犬猫はレタスを食べても大丈夫!
レタスには犬猫にとって有害な成分は入っていないため、犬猫が食べても大丈夫な食材です。
みずみずしくシャキシャキとした食感が心地よく、サラダには欠かせない存在のレタスは葉物野菜の中でも軽く、成分の90%以上が水分であることから栄養価は低いイメージがある方もいるかもしれません。
たしかに栄養価がすごく高いとは言い難いですが、レタスの中には水分以外にもビタミン類やミネラル分、食物繊維などの栄養がバランスよく含まれ、100gあたり12㎉と低カロリー。
シャキシャキした食感が好きな犬猫も多く、生でも加熱しても食べられます。
レタスの栄養
一般的な丸く結球する淡い緑色のレタスは淡色野菜ですが、球状にならず葉先が紫色になっているリーフレタスは緑黄色野菜に分類され、色の濃いリーフレタスの方が栄養価が高いといわれています。
β‐カロテン
一般的な丸いレタスに比べ、リーフレタスにはβ-カロテンが約8倍含まれているそうです。
犬はβ‐カロテンを体内でビタミンAに変換することができるので、レタスに含まれるβ‐カロテンはビタミンAとなり眼や皮膚粘膜の健康に役立ちます。
猫はこの変換は行われませんが、レタスに含まれるβ‐カロテンそのものの抗酸化作用や免疫活動の活性化に役立ちます。
ビタミンC
ビタミンCもやはりリーフレタスの方が豊富に含まれています。
犬猫は体内でビタミンCを合成することができるので必要以上に摂取する必要はありませんが、体調や年齢によっては食事から摂取した方が良い場合があります。
ビタミンE
リーフレタスに多く含まれるビタミンEは『若返りのビタミン』とも呼ばれ、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。
体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少などの働きがあります。
葉酸
レタスに含まれる葉酸はきゅうりの3倍程と言われています。
葉酸はビタミンB群の一種で「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の細胞の形成を助ける役割があり、貧血予防にも効果があるといわれています。
カルシウム
カルシウムはリーフレタスの一種である刃先がギザギザした「フリルレタス」に特に多く含まれています。
体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。
ほかにもホルモンを分泌ささたり、細胞分裂や鉄の代謝のサポートをするなど多様な働きが期待できます。
マグネシウム
レタスに含まれるマグネシウムは100gあたり8㎎含有されています。葉物野菜の中で特に多い量ではありませんが、その反面でマグネシウム過剰摂取の心配が少ないでしょう。
マグネシウムは骨の成長や強化、維持に重要な働きをするミネラルの一種です。
多くの体内酵素の働きとエネルギー産生をサポートをしながら、血液循環を正常に保つ働きがあります。
食物繊維
レタスには不溶性と水溶性の両方の食物繊維が含まれていますが、不溶性がより多いです。
食物繊維は食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したり、腸内で水分を吸って膨らむことで便のカサを増し、便通を改善してくれる効果があります。
また、腸内細菌のエサとなって腸内環境の改善に役立ちます。
レタスを与えるメリット
レタスは低カリウム野菜
カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。
利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たしますが、腎臓病などで腎臓の働きが低下すると、カリウムを正常に排出できず高カリウム血症などを引き起こすこともあります。
レタスは低カリウム野菜といわれ、通常の野菜に比べてカリウムの含有量が少ない野菜とされています。
またレタスに含まれる食物繊維で便通が良くなりスムーズにカリウムが排出されるというメリットもあるので、カリウムの過剰摂取をあまり心配せず与えやすい野菜といえます。
ただし、腎臓病等の疾患がある犬猫に与えても絶対に大丈夫というわけではありません。
腎臓病疾患で治療中の犬猫へ与える際にはかかりつけの動物病院へ相談してからにしましょう。
水分補給で熱中症予防
レタスは90%以上が水分でできていて、夏野菜の特徴として体を冷やす作用もあり、暑い時期にぴったりの野菜です。
また、夏バテになってしまうと水を飲む元気までなくしてしまう犬猫もいます。
その際には総合栄養食のペットフードに刻んで混ぜてあげれば食事からの水分補給ができます。
低カロリーなので、いつもの食事にプラスしてもあまりエネルギー過多になる心配なく与えられるのもいいところです。
腸内環境の改善
レタスに含まれる食物繊維は、便秘の改善や腸内環境を整える効果が期待できる栄養素で、便通の改善や老廃物を排出し悪玉菌の増殖を抑え免疫力の向上にも効果があります。
また、食物繊維には血糖値上昇抑制効果もあり、低カロリーであることと併せて肥満防止に役立つ野菜といえそうです。
ただし食物繊維の摂りすぎは便秘を引き起こすこともありますので気をつけてくださいね。
また水分の多さから下痢を起こしたり、体を冷やしすぎたりと健康被害を及ぼすことがあるので与えすぎには注意しましょう。
抗酸化作用でアンチエイジング
レタスに含まれるビタミンの中でも特にビタミンC、ビタミンEには強い抗酸化作用があります。
犬猫は体内でビタミンCを合成することができますが、体調や年齢によって合成能力が衰えることがありますし、ストレスで消費されてしまう成分でもあるので、昨今では食事から摂取し補うことは必要であるといわれています。
『ラクチュコピクリン』鎮静効果でリラックス
レタスを切ると白い液が出てきます。
その白い液体に含まれる『ラクチュコピクリン』という成分はポリフェノールの一種で、鎮静効果と鎮痛効果があるといわれています。
レタスで摂取できる量はわずかなので薬のように効くということはありませんが、気持ちを穏やかにするリラックス効果が期待できます。
与える際の注意点
与えすぎは注意
レタスは犬猫が食べても大丈夫な野菜ですが、90%以上が水分の野菜なので体を冷やす作用があり、与えすぎはその水分量の多さと体を冷やす作用から下痢を引き起こす要因となります。
また、レタスに含まれる不溶性食物繊維に腸内の水分を取られ過ぎると便が硬くなり、便秘やコロコロうんちの原因にもなります。
レタスが好きな犬猫は多く、低カロリーで肥満防止にカサ増しとしても役立ちますが、毎日のように大量与えるのは危険です。
おやつやトッピング程度に時々与えるのが効果的です。
キシリトールの含有量は微量なので危険性は低い
レタスには犬猫にとって有害な成分といわれるキシリトールが含まれていますが、その含有量はごく微量なので健康被害を及ぼすほどではありません。
犬猫がキシリトールを摂取すると中毒症状を引き起こすことがあり主な症状として嘔吐や食欲不振、脱力感、運動失調などの症状がみられます。
また重篤な症状として急性肝不全や黄疸、昏睡状態から命を落としてしまうケースがあげられてます。
しかし、前述の通りレタスに含まれるキシリトールはごく微量で、レタスを数枚食べる程度は大丈夫と考えられます。
一度にレタスを丸ごと5~10個食べればキシリトール中毒症の危険性がありますが、現実的に犬猫がレタスをそれほど食べる事は難しいでしょう。
レタスを数枚食べた程度ではキシリトール中毒を引き起こすことは考えにくいですが、食後に様子が変わったり、上記のような症状が現れた場合にはすぐに動物病院へ相談しましょう。
味付け不要!人用に調理されたものは与えないようにしましょう
どの食材にも言える事ですが、犬猫に与える際には調味料などでの味付けは一切不要です。
レタスはサラダで食べる事が多いので、人用のレタス料理にドレッシングがかかっているケースが多いと思いますがド塩分はもちろん、中にはタマネギなどの中毒症状を引き起こす食材が使われている場合があります。
また、人用に作られたサラダには様々な野菜が混ぜられていることも多く、その中にもタマネギやレーズンなどが入っている可能性も考えられます。
人用に調理されたものは犬猫にとって健康被害を及ぼす危険性がたくさん隠れていますので、与えないようにしてください。
おすすめレシピ
ごはん、納豆、卵で作ったチャーハンにちぎったレタスを混ぜました。
栄養豊富でパワフルなメニューです。
レタスのシーザーサラダ
①レタスを細かくちぎり、水で洗ってザルにあげておきます。キュウリ、トマトも小さ目な角切りに。
②ささみを茹でて粗熱がとれたら手でほぐし、用意しておいた野菜と混ぜて器に盛ります。
③プレーンヨーグルトにレモン汁を数滴(入れ過ぎると酸味が強く犬猫が嫌がります)混ぜたものをかけて完成。
良質なたんぱく質や、ビタミンC、水分補給もできます。散歩や運動の後に与えればクールダウンできて良さそうです。
マヨネーズを少し足せば人用にもおいしく、シェアができます。
まとめ
犬猫はレタスを食べても大丈夫!
成分の90%以上が水分で栄養価が高いとは言い難いですが、レタスには水分以外にもビタミン類やミネラル分、食物繊維などの栄養がバランスよく含まれています。
低カロリーで肥満予防に取り入れやすく、通常の野菜に比べてカリウムの含有量も少ないので、カリウムの過剰摂取の心配も少ないです。
ただし食べ過ぎは下痢や体を冷やす原因になりますのであくまでも適量を与えるようにしましょう。