ふきのとうについて
「ふきのとう」はふきのつぼみの部分で、ほろ苦い風味が特徴で春と冬が旬の野菜です。
ふきのとうの苦味は新陳代謝を活性化し、香りが食欲を促進させ消化を助けます。
アクによる独特の苦味は好みが分かれますが、春頃に天ぷらにして食べるのが好きという方も多いのではないでしょうか。
犬猫はふきのとうを食べても大丈夫?
ふきのとうは少量であれば犬猫が食べても大丈夫です。
しかし特別犬猫が好むものでもなく、注意点もいくつかあるため、積極的に与える必要はありません。
本記事では
- ふきのとうのアクについて
- ふきのとうを食べさせるメリットや注意点
- その他の犬猫に食べさせやすい春の野菜
などをお話ししていきます。
ふきのとうのアクと天然毒素について
ふきのとうを食べる時はまずアクについて考えなくてはいけません。
犬猫は本能的に苦いものには毒があると感じるため、アクによる独特のえぐみや苦みをほとんど好みません。
人が食べる時は好みなどでアク抜きをしない人も居ますが、ふきのとうは基本的にアク抜きの処理をしてから食べることが推奨されています。
アク抜きを行うことで食べやすくなることはもちろんですが、ふきやふきのとうにはピロリジジンアルカロイド類という天然毒素が含まれているのが推奨される理由です。
ピロリジジンアルカロイドは強い肝毒性があり、肝臓癌の原因の1つとされていますが、水に溶けやすいのでアク抜きの処理を行うとアクと共に流れ出ます。
農林水産省による2018年の報告時点では、日本でのピロリジジンアルカロイドによる健康被害は無いそうですが、人間より身体の小さい犬猫の場合は大丈夫とは言い切れません。
犬猫にふきのとうを食べさせる際は必ずアク抜きを行い、アクと毒素を減少させましょう。
参考:農林水産省「ふき・ふきのとうはあく抜きして食べましょう」
ふきのとうを犬猫に食べさせるメリット
栄養素面でのメリット
ゆでたふきのとう100gあたりの主な栄養素
含有量 | |
---|---|
食物繊維 | 4.2g |
カリウム | 440mg |
βカロテン | 260㎍ |
ビタミンK | 69㎍ |
ふきのとう 花序 ゆで
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ふきのとうを食べさせることで
- 食物繊維による整腸作用・便秘改善
- カリウムによる過剰塩分の排出・高血圧予防
- βカロテンによる免疫力向上・抗酸化作用
- ビタミンKによる酵素の活動補助・血液凝固・骨の強化
などの健康効果が期待できます。
季節感を共に味わえる
季節やイベントのタイミングで
- 行楽に出かける
- お家の中を飾る
- 愛犬愛猫に季節の格好をしてもらう
- 季節やイベントに応じたものを一緒に食べ楽しむ
と言ったことを行うと、愛犬愛猫との生活がより楽しいものになりますよね。
ふきのとうは春と冬が旬の野草。どちらかと言えば春のイメージが強いでしょうか。
一緒に食べることで愛犬愛猫と季節感を共有することに一役買ってくれます。
ふきのとうを犬猫に食べさせる時の注意点
アク抜きをする
犬猫にふきのとうを食べさせる際はふきのとうに含まれるアクと天然毒素を減少させる必要があるため必ずアク抜きをしましょう。
しかしアク抜きをしたとしてもふきのとうには独特のにがみとえぐみがまだ残っています。
愛犬愛猫が気にせず喜んで食べているようなら大丈夫ですが、興味を示さなかったり、少し口にして嫌そうな様子なら無理にたべさせるのはやめましょう。
ふきのとうには栄養もありますが、その栄養は他の食べ物からも摂取できますし、季節感を共有するにしても他の食べやすいものや愛犬・愛猫が好むものを与える選択肢があります。
カリウム
ふきのとうはカリウムの豊富な食材です。
適量摂取する分には健康に良いものですが、腎臓に障害のある犬猫は余分なカリウムを尿でうまく排出することが出来ず体内に蓄積してしまいます。
血中のカリウム濃度が上昇すると高カリウム血症という病気になってしまうことがあり、
- 四肢のしびれ
- 筋力低下
- 心臓機能の異常
などの症状が現れ、酷い場合は死に至る可能性もあります。
腎臓や心臓に問題を抱えている犬猫の食事はカリウムを多く含む食材に注意を払いましょう。
細かくきざみ少量だけ与える
ふきのとうを丸いまま犬猫に与えてしまうと喉などで詰まらせたり、消化不良を起こしてしまうことが考えられます。
また、先述した天然毒素ピロリジジンアルカロイドですが、日本で健康被害の報告が無い理由は
- ほとんどアク抜きを行っている
- その上で一度に少量しか食べていない
こちらのように考えられています。アク抜きで毒素は抜けていると思われますが、念のため犬猫にたくさん食べさせることは控えた方がいいでしょう。
ふきのとうの与え方
まずはアク抜きの方法からお話しします。
アク抜きの仕方
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、数分間ゆでる
- ゆで汁を捨て流水で冷やす
- 水を替えながら半日から1日水につけておき、その後水気を十分に切る
この際塩は使わないようにしましょう。
アク抜きの工程でしっかりゆでられていますので、アク抜きが終わったものを細かくきざみ、小さじ1~2杯分程度の少量食べさせてあげましょう。
味や風味を付けたい場合は、かつおぶしを少量ちらしたり、出汁を少しかけることをおすすめします。
調味料での味付けは厳禁です。
ふきのとうの天ぷらは食べられる?
ふきのとうの料理といえば天ぷらや味噌と合わせたものが浮かびますが、これらは油分や塩分の高さから犬猫が食べるには適していません。
ネギなど犬猫に危険な食材が使われていなければ、少量口にしたからといってすぐに危険な状態に陥ることは考えにくいですが、誤食などないよう注意しましょう。
犬猫が食べやすい春の野菜
春の季節感を愛犬・愛猫と一緒に楽しむことが目的の場合は、ふきのとう以外の食材も考えてみましょう。
春が旬の食材で犬猫も食べられるものをいくつかあげておきます。
ただし、これらの食材も与え方や量には注意すべき点もありますので、食べさせる前に当サイトの記事などを参考に調べてみてください。
【まとめ】
ふきのとうは犬猫が食べても大丈夫ですが、敢えて与えなくてもいいと考えられる食材です。
- アクによりにがみとえぐみの癖があり、好まない犬猫が多い
- ピロリジジンアルカロイドという天然毒素を含んでいる
この2点が大きな理由です。
アク抜きを行えばアクも毒素も減少すると考えられますが、犬猫が絶対安心できるとは言い切れません。
また、カリウムが多い食材ですので腎臓や心臓に問題のある犬猫は注意が必要です。
ふきのとうを与える時はアク抜きを行い、細かくきざんだものをほんの少量食べさせるようにしましょう。
愛犬・愛猫と食事で季節感を共有したい場合は他の春の食材も一考してみてください。