独特な刺激があり、古くから使用され続けている調味料の1つコショウ。
コショウ科コショウ属に属する植物で、その実は香辛料として世界中で使用されており、「スパイスの王様」とも呼ばれています。
食欲増進効果や体を温めたり栄養の吸収を良くする効果がありますが、そんなコショウは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫にコショウを与えてはいけない!
犬や猫にコショウは刺激が強すぎる食材のため与えてはいけません。
今回はコショウの刺激が犬猫にどのような影響をあたえるのか解説していきたいと思います。
コショウの種類
コショウの種類として一般的なものはブラックペッパーとホワイトペッパーかと思います。
ブラックペッパーは熟していないコショウの実を皮付きのまま乾燥させたもので、ホワイトペッパーは完熟したコショウの実を水に漬け皮を取り除いて乾燥させたものです。
ラーメン屋さんで見かけるような粉末状のコショウはブラックペッパーとホワイトペッパーをブレンドしたものが多いようです。
他にも熟していないコショウの実を短時間で乾燥させたグリーンペッパーや完熟した実をそのまま乾燥させたピンクペッパーというものがあります。
コショウは刺激が強すぎる!
コショウを鼻から吸ってしまいくしゃみが出た経験をしたことはありますか?
私たち人間にとってもなかなかの刺激があるコショウですが人間の何倍もの嗅覚を持つ犬猫が吸ってしまうと気管支にダメージを負いかねません。
さらにコショウのような刺激物を犬猫が食べると消化器官に負担がかかり以下のような症状を発症する可能性があります。
- 下痢・嘔吐
- 血尿・貧血
- 胃腸炎
- 元気喪失
- 脱水症状(下痢や嘔吐からくるもの)
- 内臓障害
内臓に持病のある犬猫は悪化してしまうことも考えられるので犬猫にコショウを与えるのはやめましょう。
摂取したコショウの量によっては命に関わる場合も考えられます。
具体的な致死量は体の大きさや年齢などによっても変わってくるため明らかになっていませんが十分に注意しましょう。
コショウの刺激の正体
コショウのピリッとした刺激はコショウに含まれる辛味成分の「ピペリン」によるものです。
ピペリンには血管を広げて血液の流れをスムーズにする効果があるため体を温める効果があります。
他にも抗酸化作用・基礎代謝の向上・食欲増進などの効果が期待できますが犬猫には刺激が強すぎる成分です。
子犬・子猫は特に注意が必要
もしも子犬や子猫を飼っている方がいらっしゃったらコショウの扱いには特に注意してください。
子犬や子猫はまだ気管支や消化器官が発達していないためコショウの刺激を強く感じてしまう可能性があります。
さらに子犬や子猫は成犬・成猫に比べて好奇心旺盛なことが多いのでコショウを口にしてしまう可能性も高いと言えます。
他の香辛料にも注意
コショウ以外の香辛料や刺激が強い食べ物にも注意が必要です。
わさび・からし・唐辛子・山椒などは全て犬猫にとって刺激の強い食材なので消化器官や内臓の負担になってしまいます。
わさびにはアリルイソチアネート、唐辛子にはカプサイシンと言ったようにそれぞれ辛味成分が含まれています。
犬猫がコショウを食べないために
基本的に犬猫はコショウの匂いを好まない傾向にあるため自ら進んでコショウを食べることは考えにくいです。
実際にコショウなどの香辛料は猫よけにも使用されることがあるほどです。
ところが万が一ということもあるのでコショウのような犬猫が食べてはいけないものは犬猫の手が届かない場所で保管しましょう。
もしも食べてしまったら
自ら食べることは考えにくいとはいっても好奇心旺盛な子はコショウを舐めてしまったりするかもしれません。
すぐに獣医師へ相談するのが最も確実な方法と言えますが、食べてしまったのが少量の場合はしばらく様子を見てもいいかもしれません。
もしも下痢や嘔吐などの症状が見られた場合はすぐに動物病院へ連れて行ってあげてください。
また、コショウを直接食べなくてもコショウが使われている料理を目を離している隙に食べてしまうことは十分考えられます。
そんなときはその料理にコショウの他に犬猫が食べてはいけない食材が使われていないかを確認して適切な対処をとりましょう。
特にねぎ類の野菜やアボカド・イチジクなどには注意が必要です。
【まとめ】犬猫にはコショウを与えてはいけない!
犬猫にはコショウを与えてはいけません。NGポイントをおさらいしましょう。
- コショウに含まれる「ピペリン」という辛味成分は犬猫にとって刺激が強すぎる
- コショウの刺激で気管支・消化器官・内臓にダメージを与えてしまう可能性がある
- 犬猫はコショウの匂いを好まないため自ら進んで食べることは基本的には考えにくい
今回は犬や猫にコショウを与える危険性について解説しました。
コショウなどの香辛料は犬猫にとって刺激になりすぎることが多いので取り扱いには十分注意しましょう。