つぶ貝について
つぶ貝とは、縦に長い殻を持ち食用に漁獲されるバイやツブと呼ばれる貝の総称で、その中でも多くのつぶ貝がエゾバイ科に属しています。
日本でのつぶ貝の主な産地である北海道では、つぶ貝の内臓を引き出して唾液腺を取り除いた後に貝殻に戻し、網焼きしながら調味料を垂らし食べる「焼き螺」という調理法が代表的な食べ方となっています。
この記事では、犬や猫がつぶ貝を食べても大丈夫か?どのような特徴があるのか、など解説していきたいと思います。
犬猫につぶ貝は基本的に与えない
調理法や状態によってはつぶ貝を与えることもできますが、犬猫には基本的につぶ貝を与えない方が良いでしょう。
どのような特徴、危険性があるのか、注意点などを解説していきます。
つぶ貝の中毒に注意
犬猫につぶ貝を与えることをおすすめしない理由に中毒があります。
エゾバイ科のつぶ貝の唾液腺にはテトラミン(唾液腺毒)という毒素が含まれています。
この毒素は人間がテトラミンの毒を除去せずに食してしまった場合、食後30分~1時間程で頭痛やめまいなどの症状があらわれます。
つぶ貝に含まれるテトラミンの毒は、煮ても分解されることはなく、1つの唾液腺の量で症状が出ます。
人間より体の小さい犬猫にとっては大変危険です。
消化不良になりやすい
元々犬猫は弾力性のある貝類の消化が不得意です。
犬猫の中には、噛まないで飲み込んでしまう子たちもいますので、つぶ貝を噛まないで飲んでしまう犬猫たちは消化不良を起こしやすいです。
消化不良を起こした場合、下痢や嘔吐、腸閉塞をなどの危険が伴います。
犬猫につぶ貝を与える方法
犬猫に無理につぶ貝を与える必要はありませんが、もし食べさせたいのであれば注意点をおさらいしておきましょう。
つぶ貝の唾液腺を除去してから与える
前述の通り、つぶ貝には唾液腺にはテトラミンという毒素が含まれています。
人が食べる場合も犬猫に少量与えたい場合も、必ず唾液腺を除去しましょう。
唾液腺の取り方
- つぶ貝を殻から取り出して、身と内臓に切り分ける
- 貝蓋を下にして、身の部分に縦に切れ目を入れる。
- 左右にある乳白色から淡黄色の脂身のように見える唾液腺を手で取り除く
- 唾液腺が残っていないことを確認して、よく水で洗う。
少量を細かく刻んで与える
どうしても与える場合には、唾液腺を取って十分に加熱したつぶ貝を細かく刻んで少量で与えてください。
前述の通りつぶ貝は犬猫が消化しにくく、一度に大量に食べてしまうと消化不良を起こしてまう可能性があります。
つぶ貝を与える場合は大量に与えるのではなく、少量与えて様子を見てください。
つぶ貝の代表的な栄養素について
つぶ貝は他の貝と同様にタンパク質やミネラルなどががバランス良く含まれています。
しっかりと処理されたつぶ貝であれば少量食べさせることも可能ですが、他の安全な食材で栄養を満たしてあげた方が安心ではあるので、あくまで参考程度にご覧ください。
つぶ貝 可食部100g当たり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 86kcal |
タンパク質 | 17.8g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 2.3g |
ナトリウム | 380mg |
カリウム | 160mg |
カルシウム | 60mg |
マグネシウム | 92mg |
リン | 120mg |
【まとめ】犬や猫につぶ貝は基本的に与えない
つぶ貝の唾液腺にはテトラミン(唾液腺毒)という毒素が含まれていることがあるため、基本的に犬猫には与えない方が良いでしょう。
唾液腺を除去して与えたとしても、犬猫にとっては消化のしづらい食材なので無理して与える必要はありません。
どうしても与えたい場合も、消化不良の原因になるため、加熱後によく刻んで、あくまで少量に留めましょう。