夏に実をつけ旬を迎えるブラックベリー。
ラズベリーに似た見た目をしていますがラズベリーが赤いのに対してブラックベリーは黒くてツヤがあるのが特徴です。
ご家庭で育てている方もいらっしゃるかもしれませんが、ブラックベリーは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はブラックベリーを食べても大丈夫!
犬や猫はブラックベリーを食べても大丈夫です。
ブラックベリーには抗酸化作用のあるビタミンCや疲労回復効果のあるクエン酸などが含まれています。
ただし犬猫に与える際には注意するべき点があるのでご紹介します。
ラズベリーとの違い
ブラックベリーとラズベリーはどちらもバラ科キイチゴ属に属する果物で同じ仲間です。
色に違いがあるのはもちろんですがラズベリーには全体的に産毛のようなあるのに対しブラックベリーにはそれがなくツルッとしています。
そして一番の違いは「果実の採れ方」にあります。
販売されているラズベリーや冷凍ラズベリーは下の画像のように中が空洞になっているようなものが多いかと思います。
ラズベリーは採取の際に「花托(かたく)」と呼ばれるおしべやめしべの軸となる部分が綺麗に外れるようになっているためこのような空洞ができます。
それに対してブラックベリーは花托が実に包まれているため外れずにそのまま売られていることが多いです。
特徴的な黒色の正体
ブラックベリーといえばその見た目のツヤのある黒色が特徴的ですがこの黒色の正体は「アントシアニン」です。
アントシアニン
ブルーベリーに含まれていることで有名なポリフェノールの一種、アントシアニン。
アントシアニンは網膜に存在する「ロドプシン」というたんぱく質に働きかけて再合成を促します。
そのためアントシアニンには視力回復効果があるとされています。
ポリフェノールとは?
そもそもポリフェノールとはなにかご存知でしょうか。
ポリフェノールとはほとんどの植物に含まれている苦味や色素の成分です。
ビタミンCやビタミンEと同じく抗酸化作用が強く活性酸素などの有害な物質に対して有効です。
ブラックベリーに含まれる代表的な栄養素
ブラックベリー 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 43kcal |
たんぱく質 | 1.39g |
脂質 | 0.49g |
食物繊維 | 5.3g |
ビタミンC | 21mg |
ビタミンE | 1.17mg |
カリウム | 162mg |
参考資料:フーズリンク ブラックベリー(黒木いちご):栄養価と効用
アントシアニン
前述したようにブラックベリーにはアントシアニンというポリフェノールが豊富に含まれています。
犬猫も人間と同じように眼精疲労・ドライアイ・白内障・緑内障などの眼の病気になる可能性があります。
アントシアニンは視力回復だけでなくそれらの予防に効果的と言われている栄養素です。
ビタミンC・ビタミンE
ビタミンCやビタミンEには抗酸化作用があり、活性酸素などによる酸化ストレスに対抗する栄養素です。
人間はビタミンCを体内で作り出すことはできませんが犬猫は肝臓でビタミンCを作り出すことができます。
そのため犬猫は特別にビタミンCを摂取する必要はないとされていますが肝臓を悪くしていてビタミンCの生成が上手くできない場合はビタミンCの添加が必要と言われています。
カリウム
カリウムはあらゆる食材に含まれている多くの生き物にとって欠かせない栄養素です。
細胞機能やエネルギー代謝など生命活動にとってとても重要な役割があるため多くのペットフードには必要量含まれています。
そのため犬猫がカリウム不足になることはあまりありませんが下痢や嘔吐が続いている場合はカリウム不足になりやすいと言われています。
カリウム不足は「低カリウム血症」という病気につながる可能性があり、筋力低下や歩行不全などの症状が現れます。
また、カリウムを摂取しすぎた場合は尿として体外に排出されるのでカリウム過剰の心配はありませんがこれにも例外があります。
腎機能が衰えていて上手く尿の排出ができない犬猫は血中のカリウム濃度が上がっていき「高カリウム血症」の恐れがあります。
高カリウム血症になると神経や消化器などに異常が現れ、最悪の場合不整脈から心肺停止に繋がる可能性もあります。
腎臓病は高カリウム血症だけでなくあらゆる病気につながる可能性があります。
愛犬や愛猫のトイレの回数が増えた・トイレに行くがおしっこが出ていないなどの異常にいち早く気づいて早期発見できるようにしましょう。
食物繊維
ブラックベリーには食物繊維が豊富に含まれています。
犬猫は草食動物ではないため食物繊維を消化吸収することができません。
なので犬猫には不必要な栄養素だと考えられていましたが近年食物繊維には整腸作用があることが分かり適量摂取することは犬猫にとっていいこととされています。
しかし消化吸収できないことに変わりはないので採りすぎると消化不良を起こす可能性があります。
ブラックベリーの採りすぎには注意しましょう。
犬猫へのブラックベリーの与え方
前述したようにブラックベリーには「花托」とよばれるものが実の中についており、少し固いので外してから与えるのがよいです。
もしくは丸ごとミキサーにかけて以下のようなデザートのソースとして使用するのもいいでしょう。
ただしブラックベリーには酸味があるため犬猫が好むとは限りません。
愛犬や愛猫が食べなかった場合は無理矢理与えずに諦めましょう。
また、犬猫がブラックベリーを食べた後は口の周りに色素がついている場合があるので拭いてあげましょう。
そのままにしておくとお家の壁や備品に色がついてしまう可能性があります。
【まとめ】犬猫はブラックベリーを食べても大丈夫
犬猫はブラックベリーを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- ポリフェノールの一種「アントシアニン」が豊富に含まれている。
- 食物繊維が豊富なため食べ過ぎに注意
- 犬猫が好まない場合は無理に与えない
今回は犬や猫にブラックベリーを与える注意点を解説しました。
犬猫が好む場合は適量守って与えてみてください。