明日葉(あしたば)とは
葉を摘んでも明日になれば葉芽が出てくるほど生命力が強いことからその名がついたといわれている明日葉は、太平洋沿岸に自生する日本固有のセリ科の植物で、八丈島での栽培が有名です。
葉と茎は食用にされ主に若葉を食べますが、揚げ物や汁の具にしたり、乾燥保存してからお茶として飲まれたりと様々です。
犬猫は明日葉(あしたば)を食べても大丈夫!
明日葉は犬猫に有毒となる成分は含まれていないので、食べても大丈夫といえる食材です。
あまり一般的ではありませんが、様々な健康効果が期待されることからペットフードや犬猫用のデンタルケア商品に使われることもあります。
犬猫に明日葉(あしたば)を与えるメリット
明日葉には様々な健康効果が期待される成分が豊富に含まれています。
明日葉(あしたば)がもつ強い抗酸化力に期待!
明日葉にはβ‐カロテンがたっぷりと含まれていて、緑黄色野菜の中でもトップクラスです。
犬の場合、β‐カロテンが体内でビタミンAに変換されるので、粘膜や目の健康維持に活躍されることも期待される栄養素です。
猫に関してはビタミンAへの変換はされませんが、β‐カロテン自体の強い抗酸化作用がアンチエイジングに役立つ栄養素です。
またβ‐カロテンの他にも抗酸化作用があるビタミンC・Eが多く、相乗効果が期待されることからもずば抜けた抗酸化力がある食材と言えます。
バランスよく含まれるミネラル
明日葉にはミネラル類も豊富に含まれています。
- 高血圧の予防となるカリウム
- 骨を健やかにし神経を安定させるカルシウム
- 造血作用や全身への酸素供給を行う鉄。
これらのミネラル類が明日葉にはバランスよく含まれています。
菌効果も期待されています。
これには犬や猫の歯周病菌に対して抗菌作用がが期待できるという報告もあり、デンタルケア商品に使用される事があります。
参考:公開特許公報(A)_抗菌剤、歯周病予防剤及びペット用口腔用組成物
明日葉(あしたば)を与える際の注意点
与えすぎは消化不良の原因
明日葉にはゴボウやモロヘイヤなどと並ぶほど食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維には腸内環境改善効果や血糖値上昇の抑制、血中コレステロール濃度の低下など、多くの健康効果が期待されています。
ただし犬猫に食物繊維が多い食材を多量に与えてしまうと食化不良を起こすなど、健康被害を起こすことが多々あります。
明日葉は犬猫が食べても大丈夫である栄養満点な食材ではありますが、与えすぎは逆効果となります。
与える量はトッピングや手作りごはんの食材の一部程度に控え、消化のサポートに細かく刻んであげるなどの工夫をしましょう。
明日葉はクセが強い食材でもありますので犬猫が嫌がるようであれば無理に与える必要はありません。
犬猫への手作りごはんで使いたい場合には、サッと湯通しする事やごく少量の油で調理する事、またササミなどの動物性たんぱく質と相性もいいので工夫してあげると食べやすくなるかもしれません。
アレルギーに注意する
明日葉はセリ科の植物です。
セリ科の野菜には、ニンジン、セロリ、三つ葉、パクチー、パセリなどがあります。
特別にアレルギーが出やすい食材ではありませんが、明日葉を初めて与える際にはごく少量から始めましょう。
食後の様子は注意深く観察し、口回りをかゆがる・下痢・嘔吐・全身への発疹などがないかチェックしましょう。
食後に異変があれば、いつ、何を、どれくらいの量を食べたのかを記録し、獣医師に相談しましょう。
まとめ
明日葉は犬猫が食べても大丈夫な食材です。
強い生命力でずば抜けた抗酸化力をもつ明日葉には様々な健康効果が期待できます。
その中でも、明日葉特有の成分といってもいいカルコンと呼ばれるポリフェノールには、強い抗酸化作用の他にも動脈硬化予防、糖尿病の予防、高血圧の改善、がん予防などへの効果が期待されています。
また強い抗菌作用から犬猫に対する歯周病予防にも期待されています。
ただし明日葉は苦みや香りなどのクセが強くあるので、嫌がる犬猫に無理に食べさせるのはストレスの原因となります。
食物繊維も豊富なので、過剰に食べさせないよう注意しましょう。
参考:明日葉カルコンの毒性評価
参考:食材大全(NHK出版)