「めかぶ」はスーパーはもちろんコンビニでもパック詰めされたものが取り扱われていて、私達に身近な食材のひとつと言えます。
独特のネバネバ感のある海藻類で、主な産地は東北の三陸地方と徳島の鳴門地方です。
めかぶだけでそのまま食べても美味しいうえ、同じネバネバ仲間である納豆と組み合わせたり、海産物繋がりで魚介類と組み合わせたりと和食を中心に親しまれている食材です。
犬猫は「めかぶ」を食べても大丈夫!
めかぶは犬猫が食べても大丈夫です。
食物繊維など栄養素を複数持ち、様々な健康効果が期待できます。
本記事では
- 「めかぶ」「わかめ」「もずく」ってどう違うの?
- めかぶを犬猫に食べさせる時のメリットや注意点
- 愛犬・愛猫用のめかぶを使った手作りフードのレシピ
などについてお話していきます。
パックのめかぶや茎めかぶは食べさせていいの?
「パックのめかぶ」と「茎めかぶ」どちらも犬猫に食べさせるべきではありません。
加工の工程で塩分が含まれています。
茎めかぶは特に塩分量が多くそれでいて固く食べづらい食材なので、誤って丸飲みしてしまったという場合はただちに動物病院へ連絡し指示を仰ぎましょう。
「めかぶ」「わかめ」「もずく」の違い
「めかぶ」は「わかめ」の根本部分を湯通ししてから細かく刻んだもの、つまり「めかぶ」は「わかめ」の一部です。
ナガマツモ目モズク科の海藻である「もずく」は、「めかぶ」とは似ていますが違う種類の海藻です。
多少の違いこそあれこの3つはどれも海藻であり、ミネラルやカルシウムを豊富に含む健康に良い食材であると言えます。
めかぶの栄養素表
めかぶわかめ 生 100gあたりの栄養素
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 14kcal |
たんぱく質 | 0.7g |
食物繊維 | 3.4g |
ナトリウム | 170mg |
カリウム | 88mg |
カルシウム | 77mg |
マグネシウム | 61mg |
ヨウ素 | 390㎍ |
βカロテン | 240㎍ |
ビタミンK | 33㎍ |
葉酸 | 36㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
めかぶを犬猫に食べさせるメリット
めかぶにはネバネバ成分の元であるアルギン酸やフコイダンをはじめ様々な栄養素が含まれ、健康面で優れた食材です。
また、低カロリーで食物繊維も豊富なので、ダイエットにも適しています。
代表的な栄養素の健康作用を簡単にまとめます。
- アルギン酸・フコイダン:水溶性食物繊維であり、下痢や便秘の改善に効果的です。この他、アルギン酸はナトリウムを吸着し外に排出する働きが、フコイダンには糖質の吸収を抑え血糖値の上昇を抑える働きがあるとわかっています。
- ヨウ素:甲状腺ホルモンの成分になるミネラルで、新陳代謝や体の成長を促進する働きがあります。
- マグネシウム:リンかカルシウムと共に歯や骨を作る役割を持っているミネラルです。神経の興奮を抑え、血圧を下げる効果も持っています。
- ビタミンK:血液を健康に保つ効果を持っています。その他、カルシウムの吸収を助ける働きも。
- 葉酸:赤血球の合成をサポートするので「造血ビタミン」とも呼ばれ貧血予防に効果があります。DNAの合成においても重要な役割を果たしています。
めかぶを犬猫に与える時の注意点
加工品は避けるように
冒頭で触れていますが、めかぶの加工品には塩分が含まれており犬猫には塩分過剰となる恐れがあります。
犬猫に与える際は加工がされていないものを購入し、ご家庭で調理を行いましょう。
必ず加熱し、細かく刻むように
猫は肉食動物で、犬も元々は肉食動物である生き物なので植物の消化があまり得意ではありません。
固いものやサイズの大きい植物を口にすると消化がうまくいかず、下痢や嘔吐を起こす原因となる可能性があります。
一度茹でてから細かくきざんであげると、犬猫も食べやすくなります。
食べさせすぎないように
めかぶばかりを食べさせすぎないようにしましょう。
どのような食材にも言えることですが、同じものばかり食べてお腹いっぱいになると栄養バランスが乱れ健康によくありません。
めかぶを食べさせすぎた場合、食物繊維が豊富なので消化不良を起こし下痢や嘔吐を引き起こしてしまうことが考えられるほか、カルシウムやカリウムなどのミネラルも過剰摂取は病気の原因となります。
アレルギーに気を付けて
めかぶが特に危険ということではありませんが、犬猫にはじめての食べ物を与える時は食物アレルギーに注意してください。
まずはほんの一口以下ほどの少量から与え様子を見るようにしてください。
以下のような症状が現れた場合はアレルギーの可能性があるので、食べさせるのをやめてください。
- 目や皮膚の赤み・かゆみ
- 下痢・嘔吐
- 体毛が抜ける
症状が酷いときは様子を見ずに獣医師に相談してください。
生めかぶの茹で方と「たたきめかぶ」の作り方
- 生めかぶを丁寧に洗います。
- 大きめの鍋にお湯を沸騰させ、生めかぶを入れます。
- 約1分ほど茹で、しっかり火を通しやわらかくします。
- 茹で上がったあとは氷水で軽く冷やします。
冷やしあとは包丁で細かく叩くことで「たたきめかぶ」となり、犬猫も食べやすい一品となります。
食べさせる時は犬猫の体型・体質に合わせたほんの少量にしましょう。
「たたきめかぶ」を使った愛犬・愛猫用の手作りフードレシピ
前項で作り方をお話した「たたきめかぶ」を使ったレシピを紹介します。
「たたきめかぶ」とサバのスープ
材料
- 「たたきめかぶ」
- サバ
- 白菜
- しめじ
作り方
- サバはしっかりと焼いたうえでほぐし、骨を除けた身のみにする
- 白菜としめじを犬猫に合わせた大きさに細かく切る
- 鍋で水を沸騰させ、切った野菜を入れよく火が通るまで煮込む
- 最後にほぐしたサバの身と「たたきめかぶ」を入れ、一煮立ちさせたら完成
めかぶでの下痢や便秘改善を狙いつつ、犬猫の嗜好に合うサバで食いつきをアップした一品です。
スープなので食べやすく、溶け出した栄養も全て摂取させることができます。
実際に食べさせる量は愛犬・愛猫に合わせて調節してください。余った分は味噌や醤油で味付けして人間用に。
【まとめ】
「めかぶ」は犬猫が食べても大丈夫です!
ネバネバ成分のアルギン酸やフコイダンに加え、各種ミネラルなど栄養素が豊富で、便秘改善や高血圧予防など様々な健康効果が期待できます。
低カロリーなうえ食物繊維も多く含まれているので、ダイエットにも適した食材です。
注意点は下記の通りです。
- 加工品は塩分が含まれているので、食べさせるなら生のものを家庭で調理する
- 必ず加熱し、細かく刻む。めかぶばかりを食べさせない
- はじめて食べさせる時はアレルギーに気を付ける
少し独特な食感ですが健康に良い食材、めかぶ。
食事にほんの少しのトッピングとしても使いやすいので、愛犬愛猫のフードを手作りする際に取り入れて見てはいかがでしょうか。