犬猫はズッキーニを食べても大丈夫!生でも食べられる?ククルビタシンの中毒に要注意!

犬猫はズッキーニを食べても大丈夫

ズッキーニの形はきゅうりに似ていますが、ぺポかぼちゃの仲間で、ズッキーニという名前は『小さなかぼちゃ』という意味です。

きゅうりはウリ科のきゅうり属、ズッキーニはウリ科のかぼちゃ属に分類されます。

煮ても炒めても美味しく、夏野菜の代表野菜として食卓に並ぶことも多いと思います。このズッキーニは基本的に犬猫が食べても大丈夫な食材です。

ただし、大丈夫と言ってもいくつか注意点がありますので、栄養や効果と共に注意点を解説します。

ズッキーニは生でも食べられる?

ズッキーニは煮込み料理やグリルされたものを思い浮かべますが、生でも食べられる野菜です。

ただし、犬猫へ食べさせる時には必ず加熱調理をしてから与えてください。

生で食べても大丈夫な野菜ですが、犬猫は人より消化能力が低いので、生のままでは消化の負担が大きく、消化不良を引き起こしてしまう事があります。

ズッキーニは煮たり焼いたりすることで柔らかくなりますので、加熱してから刻んで与える事をおすすめします。

ズッキーニに含まれる『ククルビタシン』に要注意!

ズッキーニには『ククルビタシン』と呼ばれる苦み成分が含まれています。これはスイカやきゅうりなどのウリ科にも含まれる成分です。

通常、この成分は少なく、人や動物に影響を及ぼすほどではなく食べても大丈夫なのですが、稀に含有量が多く、苦みや渋みを強く感じるものがあります

含有量が多いものを食べると、下痢や嘔吐、腹痛などの中毒症状を引き起こしてしまうので注意が必要です。

人が大丈夫でも、人より小さな犬猫は影響を受けやすいので、ズッキーニを食べさせる前に必ず苦みのチェックを行いましょう。

この苦みは見た目ではわかりません。調理する前にヘタの近くを少し切って舐めて判断をしましょう

ククルビタシンが多く含まれている場合、苦み、渋み、舌にしびれを感じるのですぐにわかります。

ククルビタシンはズッキーニやウリ科の植物にはそもそも微量に含まれている成分なので、なんとなく苦いかな?程度は問題はないといえます。

明らかにびっくりするほど苦みを感じたり前述したような感覚があれば人にも影響を及ぼすほどの含有量なので、食べずに処分しましょう。

参考:農林水産省

参考:東洋経済

ズッキーニを与えるメリット

低カロリーなのでダイエット食に最適!

ズッキーニの炭水化物は100gあたり2.8g程度しか含まれず、カロリーも100gあたり16㎉と低いことに併せて水分も多いのでダイエット食に向いた食材といえます。

加熱して細かく刻んだものをトッピングしてあげる事で、カロリーをあまり気にすることなく食事のカサ増しに使え、満足感を与えられます。

食事制限をすると空腹感でストレスをためてしまいがちな犬猫へ無理なく調整できるようにうまく活用したい野菜です。

ただし、ズッキーニにはカリウムが豊富に含まれることや、ズッキーニ自体が犬猫にとって消化吸収しにくい食材である事、水分が多いという特徴があるので、一度に大量に食べさせることはおすすめできません。

食べ過ぎは下痢や嘔吐などを引き起こす原因となってしまうので、おやつやトッピング程度に控えましょう。

抗酸化物質も豊富!

ズッキーニにはβ‐カロテン、ビタミンC、ビタミンEも豊富に含まれています。この栄養素たちは強い抗酸化作用をもつので、アンチエイジングに役立ちます

血管や皮膚、被毛の健康維持にも役立ち、目の保護や細胞の活性化の効果も期待できるので、日ごろの健康維持からシニア犬猫のエイジングケアに活躍してくれます。

ズッキーニの栄養

カリウム

ズッキーニにはカリウムが豊富に含まれています。

カリウムには利尿効果や、体内のナトリウムの排出を促し、塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。

β‐カロテン

ズッキーニは同じかぼちゃ属のかぼちゃには劣りますが、β‐カロテンも比較的豊富に含まれています。

犬は体内でビタミンAに変換され、目や皮膚、粘膜の健康維持に役立ちます。猫はこの変換を行いませんが、β‐カロテン自体の強い抗酸化作用で健康維持に役立ちます。

ビタミンC

美肌のビタミンと呼ばれるビタミンCは、コラーゲンの生成サポートをするので犬猫の皮膚の健康維持に役立ちます。

ズッキーニが旬を迎える夏は、紫外線によるダメージが多く、散歩に出る犬や日向を好む猫には大事なビタミンといえます。

ビタミンK

ズッキーニには比較的ビタミンKが多く含まれています。

ビタミンKは血液を凝固させる成分で、止血する作用がある他にも、吸収されたカルシウムを骨に取りこむサポートをしてくれます。

与える際の注意点

腎臓疾患をもった犬猫には控えましょう

ズッキーニの特徴といえる栄養素のひとつであるカリウムは体内の水分量をコントロールしたり、塩分の排出を助けるなど健康維持に必要な栄養素です。

ただし、腎臓に疾患をもつ場合にはこのカリウムの排出がうまくできず、血液中のカリウム値が高くなってしまいます

健康な犬猫がズッキーニを食べただけで腎不全などになるとは考えにくいですが、すでに腎臓疾患がある場合には、ズッキーニのカリウム量は悪影響を与えてしまう可能性が高いです。

食べさせる事は控えた方が良いでしょう。

アレルギー

ズッキーニはウリ科の植物です。メロンなどのウリ科の植物でアレルギーを発症したことがある場合には与えないように気をつけてください。

初めて食べさせる場合には、ごく少量から始め、食後の様子に注意してあげましょう。

下痢や嘔吐、発疹などの症状がみられた場合には、かかりつけの動物病院へ相談しましょう。

おすすめレシピ

鱈のラタトゥイユ

鱈のうまみと野菜の栄養が溶け込んだ一品。

ビタミンが豊富でミネラルは少なめ、水分も豊富に摂取できるので尿路結石など気になる犬猫にもおすすめ。

豚肉と夏野菜の炒め物

ビタミン豊富な豚肉と夏野菜を炒めたレシピですが、適度な脂質と水分で冬の乾燥にもおすすめのレシピです。

人用は塩胡椒や顆粒だし、醤油などで味付けを。

夏野菜のグリルサラダ

①ズッキーニは1㎝幅の輪切り、パプリカは乱切り、オクラはガクを取っておく。

②切った野菜をアルミホイルに並べオーブントースターで10分程度焼く。

③小さいボウルに絹ごし豆腐、プレーンヨーグルト、レモン汁数滴を入れて混ぜ合わせる。

④焼いた野菜を盛り、ヨーグルトソースをかけて完成。

焼いた野菜はきちんと冷まし、食べやすい大きさにキッチンバサミ等で細かくしてあげましょう。

ズッキーニの栄養を摂るのに活躍する乳製品のヨーグルトと豆腐で植物性たんぱく質をプラス。

レモン汁は犬猫が苦手なようでしたら控えてあげてください。

人用にはヨーグルトソースに塩と砂糖を少量とブラックペッパーを足しすと美味しく頂けます。

まとめ

犬猫はズッキーニを食べても大丈夫!

ズッキーニは低カロリーで肥満防止に食事制限をしている犬猫の味方となる野菜です。

ただし、まれに中毒を引き起こすククルビタシンを多く含む苦みが強いズッキーニがあるので、必ず犬猫に食べさせる前に少量を切って舐めてククルビタシンの含有量が多くないか確認を行いましょう

また、カリウムを豊富に含むので、腎臓疾患で心配がある犬猫へはかかりつけの動物病院の獣医師へ相談をしてから与えるかどうかの判断をしてください。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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