お手軽にさつまいもの甘味を感じられる自然派おやつとして人気の干し芋。
ほどよい食べ応えがあり特に女性から人気のイメージがあります。
そんな干し芋は犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は干し芋を食べても大丈夫!
犬や猫は干し芋を食べても大丈夫です。犬猫にもおやつ代わりに与えることが出来ます。
ただし与える際にいくつか注意点があるので紹介していきます。
表面の白い粉は大丈夫?
干し芋を食べるときに少し気になるのが表面の白い粉。
あれは「マルトース」と呼ばれる麦芽糖のかたまりで、干し芋の甘味の正体です。
出来たばかりの干し芋は表面が白くありませんが、しばらく寝かせることによって表面にマルトースがかたまりになって出てきます。
一般的によく乾燥させると白い粉が出てきやすいと言われていて、カビなどではありませんので犬猫が食べても問題ありません。
干し芋に含まれる代表的な栄養素
干し芋には以下のような栄養素が含まれています。
さつまいも 蒸し切干 可食部100gあたり
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 277kcal |
たんぱく質 | 2.7g |
脂質 | 0.2g |
利用可能炭水化物 | 62.5g |
食物繊維総量 | 5.9g |
カリウム | 980mg |
カルシウム | 53mg |
マグネシウム | 45mg |
リン | 93mg |
ビタミンC | 9mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
カリウム
カリウムはナトリウムと共に体液の動きを助ける働きがあります。
細胞内や細胞外の水分量を調整し、細胞が正常に機能するのを助けます。
また、健康な犬猫は摂取しすぎたカリウムは腎臓の働きによって尿とともに体外へ排出することが可能です。
しかし腎機能が弱っている犬猫はカリウムを上手く体外へ排出できず血中のカリウム濃度が上がってしまい「高カリウム血症」の恐れがあります。
愛犬・愛猫の腎機能が弱っている場合や獣医師からカリウム制限を指示されている場合は注意しましょう。
カルシウム・リン
カルシウムとリンは健康な骨や歯を形成するのに必要で、バランスが重要になります。
カルシウム:リンの理想の比率は1:1~2:1といわれています。
どちらかが多すぎたり少なすぎたりなどこのバランスが大きく狂ってしまうと骨格異常になる可能性があります。
マグネシウム
マグネシウムは体内の多くの酵素の反応に必要とされています。
また、カルシウムやリンと共に骨や歯を構成する重要な要素でもあります。
尿中のマグネシウム濃度が上がるとストルバイト結石の原因にもなるためマグネシウム過剰には注意が必要です。
食物繊維
干し芋には食物繊維も豊富に含まれています。
草食動物の場合は食物繊維を消化吸収し、エネルギーに変換することが可能です。
しかし肉食動物である猫も、肉食寄りの雑食動物である犬も、さらには私たち人間までもが食物繊維をエネルギーにすることはできません。
そのためかつては食物繊維は不要なものだと考えられていましたが、研究が進み食物繊維には整腸作用があることがわかりました。
食物繊維の種類
食物繊維を大きく分けると不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。
不溶性食物繊維は水に溶けないことが特徴で便のかさ増しをし、腸のぜん動運動を活発にすることで便通改善の効果が期待できます。
反対に水溶性食物繊維は水に溶けることが特徴で水分を腸に運び、便秘を改善したり腸内を綺麗にする効果が期待できます。
犬や猫に干し芋を与える際の注意点
犬猫に干し芋を与える際の注意点を紹介します。
与えすぎに注意!
犬猫に干し芋を与える際に最も注意したいことは与える量です。
干し芋を与えすぎると以下のようなリスクがあります。
糖質の摂り過ぎ
干し芋には100g中62.5gも糖質が含まれています。
白米の糖質は100g中34.6gなのでその含有量の多さがわかるかと思います。
人間は主に糖質をエネルギーにして活動していますが、犬や猫も糖質をエネルギーにすることが出来ます。
しかし糖質を取り過ぎると犬猫も人間と同じように肥満の原因となるため、与えすぎには注意しましょう。
食物繊維の摂り過ぎ
適量摂取することで便通改善・腸内環境改善などの効果が期待できる食物繊維ですが、摂りすぎると消化不良が原因で逆に下痢や便秘になってしまう可能性があります。
干し芋だけでなく食物繊維を多く含む食べ物(野菜類・きのこ類・芋類など)を犬猫に与える際には量には十分注意しましょう。
また犬猫に比べると許容量は多いとは言え食物繊維の摂りすぎは人間にとってもよくありませんので飼い主様も注意してください。
普段のペットフードは変わらず与え続ける
干し芋は満腹感があり、干し芋を与え続けるとそれだけでお腹がいっぱいになってしまうこともあるでしょう。
そうすると栄養満点のペットフードが食べられなくなってしまい、栄養不足になってしまう可能性があります。
干し芋に限らずおやつなどを犬猫に与える場合は普段のご飯も変わらず食べ続けられるようにしましょう。
細かくしてから与える
干し芋にはスライスしたような形のものやスティック状のものがありますが水分量が少なく、万が一犬猫が丸呑みしたらとても危険です。
食べやすい大きさに切ってから与えるか少しずつちぎって与えるのが良いでしょう。
アレルギーに注意
干し芋に対してアレルギー反応を示すことは少ないようですが可能性はゼロとは言い切れません。
初めて干し芋を与える際には少量に抑え、食べた後の様子をよく観察しましょう。
皮膚の赤み・かゆみ・下痢・嘔吐などのアレルギー症状が見られた場合は獣医に相談しその後の食事について考える必要があります。
人間用の干し芋は食べても大丈夫?
人間用の干し芋には一部砂糖や保存料などの添加物が使用されているものがありますが、犬猫にそういったものは与えない方がいいでしょう。
犬猫に干し芋を与える場合は無添加のものか自分で作ったものを与えることをおすすめします。
犬や猫への干し芋の与え方
犬に干し芋を与える場合は1日に必要なカロリーの10%程度にし、猫に与える場合は大さじ1/2程度にしましょう。
継続して毎日与えたりするのは肥満の原因となる可能性があるためおすすめできません。
週に1回程度おやつ代わりに与えるような頻度がおすすめです。
【まとめ】犬猫は干し芋を食べても大丈夫
犬猫は干し芋を食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 糖質・食物繊維が多いので食べ過ぎ注意!
- 食べ過ぎでペットフードが食べられなくならないようにする
- 細かくしてから与えると安全
今回は干し芋について紹介しました。
たまにおやつ代わりで与えてあげましょう。