おでんや納豆、お肉などに少しつけて食べると美味しい「からし」。
アブラナ科のからし菜という植物の種子を原料として作られます。
食事にピリっとした刺激を加えるほか、辛味成分による殺菌作用や抗酸化作用を持った香辛料です。
犬猫にからしは絶対にNGです!
犬猫にからしを与えてはいけません。
中毒を起こすような成分は含まれていませんが、わさびなどと同様に犬猫にとっては刺激が強すぎます。
こちらの記事では
- 犬猫がからしを食べてはいけない理由
- からしを食べた際に考えられる健康被害
- 誤食がおきた場合の対応方法
などについてお話ししていきます。
からしは犬猫のしつけに使える?
からしやわさびと言った犬猫の嫌う辛味成分をもつ香辛料を使い、噛み癖などを矯正するしつけを行えるという話が一部でありますが、本記事では推奨しません。
確かに犬猫に対するしつけ効果は見込めるようですが、誤って口にした時の健康被害の可能性を考えるとおすすめできません。
しつけを行う際は他のリスクの少ない方法を取るようにしましょう。
納豆のからしを食べちゃったけど大丈夫?
一概に大丈夫とは言えません。
犬猫の個体差によっては、少量のからしでも重い健康被害が出てしまう可能性が考えられます。
からしを誤食した際に考えられる症状や対応方法は後ほどお話します。
犬猫がからしを食べてはいけない理由
「からし」はアブラナ科のからし菜という植物の種子を原料として作られると冒頭でお話しました。
この種子はそのまま噛んでもあまり辛くありませんが、製造の工程ですり潰し水を加えて練ることで酵素が働き「アリルイソチオシアネート」というわさびと同じ辛味成分が発生します。
からしは人間でも少量でツンと来る辛さがある香辛料です。
犬猫は香辛料に対する耐性が低く、人間以上に刺激の影響を受けてしまいます。
犬猫がからしを食べた際に考えられる健康被害
辛味成分の刺激により、口の中の感覚麻痺・肝臓障害・胃腸障害・消化器への負担といった健康被害が起きる可能性があります。
症状としては以下の様なものが考えられます。
- 口腔粘膜の痛み
- 感覚神経の一時的麻痺
- 胃炎
- 下痢や嘔吐
異変を感じたり症状が強い場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
からしをどのくらい食べたら危険?
危険な量はどの程度からなのか気になるところですが、こちらは明確にお伝えすることが出来ません。
からしやわさびなどの辛味成分にどの程度耐性があるのかは個体差が大きく、少量を口にして重篤な状態になってしまう子も居れば、それより多い量を食べたのにケロッとしている子もいます。
からしは犬猫が好むものでも健康面で与えないといけないものでもないので、絶対に食べさせてはいけないという認識を持ち慎重に取り扱うべきです。
誤食が起きた場合の対応方法
もしかしたら食べたかも?危険物を食べた時の犬猫の様子
お留守番させている時や食事の前後の際、犬猫の思わぬ行動により知らない間に「からし」などの危険物を口にすることはありえます。
以下のような様子の時は危険物の誤食の可能性があるので、いつもと違うなと思ったらチェックをしてみてください。
- 連続して、あるいは感覚をあけながら何度も吐く
- 吐こうとしているのに吐けない
- 食欲がない
- 口をしきりに気にする、開けたり閉じたりする
- よだれを流す(口をくちゃくちゃさせることが多い)
- 元気が無かったり、じっと丸まったりする
- 身体が震えている
引用:監修 服部 幸「猫が食べると危ない 食品・植物・家の中の物図鑑」
誤食が分かった時は
まずは落ち着いて、
- なにをどの程度食べてしまったのか?
- 他に一緒に誤食したものはないか?
- 現在の犬猫の様子は?
といったことを確認してください。そして動物病院へ連絡し、どのような対応をすべきなのか指示を仰ぎましょう。
この時、ご家庭の判断で無理に吐かせたりすると危険なので行わないでください。
からしマヨネーズやからし菜は食べても大丈夫?
からしと付く食品はからし由来のからみ成分が含まれるものがほとんどで、からしと同じ危険性をはらんでいます。
- からしマヨネーズ:辛味成分のほか、マヨネーズの油分は犬猫の肥満の元になりますし、嘔吐を引き起こす可能性もあります。
- からし菜:からし自体よりは辛味成分が少ないですが、微量な辛さはありなんらかの症状がでる可能性は無いと言い切れません。
- 辛子明太子:からしが使われている訳ではありませんが、唐辛子などの刺激物で味付けされており、塩分も高いので危険です。
少し食べた程度ではすぐさま命に関わるというものではありませんが、犬猫の健康を考えると少しの誤食も回避すべきです。
【まとめ】
犬猫にからしを与えてはいけません!
からしの刺激は犬猫に強すぎるため、犬猫がからしを口にすることで
- 口の中の感覚麻痺
- 肝臓障害
- 胃腸障害
- 消化器への負担
などの健康被害を引き起こす可能性があります。
どの程度口にすると危険なのかは、個体差が大きいため明確にお伝えすることができません。
少しの誤食もさせてはいけないという認識を持つようにしましょう。