犬猫ははちみつを食べても大丈夫?ボツリヌス菌や過剰摂取には要注意

少量であればOK!ただしボツリヌス菌や花粉には要注意

注意すべき点はありますが、健康な犬猫は少量であればはちみつを食べても大丈夫です。

はちみつの特徴はその甘さで、単糖類と呼ばれる体内で分解する必要なく即エネルギーとして使われるブドウ糖や果糖で構成されています。

ほかにもビタミン、ミネラル、酵素など様々な栄養素が含まれており、抗炎症効果などの作用から犬猫にとって健康的メリットが期待できます。

しかし、主成分である糖分は過剰に摂取してしまうと肥満の原因になったり、はちみつに含まれていることがあるボツリヌス菌や花粉などいくつか注意点があります。

この記事では、はちみつの栄養や注意点を解説します。

ボツリヌス菌によって中毒症状を引き起こすことがあります

近年では1歳未満の乳児へははちみつを与えないようにという注意喚起がなされています。

これは腸内環境が未成熟な乳児ははちみつに含まれるボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより、体内で毒素が生産されてしまうためです。

症状は便秘状態が数日間続き、全身の筋力が低下する脱力状態、 哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴です。

ボツリヌス菌は加熱しても生き残ってしま可能性がある菌なので、子犬猫やシニア犬猫、体調不良の犬猫にたとえ加熱したとしても与えるべきではないと考えます。

ただし、腸内細菌の環境が整っている人や動物なら通常、ボツリヌス菌が体内に侵入しても感染することはないといわれています。

腸内環境が未成熟な子犬猫だけではなく、抵抗力が低くなっているシニア犬猫は避けた方が良いので、犬猫の体調や年齢など、個体差に合わせて飼い主の判断が必要となります。

ボツリヌス症と疑われる主な症状

  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 脱力感
  • 倦怠感
  • 嚥下障害
  • 便秘
  • 視力障碍
  • 呼吸困難

健康な犬猫でも人より小さな体なので、人よりボツリヌス菌の影響を大きく受ける場合があります。

もしはちみつを与えた後に上記のような症状や、そのほかの体調不良がみられた場合には速やかにかかりつけの動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。

参考:食中毒は回避できる!犬にも感染し得る「ボツリヌス症」を知ろう

花粉によるアレルギーの危険性

はちみつはミツバチが花の蜜を集めて作られます。

ミツバチは花の蜜を採る際、花に潜って蜜を吸うため体中に花粉がつき、その体で花々を渡り蜜を集めながら植物の受粉を助ける役割もあるのですが、そのためにはちみつに微量の花粉がはいっている物も少なからずあります。

花粉アレルギーをもっていた場合、はちみつを食べる事によって稀に花粉症の症状が現れる場合がありますので気をつけてください。

はちみつを食べた後に、鼻や目のかゆみや皮膚に発疹などによって壁に体をこすりつけたり、眼の充血、涙が出る等の症状が現れたら速やかにかかりつけの動物病院に相談し、獣医師の指示に従いましょう。

はちみつの栄養

はちみつ 100g当たりの栄養素

一度に100g与えることはないかと思いますが参考にしてみてください。

栄養素含有量
カロリー329kcal
たんぱく質0.2g
炭水化物81.7g
カリウム65mg
カルシウム4mg
ヨウ酸7μg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

炭水化物(ブドウ糖)(果糖)

果糖(フルクトース)は炭水化物のひとつで、その中でも単糖類に分類され分解する必要なく体や脳を動かすためのエネルギー源となり疲労回復に役立ちます

ブドウ糖も炭水化物のひとつで、グルコースとも呼ばれ、フルクトースと同じく単糖類で素早く脳や体でエネルギー源として使用されます。

このように脳の活性化にとくに効果が期待できますが、過剰摂取は肥満の原因となるので注意が必要です。

グルコン酸

グルコン酸とは大腸まで到達する有機酸で、ビフィズス菌を増やす機能があり腸内環境の改善に役立ちます。

また、ビタミンB群の生成や体の免疫力を高めるなどの健康効果が期待できます。

ポリフェノール

はちみつにはポリフェノールが豊富に含まれています。

ポリフェノールには強い抗酸化作用を持っていて、体に取り入れることで活性酸素を減らして肌や血管などを健康に保ち、生活習慣病や老化を防ぐ働きがあります。

ナイアシン

ナイアシンは水溶性のビタミンB群のひとつです。

酵素を助ける補酵素としての役割を担っていて、エネルギー産生、糖質、脂質、タンパク質の代謝、DNAの修復や合成など様々な機能に関わっています。

皮膚や粘膜の健康維持をサポートし、血行促進、脳神経を正常に働かせる効果が期待できます。

ビタミンB群

ビタミンB1は疲労回復効果が期待でき、脳と神経を正常に保つ働きもしています。

ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えて、皮膚、粘膜、被毛、爪、赤血球の産生や、免疫力の向上が期待できます。

ビタミンC

強い抗酸化作用が期待できる栄養素です。

また、免疫力アップやコラーゲンの生成のサポート、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれる効果もあります。

ほかにも鉄分の吸収促進、解毒やホルモン代謝を担う酵素のサポートの効果でアンチエイジングに期待ができます。

体内にある鉄の約7割は血液中にあり、赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンの成分として、全身に酸素を送る役割をしています。

残りの鉄は肝臓や骨髄などに貯蔵され、不足すると血中に出て働きます。

植物性の鉄は非ヘム鉄といわれ、動物性の鉄と比べると吸収率は劣りますが、ビタミンCを組み合わせると吸収されやすくなります。

与えるメリット

エネルギー補給や疲労回復に活躍!

はちみつの主成分はブドウ糖と果糖で、どちらも分解する必要なく即エネルギーとして使うことができる単糖類です。

ご飯やパンの炭水化物や砂糖などの糖質は、エネルギーとして使うために体内でブドウ糖と果糖、あるいは麦芽糖に分解した後に消化吸収されるので、エネルギーに変わるスピードは単糖類であるはちみつの方が速いというわけです。

体内で分解する必要がないので胃や腸に負担がかかりにくく、速攻でエネルギーとして吸収され、運動中のエネルギー補給や疲労回復に優れた食品といえます。

犬猫が喜ぶからと言って与えすぎは禁物。はちみつは砂糖の1/3程度で同等の甘さを感じられます。

少量でも犬猫にとっては十分な糖分摂取になりますので与える量は控えめにしてください。

天然由来の強い殺菌作用で口内の健康維持や腸内環境改善に期待

はちみつに含まれる『グルコン酸』には腸内のビフィズス菌を増やす効能があると言われています。

腸内環境を整えることで下痢や便秘の改善や免疫力のアップに繋がります。

また、はちみつには『グルコースオキシターゼ』という酵素が強い殺菌作用をもっていて、口内の健康維持にも役立つと考えられています。

はちみつは高い粘性と保湿力で皮膚を保護する力があり、犬猫の皮膚や被毛の健康にも効果が期待できそうです。

この抗殺菌作用は喉の痛みやの口の中の炎症にも効果的で、犬猫の口内環境の改善にも効果が期待できます。

参考:はちみつ

与えすぎは肥満の原因

はちみつは砂糖の1/3の量で同等の甘さを感じられるので、砂糖を与えるよりはカロリーを低くできてダイエットに向いているといわれています。

しかし、砂糖より低カロリーだからと言って気にせずたくさんの量を摂取すればカロリーオーバーとなり過剰摂取してしまった糖分は肥満に繋がります。

人用のはちみつを使った加工品はNG

はちみつは健康に良いと注目され、たくさんのはちみつを使った加工品が市販されています。

基本的に人用に加工された食品は糖分、塩分が多すぎて犬猫にとっては健康を損なう危険性が高いものです。

また、はちみつはレモンとの組み合わせが多くみられ、犬猫にとってレモンの果肉や果汁は有害な食材ではないのですが、レモンの皮は犬猫が摂取すると嘔吐、下痢等の中毒症状を引き起こすといわれていますので、はちみつレモンや同等の食品は与えないようにしましょう。

他にもケーキやパン、クッキー等の焼き菓子にもはちみつは幅広く使用されていますが、はちみつの含有量がどの程度かわかりづらく、糖分過剰摂取やカロリーオーバー繋がるので、人用に作られたものは犬猫には与えるべきではありません。

【まとめ】

健康な犬猫であればはちみつを食べても大丈夫です。

ただしボツリヌス菌によって中毒症状を引き起こすことがありますのであくまで健康な犬猫に少量のみ与えるようにしましょう。

年齢や体調によって与えることは控えた方がいいケースもあります

積極的に与えなくてはいけない食品ではありませんので、飼い主の判断が大切になります。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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