犬猫に砂糖を与えてはいけない?肥満が原因で糖尿病や関節炎につながる可能性あり

料理やデザート作りに使用されるメジャーな調味料の1つ「砂糖」。

一口に砂糖と言っても上白糖・グラニュー糖・三温糖など様々な種類があります。

調味料としてだけではなくコーヒーや紅茶に入れて飲まれることも多いですがそんな砂糖は犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫に砂糖は必要ない!

砂糖は犬猫が絶対に食べてはいけないものではありませんが食べる必要がないものです。

勧んで食べさせるメリットがあまりない上に食べ過ぎた場合のリスクもあるのでおすすめできません。

今回は犬猫が砂糖を食べる必要が無い理由や食べ過ぎた場合の危険性についてご紹介します。

砂糖の成分について

皆様は砂糖の成分についてご存知でしょうか。

砂糖は砂糖なんじゃないの?と思うかもしれませんが塩が塩素とナトリウムに分かれるのと同じように砂糖も細かく分けることができます。

砂糖の主成分

砂糖の主成分はショ糖(スクラロース)と呼ばれる糖の一種です。

糖は大きく3種類に分けることができます。

単糖類

糖の中で一番小さな種類で以下の3種類がある。

  • ブドウ糖(グルコース)・・・自然界に最も多い単糖類。動植物が活動するためのエネルギーになる。
  • 果糖(フルクトース) ・・・果物やはちみつに多く含まれる単糖類。
  • ガラクトース     ・・・寒天などに含まれる単糖類。自然界に単独で存在することはほとんどなく、他の成分と結合していることが多い。

二糖類

単糖類が2つ結合したもの。組み合わせによって種類が変わる。

  • ショ糖(スクロース) ・・・ブドウ糖と果糖が結合したもの。砂糖の主成分となっている。
  • 麦芽糖(マルトース) ・・・ブドウ糖が2つ結合したもの。水飴や甘酒に含まれている。
  • 乳糖(ラクトース)  ・・・ブドウ糖とガラクトースが結合したもの。哺乳類動物の母乳にのみ含まれている。

多糖類

単糖類が複数個結合したもの。でんぷん・グリコーゲン・セルロースなどがある。

一般的には「糖質」と呼ばれることが多い。

ショ糖について

前述したように砂糖の主成分はショ糖という二糖類に分類される糖です。

ショ糖にはサトウキビを原料とするものや「てんさい」と呼ばれる植物から作られるものがあります。

砂糖を食べるメリット・デメリット

犬猫が砂糖を食べることによるメリットやデメリットをご紹介します。

砂糖はエネルギーになる

一般的には単糖類・二糖類の糖を「糖類」、多糖類の糖を「糖質」と呼ぶことが多いですが厳密には全て糖質に含まれるものです。

以下にわかりやすい図を用意したので参考にしてみてください。

炭水化物の図

糖質はエネルギーになる成分なので犬猫が活動するためにも必要です。

砂糖の摂取は肥満の原因に

犬猫は砂糖からエネルギーを摂取しなくてもきちんとペットフードを与えていればエネルギー不足になることは基本的にありません

むしろ砂糖を与えた分カロリーオーバーになって肥満の原因となってしまう可能性があります。

肥満のリスク

太って丸々とした犬猫はかわいらしいですが肥満には糖尿病のリスクがあります。

糖尿病は上昇した血糖値を下げるために膵臓から分泌される「インスリン」が正常に分泌されなくなってしまう病気で、一度かかるとなかなか治らないと言われています。

他にも関節炎や免疫力の低下など肥満には様々なリスクがあります。

肥満については以下の記事も参考にしてみてください。

犬猫は甘味を感じない?

私たち人間は五味といって「甘味・苦味・塩味・酸味・旨味」の5つを舌で感じることができます。

ところが人間と犬猫の味覚には違いがあり犬は旨味、猫は旨味と甘味をほとんど感じることができません

これは舌にある「味蕾(みらい)」という味を感じる器官の数が影響しています。

味蕾の数は人間が約6000個なのに対して犬が約1700個、猫が約500個のため人間より味に鈍感になっています。

犬が最も好む味は甘味なのに対して猫は塩味を好む傾向にありますが犬猫は食べ物の味よりも匂いや食感を重視する傾向にあります。

そのため猫が甘いものを好んで食べるという場合は味ではなく匂いや食感に惹かれているのかもしれません。

キシリトールに要注意

ガムなどに入っていることで有名なキシリトール。

虫歯予防効果があるだけでなく、砂糖とほぼ同じ甘味でカロリーが砂糖の75%ほどとダイエット効果も期待されている天然甘味料です。

砂糖の代用としても使用されることがあるようですが犬猫がキシリトールを食べると中毒症状を引き起こす可能性があります。

犬猫がキシリトールを食べると体内でインスリンが大量に分泌されてしまいます。

インスリンには血糖値を下げる効果があるため低血糖を引き起こし肝機能障害に至る可能性もあります。

【まとめ】犬猫に砂糖は与える必要がない

犬猫に砂糖は与える必要がありません。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 砂糖は糖質なのでエネルギーになるが犬猫のエネルギーはペットフードで補える場合が多い
  • 砂糖を食べ過ぎてカロリーオーバーから肥満になると糖尿病や関節炎の原因となる
  • 砂糖の代用として使用されるキシリトールは犬猫が食べると中毒症状を引き起こす可能性があるので与えない

今回は犬猫と砂糖についてご紹介しました。

砂糖は犬猫が絶対に食べてはいけないわけではありませんが食べるメリットがほとんどない食材です。

甘味を好む犬が砂糖の味を覚えてしまうと他のものを食べなくなるということも考えられるのであまり与えないことをおすすめします。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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