抗酸化作用から『若返りのハーブ』とも呼ばれています。

総合栄養食のペットフードにローズマリーエキスが配合されていることもあり、犬猫にとって有益な食材であると認識されています。

抗菌作用も強く口臭ケアにも役立つといわれていて、基本的には犬猫が食べても大丈夫ですが与えてはいけないケースもあります。

その栄養効果と与える際の注意点を解説します。

ローズマリーの栄養

ビタミンE

強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。

体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少などの働きがあります。

ビタミンB1、B2

ビタミンB1は疲労回復効果が期待でき、脳と神経を正常に保つ働きもしています。

B2は脂質をエネルギーに変えて、皮膚、粘膜、被毛、爪、赤血球の産生や、免疫力の向上が期待できます。

ビタミンC

強い抗酸化作用、免疫力アップやコラーゲンの生成のサポート、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれる効果があります。

犬猫は体内でビタミンCを合成することができますが、合成能力が衰えたり、合成できてもストレスなどによって消費してしまうことがあるので、食事から摂取するのは健康維持に効果的といわれています。

ナイアシン

ナイアシンは水溶性のビタミンB群のひとつです。

酵素を助ける補酵素としての役割を担っていて、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、DNAの修復や合成など様々な機能に関わっています。

皮膚や粘膜の健康維持をサポートし、血行促進、脳神経を正常に働かせる効果が期待できます。

カルシウム

体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。

ほかにも筋肉が正常に収縮するのを保つ、神経を安定させる、血液を固めて止血する、ホルモンを分泌させる、細胞分裂を促す、胃液の分泌を調整する、鉄の代謝を補助するなど実に多様な働きをします。

タンニン

タンニンとはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用のある成分です。

他にも下痢を改善する効果が期待されますが、これは体内に入ったタンニンが腸の痙攣を抑える働きによるものです。

ローズマリーを食べるメリット

ポリフェノールが豊富!若返り成分が集合

ローズマリーには様々な種類のポリフェノールが含まれています。

血液循環を促進するフラボノイドのルテオリン、記憶力を取り戻す作用があるロスマリン酸、脂肪の吸収を抑制するクロロゲン酸といずれも強い抗酸化作用があるポリフェノール。

それら多様な成分の相乗効果が見込めるのがローズマリーの凄さです。

抗菌作用に期待!デンタルケアにも使われるローズマリー

ローズマリーの特徴として殺菌、抗菌作用があげられます。

これは口臭の原因となる微生物に対しても有効的で、ローズマリーを食べることでデンタルケアや口臭の緩和に期待ができます。

市販の犬猫用のデンタルケア用品にはローズマリー由来の成分が含まれたものもあります。

肝臓の疲れや心臓への負担を軽減

ローズマリーは肝臓の疲れや心臓への負担を軽減して、食欲低下や消化不良によって弱ってしまった消化器のサポートをしてくれる効果が期待されます。

肝臓機能を活性化させるためにも用いられ、生体防御機能を活性化し解毒機能を高めるという報告があります。

与える際の注意点

てんかんの持病をもつ犬猫には与えないでください

てんかん発作は脳の興奮が引き金になると言われていますが、ローズマリーには脳を活性化させ脳の血流に働きかける作用があるので、この作用がてんかんの発作を悪化させてしまう可能性があり危険です。

しかし酸化防止剤が悪い作用を及ぼしているという実証はなく、科学的な根拠はありませんので、注意する程度で良いかと思います。

ローズマリーの香りにもこの効果はあるので、ローズマリー由来のアロマオイルや精油等も使用しないようにしましょう。

健康な犬猫は食べても大丈夫ですが、てんかんの持病がある犬猫はもちろん、妊娠中の不安定な時期に与えるのにも適していません。

おすすめレシピ

ラムとじゃがいものローズマリーソテー

フライパンを熱し、ラム肉と軽くふかしたじゃがいもを入れ、しっかり火が通るまで焼きます。

仕上げにローズマリー(乾燥ならそのまま、生なら包丁で細かく刻んで)を一つまみ和えて完成です。

イワシのローズマリーソテー

イワシの三枚おろしを用意し、乾燥または刻んだ生のローズマリーを上から散らします。

熱したフライパンに少量のオリーブオイル(数滴で十分)をしき、イワシを並べ、両面火が通るまで焼いたら完成です。

イワシを好きな犬猫は多く、青魚の中でもカルシウムとカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDが豊富に含まれています。

ローズマリーの香りは青魚の臭み消しにも活躍し、食べやすく抗菌、抗酸化作用が期待できるレシピです。

まとめ

犬猫はローズマリーを食べても大丈夫!

総合栄養食のペットフードにローズマリーエキスが配合されていることもあり、犬猫にとって有益な食材であると認識されています。

強い抗酸化作用のほか抗菌作用などもあり、基本的には犬猫が食べても大丈夫ですが、てんかんの持病を持っている犬猫など与えてはいけないケースもありますので注意が必要です。

 

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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