愛犬・愛猫に与えるパイナップルについて
パイナップル科の多年草であるパイナップル(パインアップル、パインナップル、英:pineapple)。
原産はブラジルとされていますが、ゴールデンパイン、スナックパイン、ジュリオスター、サンドルチェ、ゴールドバレルなど多くの品種があります。
収穫まで2~4年と長い期間を要しますが、日本では1年中手に入れやすい果物です。
パイナップルは樹上で熟したものを収穫しているので買ってから追熟する必要が無く、すぐ食べられるのも嬉しいポイント。
ビタミンやクエン酸などの栄養が豊富で人にとっては積極的に食べたい果物ですが、犬猫はパイナップルを食べても大丈夫なのか、注意することはあるのか、など解説していきたいと思います。
犬や猫はパイナップルを食べても大丈夫?
犬猫はパイナップルを食べても大丈夫です。パイナップルは犬猫に生で与えることができ、ビタミン・食物繊維など嬉しい栄養素が豊富に含まれています。
体内の代謝を促し、疲労物質の乳酸を分解するクエン酸も豊富に含まれているので、疲労回復も期待できます。
犬も猫も食べても大丈夫ですが、勿論食べすぎはNG。与える量やアレルギーには十分注意しましょう。
パイナップルのブロメライン(ブロメリン)酵素が消化を助ける
酢豚やハンバーガーなど、パイナップルが肉料理に使われることがよくありますよね。
これはパイナップルの果実と茎に含まれる「ブロメライン」という酵素が肉や魚のタンパク質を分解するからです。
肉を柔らかく美味しくするイメージですが、それだけではなく消化を助けてくれるので、パイナップルは消化不良気味の犬猫におすすめしたいフルーツのひとつです。
ただしパイナップルを加熱してしまうと効果がなくなってしまうため、消化促進を目的の場合は生で与えるようにしましょう。
参考:ブロメライン eJIM
消化促進には生のパイナップルがおすすめ
タンパク質の分解を助けるパイナップルのブロメラインは加熱に弱い酵素です。
消化促進などの目的で与える場合は生で与えるかできるだけ加熱時間を短くして酵素を残せるよう工夫しましょう。
ブロメラインには副作用がある?
人においてブロメラインの副作用はほとんど報告がありません。最も多いもので胃のムカつきと下痢が言われています。
アレルギーなどがなければ、よほど食べ過ぎるようなことがなければ問題はありません。
パイナップルの芯は食べられる?
パイナップルの芯も食べられます。インターネットで毒があるような記載も見られましたが、芯に毒はなく食べることはできます。
しかし硬さを考えると現実的ではないかもしれません。
犬も猫もそこまでして食べるかというと微妙なところではありますが、もしそれでも食べるようならフードプロセッサーなどで砕いてあげてください。
ブロメラインも含まれていますので消化酵素の摂取源としては良いかもしれません。
葉っぱは食べないで
パイナップルの葉っぱは固いのですが、時々囓るのが好きな猫がいます。
しかし葉は固くて消化できない可能性が高いですので食べさせないようにしましょう。
パイナップル含まれる代表的な栄養素
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 53kcal |
たんぱく質 | 0.6g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 13.7g |
カリウム | 150mg |
βカロテン | 38μg |
ビタミンC | 35mg |
カリウム
パイナップルに多く含まれるカリウムはミネラルの一種です。細胞内液の浸透圧の調整や、ナトリウムを身体の外に出しやすくして塩分の摂り過ぎを調節する働きがあります。
βカロテン
β‐カロテンには強い抗酸化作用が期待できます。犬はβ-カロテンを体内でビタミンAに変換し、夜間の視力維持を助けたり皮膚や粘膜の健康維持に役立ちます。
猫の場合はこのβ‐カロテン→ビタミンAの変換は行われませんが、β‐カロテン自体の強い抗酸化作用や免疫活動の活性化に役立つと考えられています。
ビタミンC
パイナップルにはビタミンCが豊富で免疫力UPなど様々な効果が期待できますが、健康な犬猫はビタミンCを体内で合成することが可能です。
ビタミンが豊富だからといって過剰に与えることはせず、 あくまで補助的な役割として適量を心がけましょう。
犬や猫にパイナップルをあげる際の注意点
犬や猫にパイナップルをあげる際には、いくつかの注意点があります。
シュウ酸に注意
パイナップルには尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれていますので、過去にシュウ酸カルシウム結晶と診断された犬猫に与えるのは控えた方が良いでしょう。
カリウムの過剰摂取に注意
カリウムは犬猫にとってなくてはならない重要な成分ですが、過剰に摂取することで心臓に負担をかけてしまうと言われています。
高カリウム血症の恐れもありますので、必ず愛犬・愛猫に合った量を与え、過剰摂取は避けるようにしましょう。
アレルギーに要注意
小麦アレルギーをもつ人はパイナップルに含まれるブロメラインに対してもアレルギーを起こすことがあるという説があります。
あくまで人のケースではありますが、念のため小麦アレルギーをもっている犬猫に与える場合は注意が必要です。
犬猫に人用の加工食品はNG
パイナップルの缶詰やジュースは手軽で美味しいですが大量の砂糖や添加物が含まれています。
人にとっては少量に感じても、身体の小さい犬猫には多量摂取になってしまいます。
犬猫に人用の加工品は絶対に与えないようにしましょう。
犬や猫にあげるパイナップルレシピ
犬猫はパイナップルをそのまま食べても大丈夫ですが、他の食材と合わせることで栄養や食いつきUPが期待できます。
加熱時間は短く、60℃以下にとどめることで消化酵素もしっかり身体に取り入れることができますよ。
パイナップルヨーグルト
パイナップルにプレーンヨーグルトをかけるだけの簡単すぎるレシピですが
パイナップルの不溶性食物繊維とヨーグルトの乳酸菌で腸内環境改善の効果が期待できます。
焼きパイナップル
焼きパイナップルといっても加熱しすぎないように、あくまで表面を軽く焼きましょう。
加熱することで柔らかく口当たりが良くなるので食べやすくなるはずです。
【まとめ】犬猫はパイナップルを食べても大丈夫
犬猫はパイナップルを食べても大丈夫!
パイナップルは栄養が豊富で、とくに犬猫が好む肉・魚の消化を助ける酵素も含まれるため是非取り入れたいおすすめの食材です。
ただし過剰に与えても健康効果が増すどころか健康を害す原因になることもありますので、適量を心がけましょう。