インパクトのある見た目をしている深海魚「あんこう」。
その外見とは裏腹に食べられるところが多く、どの部位も美味しいので「捨てるところが無い魚」とも言われています。
あんこう鍋で食べられるのがもっともポピュラーで、他に唐揚げやソテーにして食べる方法も美味しいですよね。
居酒屋ではあんこうの肝を加工したあん肝を取り扱っているところもあり、お酒のあてに好んで注文される方も多いのではないでしょうか?
犬猫はあんこうを食べても大丈夫!
あんこうは犬猫にも食べさせることができます。
一部のメーカーからは犬猫用のあんこうジャーキーなども販売されています。
こちらの記事では
- あんこうってどんな魚?
- あんこうを犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 愛犬・愛猫用のあんこうを使った手作りレシピ
などについてお話していきます。
あんこう鍋とあん肝は犬猫も食べられる?
あんこう鍋は犬猫も食べられますが、ネギなどの犬猫に危険な具材や調味料による味付けはNGなので注意してください。
ネギを食べなくても一緒に調理すると危険です。
あん肝も新鮮なものであれば犬猫も食べられますが、こちらもネギや調味料には注意しましょう。
詳細やあんこう鍋のレシピなどは後ほどお話します。
あんこうってどんな魚?
「あんこう」はアンコウ目アンコウ科に属する深海魚です。
日本で主に食用にされているのは流通量の多い「クツアンコウ」と希少な「キアンコウ」の2種類。
アンコウはメスのみが体長1mほどに成長し食用にされており、オスが体長10cm~20cmと小さく食用に適していません。
海底30m~500mほどの海底で身を潜め、頭部のアンテナのような突起物でエモノをおびき寄せ丸飲みする独特の捕食活動を行います。
あんこうはどうして吊し切りにするの?
あんこうはぬるぬる・ぶよぶよとしており滑りやすく体も大きいため、まな板の上で捌くことが非常に困難であり、吊して回しながら切る「吊し切り」が昔から一般的です。
その特異な吊し切りの様子は、茨城や新潟などで行われているあんこう祭りにおいてショーとして観ることができます。
ちなみに、あんこうが小さい場合はまな板で処理することもあるそうです。
あんこうの身とあん肝の主な栄養素
あんこうの身とあん肝100gあたりに含まれる主な栄養素
栄養素 | あんこう(身) | あんきも |
---|---|---|
エネルギー | 54kcal | 401kcal |
水分 | 85.4g | 45.1g |
脂質 | 0.1g | 36.9g |
たんぱく質 | 10.8g | 7.9g |
カリウム | 210mg | 220mg |
リン | 140mg | 140mg |
セレン | - | 200㎍ |
レチノール(ビタミンA) | 20㎍ | 8300㎍ |
ビタミンD | 1.0㎍ | 110.0㎍ |
ビタミンE | 0.7mg | 14.0mg |
ビタミンB2 | 0.16mg | 0.35mg |
ビタミンB12 | 1.2mg | 39.0mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
あんこうの身を犬猫に食べさせるメリット
- たんぱく質:体作りに欠かせない栄養素です。筋肉・骨・臓器などを構成するときに必要ですし、ホルモンや抗体の材料にもなります。
- コラーゲン:骨や血管などを構成する成分のひとつ。特に皮膚の70%はコラーゲンが占めています。ビタミンCやビタミンAと一緒に摂取すると吸収効率が良くなります。
高たんぱくでありながら、低カロリー・低脂質、そして皮やヒレの近くにはたくさんのコラーゲンが含まれ、ダイエットや関節ケア、被毛ケアなどに期待ができます。
あん肝を犬猫に食べさせるメリット
エサの少ない深海に住んでいるあんこうは栄養を肝臓に蓄える性質があり、あん肝にはたくさんの栄養が豊富に含まれています。
あん肝に含まれる主な栄養とその効果を簡単にまとめます。
- レチノール(ビタミンA):目の粘膜や皮膚の健康を維持する働きがあります。目の機能の改善や、免疫機能のサポートなども行ってくれます。
- たんぱく質:身より少ないですが、あん肝に多くのたんぱく質が含まれています。体づくりに必須の栄養素です。
- ビタミンD:カルシウムの利用効率を高め、骨の成長をサポートしてくれます。筋肉の機能維持の効果も。
- ビタミンE:老化防止作用があるとして近年注目されている栄養素です。ガンや動脈硬化予防にも。
- ビタミンB2:補酵素としてほとんどの栄養素の代謝に関わっており、代謝を高め疲労回復の働きをします。
- ビタミンB12:アミノ酸や脂質の代謝に関わっています。また、葉酸とあわさりヘモグロビンの合成を助け貧血を予防します。
特にレチノール(ビタミンA)の含有量は高く、食材全体で見てもトップクラスです。
犬猫にあんこうを食べさせる時の注意点
食べさせる部位は慎重に選ぶ
あんこうの可食部位はこちらの7つ。
- 身
- 皮
- 胃袋
- エラ
- ヒレ
- 卵巣
- きも
「あんこうの7つ道具」とも呼ばれています。
ただしこちらは人間が食べる場合です。
犬猫の場合、「皮」「胃袋」「エラ」「ヒレ」は食べづらいので避けた方が無難です。
「卵巣」と「きも」は食べさせることができますが、鮮度の良いもののみにしましょう。不安であれば食べさせるのをやめてください。
もっとも与えやすいは「身」の部分です。
食べさせる時はなるべく加熱を
あんこうは鮮度が落ちやすく、寄生虫が居る可能性もあるのでなるべく加熱して食べさせることを推奨します。
加熱処理を行うことで多少の鮮度の低下をカバー出来ますし、寄生虫も死滅します。
あん肝の食べさせ過ぎに注意
あん肝は非常に栄養価の高い可食部位ですが、カロリーと脂質も非常に高いので食べ過ぎは肥満に繋がります。
また適量であれば体に良い栄養でも、過剰摂取は体調悪化に繋がります。
あん肝を犬猫に食べさせる場合はごく少量にしましょう。
骨は取り除く
犬猫は食べ物を丸飲みしがちな生態なので、体内にまるごと骨が入ると体を傷つけてしまうことがあります。
あんこうの骨は柔らかいと言われていますが、できるだけ骨の処理をしてから犬猫に食べさせてあげましょう。
食べさせる時の適量について
- 手作りフード:1日の摂取カロリー目安を確認し、そこから1食分の栄養やカロリーを考慮した上で量を調整しましょう。
- おやつ:1日の給餌量の10%程度が適量の目安となります。オーバーしてしまわないようにしましょう。
こちらは加熱した身を食べさせる場合のものです。
あん肝、卵巣、刺身を食べさせる場合はほんの少量に抑えましょう。
愛犬・愛猫用のあんこうを使った手作りフードレシピ
材料
- あんこう(身)
- あん肝
- 豆腐
- 水菜
- しめじ
作り方
- 具材を愛犬・愛猫に合わせた一口サイズに切る
- 切った具材を鍋に入れ、ひたひたになるまで水を入れたら煮込んで完成
味付けをしない犬猫用のシンプルなあんこう鍋です。
実際に食べさせる量は愛犬・愛猫の体格や状況に合わせて調整してください。
身と肝はなるべく新鮮なものを用意しましょう。
【まとめ】
あんこうは犬猫に食べさせても大丈夫です!
身は高たんぱくで低脂質・低カロリーでコラーゲン豊富なので、ダイエットや関節ケアなどに期待ができます。
あん肝にはビタミンA・ビタミンD・ビタミンB12などあんこうの栄養がぎゅっと詰まっています。
注意点を4つ紹介します。
- 食べさせる部位は身と新鮮な「あん肝」「卵巣」のみにしておく。
- 食べさせる時はなるべく加熱する。
- あん肝は少量のみにし、食べさせすぎない。
- 骨はなるべく取り除き食べやすくする。
見た目のインパクトに反して美味しく栄養も豊富なあんこう。
新鮮なものが手に入ったら、犬猫用のあんこう鍋などをぜひ手作りしてあげてください。
【魚介類の記事】