チコリについて
小さな白菜のような見た目のチコリ。見た目は似ていても白菜とは全く違うヨーロッパが原産のキク科の野菜です。
イタリアではどこでも手に入るほどポピュラーな野菜で、イタリアンレタスと呼ばれることも。
チコリは、サクサクとした歯触りとほろ苦さが特徴。
生の葉にオードブルをのせてサラダのように食べるのが有名ですが、蒸し煮やソテーでも楽しまれる食材です。
チコリは犬猫が食べても大丈夫!
チコリには苦みがあるので好き嫌いは分かれてしまいそうですが、犬猫が食べても大丈夫な野菜です。
こちらの記事ではチコリについて解説します。
チコリを犬猫へ与えるメリット
チコリは野菜には珍しく多年草です。
食用に出回るチコリは軟白栽培と呼ばれる、日光が当たらないようにして育てられた白とグリーンの見た目のものが多いでしょう。
日光を当てない事でチコリ特有の苦みが抑えられ柔らかくなりますが、その分栄養価は落ちるので特筆すべきものはありません。
ただし、バランスよくビタミンやミネラルが少しづつ含まれており、また腸内で活躍してくれる食物繊維が豊富に含まれています。
チコリに含まれる水溶性食物繊維イヌリンの働き
チコリにはイヌリンと呼ばれる水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
このイヌリンはビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やすことがわかっており、プロバイオティクスの代表として知られる存在です。
犬猫の腸内へもこの効果は確認されているので、チコリは犬猫の総合栄養食であるペットフードに使用される事が多々あります。
イヌリンには他にも糖の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える効果が期待されることから糖尿病予防に効果的であると考えられています。
抗酸化作用や糖尿病への効果が期待できるチコリ酸
チコリにはチコリ特有の成分であるポリフェノールの一種、チコリ酸が含まれています。
このチコリ酸には強い抗酸化作用が含まれることで知られ、肝臓機能の向上や解毒作用の促進にも期待されています。
糖尿病モデルラットを用いた研究では、チコリ酸抽出物の投与により基礎量の高血糖を減少させる事が確認されたとの研究報告があり、チコリ酸が糖尿病への効果がある事が期待されています。
チコリを犬猫に与える際の注意点
与えすぎはNG!シュウ酸による結石症の発症に注意
チコリは低カロリーであり、腸内環境改善や糖尿病予防が期待されるので毎日しっかり食べさせたいと考える飼い主さんもいるかもしれません。
ただし食物繊維が豊富なチコリが食事の大部分を占めてしまうのは犬猫にとって好ましくありません。
犬猫、特に猫は人間に比べて消化能力が低いため、大量のチコリを摂取してしまうと嘔吐や下痢を伴う消化不良を引き起こす可能性があります。
チコリに含まれるシュウ酸は少ないですが、毎日習慣的に多量のチコリを与えてしまうとシュウ酸カルシウム結石の原因となってしまう事も考えられます。
犬猫に与えたい場合には、細かく刻んだものをごく少量トッピングや手作りごはんの食材の一部として時々与える程度に控えるといいでしょう。
チコリが含まれる総合栄養食のペットフードを日常的に与えている場合には、生のチコリを飼い主から積極的に与える必要はないと考えます。
アレルギーに注意
チコリはキク科の植物です。
身近な植物としてはタンポポや菊の花、レタスや春菊などもキク科の仲間です。
稀にではありますがキク科の植物にアレルギー反応を起こす犬猫がいますので、チコリを食べて下痢や嘔吐、発疹などが確認された場合にはアレルギーを疑い、動物病院で相談することをおすすめします。
また上記で挙げたようなキク科の植物でアレルギーを引き起こしたことがある場合にはチコリを与えないように注意しましょう。
まとめ
チコリは犬猫が食べても大丈夫な食材です。
チコリに含まれる水溶性食物繊維『イヌリン』はプロバイオティクスの代表として知られる存在で、犬猫の腸内環境を整える効果が確認されています。
またチコリ特有の成分であるチコリ酸には抗酸化作用の他にも糖尿病への効果も期待されています。
ただし食事の大部分を占めるほどの量を日常的に与えてしまうと食物繊維の摂りすぎによって犬猫が消化不良を起こす可能性が高くあるため、過剰摂取はさせないように注意しましょう。
チコリは苦みがあるので嫌がる犬猫もいるでしょう。
とびぬけて栄養価が高い野菜ではないので、チコリが苦手な犬猫へ無理に食べさせる必要はありません。
愛犬愛猫の様子をみて、好んで食べるようであれば稀に少量を与える程度で十分であることを覚えておくといいでしょう。
参考:食材大全(NHK出版)