最近ではスーパーなどでも簡単に手に入れることができ、一般家庭に浸透しつつあるルッコラ。
日本ではサラダなどによく使用されますがピザやカルパッチョなどイタリア料理に使用されることが多い野菜です。
独特の辛みや苦みがあり人間では好き嫌いが分かれがちな野菜ですが、そんなルッコラは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はルッコラを食べても大丈夫!
犬や猫はルッコラを食べても大丈夫です。
ルッコラはビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で健康にとてもいい野菜といえます。
ただし与える際にはいくつか注意すべき点があるので紹介していきます。
くせの強い野菜だけど食べてくれる?
犬猫にも人間と同じように個体によって好き嫌いはあります。
ルッコラをそのままよく食べる子もいれば独特な香りが苦手な子もいるようです。
もし愛犬愛猫にルッコラを与えてみて拒否反応を示したり食べなかったりする場合は無理に与えるのはやめましょう。
辛みの正体は?
ルッコラには独特の辛みがありますがその正体は「アリルイソチオシアネート」という成分です。
アリルイソチオシアネート
ルッコラに含まれるアリルイソチオシアネートは大根やわさびと同じ辛み成分で、抗菌作用・血栓防止・消化促進などの効果が期待できます。
特に抗菌作用はとても強力で、O-157やピロリ菌などに対しても抗菌作用が働くとされています。
生で食べても大丈夫?
サラダや付け合わせの野菜としてなどルッコラは基本的に生食される機会が多い野菜です。
犬猫も人間と同じくルッコラを生で食べても大丈夫ですが、犬猫はもともと植物の消化が苦手なので加熱すると胃に優しくなりおすすめです。
また加熱することによって辛みや苦みを抑えることが出来るので、愛犬愛猫がルッコラを好まない場合は加熱調理を試してみるのもいいでしょう。
甲状腺疾患のある犬猫は注意
ルッコラのようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれています。
このゴイトロゲンには甲状腺が甲状腺ホルモンを作るために必要な「ヨウ素」の吸収を妨げる効果があると言われています。
健康な犬猫の場合ゴイトロゲンに対してあまり神経質になる必要は無いといえますが、甲状腺の機能が低下している犬猫には与えない方がいいでしょう。
ルッコラに含まれる代表的な栄養素
葉 生 可食部100gあたり
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 17kcal |
たんぱく質 | 1.9g |
脂質 | 0.05g |
炭水化物 | 0.8g |
カリウム | 480mg |
カルシウム | 170mg |
ビタミンC | 66mg |
ビタミンE | 1.4mg |
β-カロテン当量 | 3600μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があります。
多くの哺乳類の体内では取り入れた酸素の一部が「活性酸素」となり通常よりも活性化された状態になります。
活性酸素は悪者?
活性酸素は酸化ストレスなどによって老化・がんなどの原因として悪者扱いされがちですが免疫機能や感染予防などの重要な役割も担っています。
活性酸素が過剰に増えるのは問題ですが無くしてしまえばいいというものでもありません。
抗酸化作用
私たち人間や犬猫の体では絶えず活性酸素が作り出されていますが健康に生きていられるのは体内で抗酸化作用のある酵素が生成されているためです。
これらは活性酸素が生成されるのを抑制したり酸化によって受けたダメージを修復する働きがあります。
また、ビタミンEなどの抗酸化作用のある成分を体外から取り入れることによってさらなる抗酸化作用が期待できます。
ビタミンEの役割
抗酸化作用のある成分の中でもビタミンEの役割は「細胞膜」を酸化から守ることです。
細胞膜がダメージを受けるとガン・腎臓病・消化器疾患など様々な病気やトラブルの原因となります。
ビタミンC
前述したビタミンEは活性酸素から細胞膜を守ったあと、「ビタミンEラジカル」という犬猫の体にとって悪い成分に変わってしまいます。
ビタミンCにはビタミンEラジカルをビタミンEへ再生する能力があります。
ビタミンEとビタミンCは合わせて摂取したい栄養素です。
カリウム
カリウムはミネラルの一種で細胞機能・神経伝達・エネルギー代謝などに関わるとても重要な栄養素です。
過剰も欠乏も病気の原因になるのでバランス良く摂取することが大切です。
高カリウム血症
体に不必要なカリウムは尿と一緒に体外に排出されるため基本的にカリウム過剰の心配はありません。
しかし尿路閉塞などでおしっこが出せなくなってしまった犬猫は血中のカリウム濃度が上がってしまい「高カリウム血症」という病気の恐れがあります。
症状としては嘔吐などの消化器症状・神経症状・不整脈などがあり、最悪の場合死に至るとても恐ろしい病気です。
低カリウム血症
通常、カリウムが不足することはあまりありませんが偏った食事や下痢・嘔吐・食欲不振の常習などにより体内のカリウムが著しく欠乏すると低カリウム血症の恐れがあります。
症状は高カリウムに似たものや筋力低下や歩行不全などがあります。
こんな症状に注意
愛犬愛猫に以下のような症状が現れた場合は腎臓を悪くしている可能性があります。
- 水をたくさん飲む
- トイレに何回も行く
- トイレに行ってもおしっこが出ていない
- おしっこの量が多く色が薄い
- 食欲がない など
腎臓病は高カリウム血症につながるかもしれないのでこれらの症状が見られた場合はできるだけ早く獣医に相談しましょう。
また、犬猫は人間のように体調が悪いときに伝えるということができないので愛犬・愛猫の様子は普段からよく観察してあげましょう。
犬や猫にルッコラを与える際の注意点
犬猫にルッコラを与える際の注意点を紹介します。
与えすぎに注意!
前述したとおり犬猫は植物の消化を苦手としているためルッコラを与えすぎると消化不良を起こしてしまう可能性があります。
また、ルッコラには微量ですが「シュウ酸カルシウム結石」の原因となるシュウ酸が含まれています。
ほうれん草やセロリほど多くはありませんがシュウ酸カルシウム結石は犬猫がかかりやすい病気なので気をつけましょう。
アレルギーに気をつけて
犬猫はルッコラなどのアブラナ科の野菜にアレルギーを持っている場合があります。
初めてを与える際には少量に抑え、食べた後の様子をよく観察しましょう。
皮膚の赤み・かゆみ・目の充血・嘔吐などの症状が見られた場合はそれ以上与えるのをやめ症状が酷くなる場合には獣医師に相談しましょう。
犬や猫へのルッコラの与え方
犬猫にルッコラを与える場合は小さくちぎったものをトッピングに使用するといいでしょう。
以下に犬猫用のピザのレシピを紹介するので参考にしてみてください。
牛挽き肉とチーズが喜ばれやすいレシピです。カロリー控えめなのでもっと食べたい犬猫のちょい足しレシピにも使えます。
鱈は脂質やカロリーが少なく健康的でありながら豊富にたんぱく質を摂ることができ、犬猫にとっても健康的な食材でおすすめです。
【まとめ】犬猫はルッコラを食べても大丈夫
犬猫はルッコラを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 生でも食べることが出来るが過熱した方が消化によい
- 消化不良になるかもしれないので与える量には注意
- 犬猫が好まない場合は無理に与えない
今回はルッコラについて紹介しました。
くせの強い野菜のため好き嫌いがあるかと思いますが愛犬・愛猫が好んでくれる場合は手作りご飯の彩りに加えてみてください。