小松菜について
小松菜は栄養価が高い上に食べやすく、様々な料理に使われる人気の緑黄色野菜です。
今ではハウス栽培が進み、一年中出回っていますが本来の旬は冬で寒い時期に採れる野菜でした。そのため「冬菜」や「雪菜」とも呼ばれています。
初春に採れる色が薄いものは「鶯菜(うぐいすな)」とも呼ばれています。
似ている野菜としてほうれん草がありますがほうれん草に比べてアクが少なく食べやすい野菜です。
そんな小松菜は犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は小松菜を食べても大丈夫!
犬や猫は小松菜を食べても大丈夫です。
ただしいくつか注意点はありますので今回は注意点や与え方を解説していきます。
甲状腺の機能が低下している場合は与えない
甲状腺に問題のある犬猫に小松菜を与えるのはやめましょう。
小松菜のようなアブラナ科の野菜にはゴイトロゲン(グルコシノレート)という成分が含まれています。
このゴイトロゲンという成分は甲状腺ホルモンの分泌を阻害してしまいます。甲状腺ホルモンが欠乏すると運動機能が低下したり無気力になってしまう原因となります。
健康な犬猫の場合は多量の小松菜を与え続けない限りそれほど心配はありませんが、すでに甲状腺の機能が低下している犬猫には与えない方がいいでしょう。
生のまま食べても大丈夫?
人間の場合は小松菜を生のままサラダやスムージーなどで食べても問題ありません。
犬猫も小松菜を生のまま食べることが出来ますが茹でたものを与えることをおすすめします。
シュウ酸
小松菜には「シュウ酸」という食べ物の「アク」となる成分が含まれています。
このシュウ酸は犬猫がかかりやすい「シュウ酸カルシウム結石」という尿石の原因となる成分です。
小松菜に含まれるシュウ酸の量はほうれん草などに比べるとかなり少ないですが万が一ということもあるので犬猫に生食させるのは避けた方がいいでしょう。
シュウ酸は水溶性なので茹でることによって大幅に減らすことが出来ます。
胃に優しくなる
小松菜を加熱調理した方が犬猫の胃に優しくなります。
犬猫は小松菜に含まれる食物繊維を消化吸収できないため、加熱することによって繊維質が柔らかくなり胃の負担を軽減できます。
小松菜に含まれる代表的な栄養素
葉 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 13kcal |
たんぱく質 | 1.3g |
炭水化物 | 0.8g |
食物繊維総量 | 1.9g |
ビタミンC | 39mg |
カルシウム | 170mg |
鉄 | 2.8mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
食物繊維
先述したとおり、小松菜には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は適量摂取すると腸内環境を整えてくれたり便通改善に効果的ですが犬猫は草食動物と違って食物繊維の消化吸収ができません。
食物繊維は消化吸収されなくても体の中を通るだけで大腸の動きを活発にする・便に水を運び柔らかくするなどの働きをしてくれます。
しかしやはり消化吸収されないものなので摂取しすぎると消化不良を起こし逆に便秘になってしまったり下痢になってしまうので注意しましょう。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があります。老化や激しい運動による酸化ストレスの治療・予防に役立ちます。
犬猫は体内でビタミンCを生成することができるので必須ビタミンではありません。
カルシウム
カルシウムの役割は大きく分けて2つあります。
丈夫な骨や歯をつくる
ご存じの方も多いかもしれませんがカルシウムは健全な骨や歯をつくる上で欠かせない栄養素です。
体内のカルシウムの90%以上は骨や歯に存在しています。リン酸と結合しリン酸カルシウムとして骨格を形成しています。
そのほかの役割
骨や歯を作っているカルシウム以外のカルシウムは体内でなにをしているのでしょうか。
実はカルシウムの役割はとても多く、細胞間の情報伝達・筋肉収縮・神経興奮の抑制・血液凝固作用の促進などがあります。
カルシウムはたくさん摂った方がいいの?
日本人はカルシウム不足の傾向にあるそうですが、犬猫の場合は総合栄養食のペットフードを与えていればカルシウム不足になることはありません。
逆に犬猫がカルシウムを過剰に摂取してしまうと骨格異常や尿路結石の原因となってしまうので注意しましょう。
鉄
小松菜は鉄の含有量が野菜の中でトップクラスです。鉄は血液中の赤血球の中にあるヘモグロビンを構成するとても重要な成分です。
ヘモグロビンの役割は酸素を全身に運搬することです。鉄が不足すると赤血球を作ることが出来なくなるので全身に酸素が行き渡らなくなり貧血状態になります。
総合栄養食のペットフードを与えている場合は犬猫にとって十分な量の鉄が含まれているため鉄分不足になることは滅多にありませんが手作りのご飯を与えている場合は注意しましょう。
魚や肉(特にレバー等)に多く含まれている鉄ですが、野菜などに含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれるもので魚や肉に含まれる「ヘム鉄」に比べ体への吸収率が低い鉄です。
鉄の吸収率を上げるにはビタミンCを一緒に摂取するのが良いのですが小松菜にはビタミンCも含まれています。
犬や猫に小松菜をあげる際の注意点
犬猫に小松菜を与える際の注意点を紹介します。
味付けはNG
小松菜を犬猫に与える際は人間が食べる時のような味付けをするのはやめましょう。
茹でた小松菜にごまをかける程度なら問題ありませんが醤油をかけたりするのは塩分が多すぎるのでNGです。
また、小松菜を茹でる際は塩ゆでではなく普通の熱湯で茹でましょう。
アレルギーに気をつけて
どんな食べ物でもアレルギーの可能性は少なからずあるので注意しましょう。
犬猫のアレルギー症状は下痢・嘔吐・皮膚の赤みやかゆみ・目の充血などがありますが人間のアナフィラキシーショックのような大きな反応は滅多にありません。
実はアレルギー反応を示しているのに気づかずに与え続けるなんてことがないように初めて小松菜を食べた後半日~1日ほどはよく観察しましょう。
また、初めての食材を与える場合は少量に抑えるようにしましょう。
少しでも異常が見られたらそれ以上与えるのをやめ、症状が酷くなる場合は獣医に相談しましょう。
犬や猫にあげる小松菜のレシピ
小松菜とミニトマトの卵とじごはん
材料
(1食分ではないので量は調節してあげてください)
たまご ・・・ 4個
小松庵 ・・・ 1株
ミニトマト ・・・ 8個
ご飯 ・・・ 120g
かつお節 ・・・ 4g
水 ・・・ 320ml
①小松菜を1cmの長さ、ミニトマトは4等分に切る。(食材の大きさは必要に応じて変えてください)
②鍋に水を入れ、①とかつお節を加えて5分煮る。
③割りほぐしたたまごを少しずつまわし入れ、ひと煮立ちさせる。
④器に炊いたごはんを盛りつけ、③を入れて全体をよく混ぜて完成。
ご飯とスープに分けて1食分ずつ冷凍保存することも可能です。
【まとめ】犬猫は小松菜を食べても大丈夫
犬猫は小松菜を食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 生で食べても大丈夫ですが基本は加熱調理推奨
- 甲状腺の機能が低下している犬猫は食べない方がいい
- 人間用の味付けはNG
今回は小松菜について紹介しました。
紹介した注意点を守って手作りレシピに加えてみてください。