ほとんど日本のみで食べられてきたこんにゃく
こんにゃくは「こんにゃく芋」から作られる加工食品です!
6世紀ごろ中国から伝わったとされていますが、それ以降1200年ほど食用にしていたのはほとんど日本のみでした。
シンプルに味噌田楽で食べたり、甘辛く煮たり、おでんの具材、アレンジして様々なレシピに使ったり…
こんにゃくは日本の食卓にとてもなじみある食材ですよね。
近年は欧州などでシラタキヌードルがパスタの代替え品ダイエットフードとして人気を博しているそうです。
この記事ではそんなこんにゃくを犬猫に与えてみても大丈夫なのか?安全性や注意点は?といったことを解説していきます。
犬猫はこんにゃくを食べても大丈夫!
加工の際に石灰水を加えるこんにゃくですが…犬猫が食べても大丈夫です!
石灰自体をそのまま口に入れるのは問題ですが、こんにゃくの加工の段階で加えられている微量程度であれば摂取しても胃酸で溶けてしまうので健康に影響はありません。
石灰にはこんにゃく芋のえぐみを消し、固まらせる働きがあります。
こんにゃくは97%が水分を占める低カロリーでありながら、胃の中で膨らみ満腹感の得やすい食材。
ダイエットにも適していますので、肥満気味の犬猫の食事の一部をこんにゃくに置き換えて摂取カロリーを控えることができます。
ただし、消化不良を起こす可能性もありますのでダイエットに良いからと無理に与える必要はありません。
こんにゃくゼリーはあげても大丈夫?
人間でも例のあることですが、こんにゃくゼリーをそのまま食べると窒息してしまう危険があります。
それにそもそも砂糖などの甘味料が含まれておりますので、犬猫の身体によくありません。
こんにゃくゼリーは与えないようにしましょう。
おやつには?
肥満体型の犬猫のおやつにこんにゃくを与えたい所ですが、こんにゃくだけですと犬猫があまり興味を示さないかもしれません。
犬用猫用の味付けがされたこんにゃくが市販されておりますので、そちらを与えてみるとよいでしょう。
丸飲みしてしまった…
うっかり目を離した隙にそのまま丸飲みしてしまった!という場合、喉に詰まらせて窒息してしまう危険性が高いです。
丸飲みしてしまった時はまず落ち着いて動物病院に電話を掛け、症状を伝えましょう。
とり扱う時はうっかり事故がおきないように慎重に。
こんにゃくの主な栄養
板こんにゃく(精粉こんにゃく)100g当たりの主な栄養
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 5kcal |
たんぱく質 | 0.1g |
炭水化物 | 2.3g |
食物繊維 | 2.2g |
カルシウム | 43mg |
カリウム | 33mg |
脂質 | 0mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
※精粉こんにゃくはスーパー等に流通している一般的なこんにゃく。突きこんにゃく、玉こんにゃくも同様。
こんにゃくはダイエットの味方!その効果・効能について
ダイエット
こんにゃくに含まれる不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ便の量を増やすととも腸を刺激して運動を活発にし、便通を促進します。
要するに便秘解消効果があるということですね。
また、そもそもカロリーが低いこと、食べてから胃の中で膨らみ満腹感を得られることも相まって高いダイエット効果が期待できます。
生活習慣病予防
食物繊維にはダイエット効果以外にも腸内環境を整える効果があり、腸内環境が整うことで老廃物や有害物質がスムーズに排出され血液が綺麗になり、免疫力もアップします。
さらに、腸内の余分な糖質や脂質を体外に排出する作用や、腸内にあるナトリウムを包み込み排泄することで血圧上昇を抑える効果もあります。
カルシウムで骨や歯の健康を支える
こんにゃくには牛乳の半分のカルシウムが含まれています。カルシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素です。
それ以外にも、筋肉が正常に収縮するのを保つ・神経を安定させる・胃液の分泌を調整するなど、実に多用に健康を保つ働きをしてくれています。
犬猫に与える際の注意点
ダイエット目的以外の食事にはあまり適さない
こんにゃくは低カロリーに加え少量で満腹感を得られるので肥満体型の犬猫にダイエット目的で与えるのには適していますが、健康的な体型の犬猫や痩せ気味の食事には適していません。
なぜなら少量でお腹がふくれてしまうからです。
栄養自体はあるのですが、健康な犬猫がこんにゃくだけでお腹いっぱいになってしまうと栄養が不足してしまいます。
消化しづらいので過剰摂取はさせないように
こんにゃく自体は消化しづらい食べ物ですので、犬猫のダイエットに良いからと食べさせすぎてしまうと消化不良により下痢や嘔吐を起こしてしまいます。
1食の量の1割程度に抑えておくのが無難です。
消化器官の弱まっている年老いた犬猫にはほとんど与えない方がよいでしょう。
生で与えるのはNG
生のこんにゃくやさしみこんにゃく、加工前のこんにゃく芋を生の状態で与えるのはやめましょう。
犬猫がこれらを生で食べてしまうと、尿路結石症の原因となるシュウ酸カルシウムを多く摂取してしまいます。
こんにゃくの与え方
犬猫は咀嚼する習慣があまりないので、大きなサイズのこんにゃくを与えるとそのまま飲み込んで喉に詰まらせてしまう危険があります。
こんにゃくを与える際は必ず細かく刻んで、その危険が無いようにしましょう。
また、こんにゃくだけですと犬猫の嗜好に合っていません。
細かく刻んだものを他のフードに混ぜて与えたり、だしや肉など犬猫の好む風味のものと一緒に煮込むことで食欲を刺激するようにしてあげましょう。
まとめ
犬猫はこんにゃくを食べても大丈夫です!
低カロリーでかさ増しになるのでダイエットに向いています。
ただし、肥満気味の犬猫にダイエットをさせる時のみで、健康的な犬猫に与えるべきではありません。
消化されづらく喉に詰まりやすいので与える時は小さく刻み、消化器官の弱っている犬猫に与えるのも控えましょう。
ダイエットをしたい犬猫にもたくさん与えるのはよくありません。食事の1割程度に抑えるようにしましょう。
食いつきが悪い時は無理に与える必要はありませんが、他のフードと混ざると食べやすくなります。