プルーンは見た目がぶどうに似ていますが、バラ科サクラ属の落葉高木で西洋スモモの一種です。
食物繊維・ビタミン・ミネラルなどが含まれ、美容や健康の観点から食事に取り入れている人も多い果物ですね。
熟したプルーンの実なら犬猫が食べても大丈夫
ただし種・茎・葉・未成熟な実には犬猫に危険な成分が含まれているので注意が必要です。
本記事では、
- 犬猫にプルーンを食べさせてはいけないその理由
- 危険なプルーンの量
- 種ごと誤食した時の対処方法
などをお話していきます。
少し舐めたりかじったりしたけど大丈夫?
熟した生のプルーンの実や皮でしたら、犬猫が舐めたり口にしたりしても大丈夫です。
種・茎・葉やドライプルーンの場合は少量でも大丈夫とは言い切れません。
危険な理由は後ほどお話します。
犬猫に危険となるプルーンの成分「アミグダリン」
プルーンなどのすももの仲間には「アミグダリン」という成分が含まれており、犬猫が中毒症状を引き起こす可能性があります。
この「アミグダリン」はプルーンの種子・茎・葉・未成熟な実に含まれ、動物の体内に入ると「シアン化水素」という毒性の物質に変化し、青酸中毒の原因になってしまいます。
この中毒を引き起こすと、
- 呼吸困難
- 痙攣
- 下痢・嘔吐
などの症状が現れる可能性があります。
犬猫に食べさせるのは完熟した実のみ
中毒を引き起こすアミグダリンはプルーンの「成熟した実」には含まれていません。
種や茎をしっかりと取り除いた「成熟した実」であれば犬猫に食べさせることができます。
プルーンを犬猫に食べさせるメリット
プルーンはミラクルフルーツとも呼ばれ、様々な栄養を持っています。
主な栄養や成分と考えられる健康効果を簡単にまとめます。
食物繊維とソルビトール:この2つの相乗効果により便の水分量を増しそれにより軟らかくすることで、便通をよくします。
ビタミンAとビタミンK:ビタミンAは目や皮膚の粘膜を正常に保ち、免疫力を高めます。ビタミンKはカルシムが骨に定着するのを助け骨を強くします。
カリウム:過剰な塩分を体外に排出します。塩分を多く取ると体がむくみますし、犬猫の健康にもよくありません。
犬猫にプルーンを食べさせる時の注意点
アミグダリンに注意
既にお話していますが、プルーンの種子・茎・葉・未成熟な実には青酸中毒の原因となる「アミグダリン」が含まれています。
種子・茎・葉をしっかりと除いた「熟した実の部分」のみ犬猫も食べることができますが、犬猫が必ず食べなければいけないものではないので、アミグダリンが不安であれば食べさせるのをやめましょう。
ほんの少量にする
プルーンには「ソルビトール」という成分が含まれており、これにより便秘改善作用が期待できます。
しかしこの「ソルビトール」は下剤にも使われるほど強力で、人間でも一度にたくさん食べると下痢を招いてしまいます。
犬猫に食べさせる場合はほんの少量だけに留めましょう。
ドライプルーンはNG
ドライプルーンを犬猫に食べさせるのはやめましょう。
ドライフルーツはその成分が濃縮されていますが、「アミグダリン」や「ソルビトール」も濃縮状態にある可能性があります。
種なしドライプルーンであったとしても、「アミグダリン」を含んでいる種が少量残っている場合があります。
また、カリウムの含有量も気になります。
生プルーンのカリウム含有量は100gあたり220mgなので健康な犬猫が摂取する分には過剰ではありませんが、ドライプルーンになると100gあたりカリウムが730mgも含まれています。
この量は健康な犬猫であっても過剰摂取になってしまう可能性がありますし、病気などでカリウムの制限をしている犬猫は特に危険です。
「アミグダリン」危険な量はどのくらい?致死量は?
中毒成分の致死量などが気になるところですが、明確にお伝えすることができません。
ほんの少量で危険な状況になる心配は少ないとは思いますが、絶対に大丈夫とは言い切れません。
人間でも同じものを同じ量食べたのに体調を崩してしまう人となんともない人が居るように、犬猫も個体差により体調の変化に差が出てきます。
こうした危険な可能性のある食材は、少しの誤食も絶対に起こしてはいけないという意識を常に持つようにしましょう。
プルーン入りのヨーグルトは食べさせても大丈夫?
プルーン入りのヨーグルトも少量であれば心配は少ないとは思います。
しかしプルーン以外にも砂糖などが大量に使用されている場合もありますので与えないようにしましょう。
誤食時の対応方法について
プルーンの中毒成分が含まれる部分や、ドライプルーンの誤食が起きてしまった場合は症状の有無に関わらず動物病院へ連絡し、どうすべきか相談しましょう。
この時、
- どの程度食べてしまったのか?
- 他に一緒に食べたものはないか?
- 食べてからどれくらいの時間が経過したのか?
- 現在の犬猫の様子は?
といった事がわかっていると診察スムーズになります。
【まとめ】犬猫にプルーンを食べさせるなら熟した実のにしましょう
犬猫にはプルーンの熟した実の部分のみ食べさせることができます。
ミラクルフルーツとも呼ばれ、便秘改善や美容効果など健康に良い果物です。
犬猫にプルーンを食べさせる時の注意点を3点紹介します。
- 種子・茎・葉・未成熟な実には「アミグダリン」という中毒を起こす成分が含まれているので必ず避けましょう。
- 「ソルビトール」という成分は便秘改善に効果がありますが、食べ過ぎは下痢を招きます。少量のみにしましょう。
- ドライプルーンは食べさせてはいけません。毒性が高まっている可能性があるほか、カリウム過剰にも繋がる恐れがあります。
アミグダリンはどの程度の量から危険なのか明確な量が判明していません。
ごく少量であれば心配は少ないとは思いますが、個体差によっては深刻な状況になることが絶対にないと言い切れません。
アミグダリンを含む部分ごとの誤食や、ドライプルーンの誤食が起きてしまった場合は症状の有無に関わらず動物病院へ連絡し指示を仰ぎましょう。