犬猫にレーズンは絶対に食べさせないで!致死量は?1粒でも危険?食べた時の対処法

犬猫にレーズンを食べさせてはいけません!

レーズンは犬猫に食べさせてはいけない食材のひとつです。

レーズンを犬猫が食べてしまうと、重篤な場合にはを命落としてしまう危険性もあります。

この記事ではレーズンの危険性や、食べたときの対処法について解説します。

レーズンはブドウからできている加工品

レーズンはブドウの果実を天日や熱風などで乾燥させたもので、干しブドウなどとも呼ばれるドライフルーツの一種です。

ブドウは犬猫にとって危険な食材であることは有名で、それを原料とするレーズンも犬猫が食べてはいけない食材のひとつとなります。

犬猫がレーズンを食べる危険性

急性腎不全の発症報告

レーズンを食べる危険性は、主に急性腎不全を起こしてしまう事があげられます。

これは原料となるブドウの成分が犬猫の腎臓機能に障害を起こす可能性が非常に高いからです。

急性腎不全とは、何らかの原因によって腎臓の機能が急激に低下してしまうと、体液量を一定に維持できなくなり、血液中の老廃物や余分な水分、塩分を尿として排出できなくなる症状です。

その為、レーズンを食べて急性腎不全を起こし、それが悪化してしまうと高カリウム血症や尿毒症を引き起こしてしまいます。

これは2010年に報告された事例ですが、2.5kgの小型犬が種なしの小ブドウを約70g食べた5時間後に嘔吐や乏尿を訴えて、2日後に動物病院へ来院。

その際の血液検査で重度の高窒素血症、高カルシウム血症、高カリウム血症が認められたそうです。

3日間に渡り利尿剤や点滴などによる治療を試みましたが、ブドウ摂取4日後に死亡してしまいました。

腎臓の病理組織検査をしたところ、近位尿細管上皮細胞の著しい変性壊死が認められたそうです。

このようなことから、ブドウは犬猫にとって死に至る中毒症状を起こす事がわかっており、それを原料とするレーズンも腎臓に重篤な影響を及ぼす危険な食べものとして認識されています。

参考:ブドウ摂取後に急性腎不全を発症して死亡した犬の1 例(日本小動物獣医学会誌)

犬猫がレーズンを食べてしまった場合、症状が出るまでの時間はどれくらい?

レーズンをどの程度食べてしまったか、その摂取量や犬猫の個体差によるので明確な発症時間をお伝えするのは難しいのですが、基本的には食後1~5時間前後に中毒症状が現れる事が多いようです。

ただし、5時間経過しても何も起こらなかったといって安心できるものではありません

レーズンを食べた後、2、3日してから急性腎不全に陥り、重篤な場合には命を落としてしまうというケースもあります。

犬猫がレーズンを食べた際に起こす症状

レーズンを誤食してしまった場合、主に下記のような症状を起こすとの報告があります。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 元気がなくなる
  • 食欲不振
  • 呼吸困難
  • 痙攣
  • 意識レベルの低下
  • 尿がほとんど出なくなる

このような様子が見られた場合、中毒症状を引き起こしている可能性が非常に高いといえます。

犬猫がレーズンを食べた場合の致死量はどのくらい?

レーズンは犬猫にとって危険な食べものであることは明らかなのですが、その原因が原料となるブドウのどの成分が危険なのかはまだ明確になっていません

原因物質としては、農薬、カビ毒、タンニン、その他のブドウ由来の成分が考えられるようですが、その仕組みまではわかっていないそうです。

上記でお伝えした小型犬の一例もありますが、猫のような小さな個体の場合や体質などの個体差で1粒(0.7g前後)でも症状を引き起こす場合もあります。

逆に2~3粒食べてしまったが全く症状が出なかったというケースも。

そのため、どれくらいなら食べても大丈夫かな?と食べさせられる量を探る事よりも、たとえ少量であっても食べさせるべきではない食材と認識する事が大切と考えます。

犬猫がレーズンを食べてしまった時の対処法

レーズンがまだ口の中に残っている場合には、口を開け取り出してあげましょう。

もし飲み込んでしまっていても、自宅で吐かせようとするのは大変危険です

ネット上で塩やオキシドールを使った催吐方法をみかけることがありますが、高ナトリウム血症や胃のただれ、潰瘍ができたり、昏睡状態から死亡してしまうというリスクが大いにあります。

また、素人が無理やり吐かせてしまうと誤嚥性肺炎や窒息という危険性もあるので絶対にやめましょう。

犬猫がレーズンを飲み込んでしまったら、その事が分かった時点で速やかに動物病院へ相談しましょう

少しだから大丈夫、症状が出ていないから大丈夫と自己判断はしない事をおすすめします

上記でお伝えしたように、2、3日後に症状が現れる場合もあり、手遅れになってしまう事もあります。

動物病院へかかる際に、どれくらい食べてしまったのか、食後どの程度の時間が経過しているのかを獣医師に伝えられると尚良いでしょう。

飲み込まずに口から出せた場合や、舐める程度で食べてはいない場合、重篤な症状を起こす可能性は低いと考えられますが、その後の様子は注意深く観察し、心配なようであれば動物病院へ相談しましょう。

愛犬愛猫のレーズンの誤食を防ごう!

保存性も良く、加工品に使われることが多いレーズン。健康志向の高まりから、昨今ドライフルーツは注目を集め様々な形で販売されています。

簡単に栄養補給ができるシリアルバーや、レーズンパン、ヨーグルト、サラダ、クッキー等々、人間の日常的な食事に登場します。

人間用の加工品は犬猫にとって香りがよく、嗜好性も高いので興味をひいてしまいます。

レーズンが入ったものを食べる際には、犬猫が届く場所に絶対に放置しない事

また、食べ終わったあとのゴミや食べ残しはきちんと処分することに十分気をつけましょう。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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