日常生活で紐状のものはよく使用されますが、犬猫の誤食・誤飲が非常に多いため注意が必要です。
誤飲してしまっても細長い紐状のものならそのまま出てきそうなイメージもあります。
しかし、紐状のものの誤飲は致死率が高く非常に危険だと言われています。
今回は紐状のものの誤飲が犬猫にもたらす危険性や、食べてしまった際の対処法などについてご紹介したいと思います。
誤飲の危険性
前述したように紐状のものの誤飲は致死率が高いためとても危険です。
紐状のものを誤飲した際に起こり得る症状についてご紹介します。
腸が縮む!?
犬猫が紐状のものを誤飲し、体内で引っかかり、腸まで到達すると腸が縮んでしまう可能性があります。
腸は「ぜん動運動」という伸び縮みを繰り返して活動しています。
しかし、紐状のものが引っかかると縮んだ後に伸びることが出来なくなり縮みっぱなしになってしまいます。
アコーディオン・巾着袋の口・ストローの包装紙などをイメージして貰うとわかりやすいでしょうか。
こうなると腸が正常に動かなくなるだけでなく、ぜん動運動を続けようとする腸に紐状のものが擦れて傷つけてしまう可能性もあります。
また、腸の組織を壊死させてしまう可能性もあり、非常に危険な状態です。
各所閉塞の可能性
食べ物を食べて、食道から胃を通り腸へと流れていく各所で閉塞を起こす可能性があります。
食道での閉塞
食べ物を食べたあとすぐに通過する気管なので、閉塞を起こした場合症状を発症するのが早いです。
紐状のものよりは大きなものの誤飲が原因で起こりやすく、大量の唾液の分泌や呼吸困難などの症状が見られます。
胃での閉塞
胃の中に異物が残留している場合でも、角のない丸いものなどの刺激の少ないものの場合は、症状がほとんどなく残留し続けることもあるようです。
しかし、十二指腸へと続く「幽門(ゆうもん)」という部分に異物が詰まり閉塞を起こすと、激しい嘔吐・ショック状態・循環器機能異常などを起こし命に関わるケースもあります。
腸での閉塞
紐状のものの誤飲が原因で起こる閉塞として多いと言われているのが腸閉塞です。
腸閉塞を起こすと、便が出なくなる・ごはんを食べない・腹痛・嘔吐などの症状が現れます。
数日連続でご飯を食べなかったり排便がない場合は犬猫にとって異常事態なのですぐに動物病院を受診しましょう。
誤飲しやすい紐状のもの
日常生活で使用される犬猫が誤飲しやすい紐状のものをご紹介します。
衣類の紐
パーカーのフード部分に付いている紐や、スウェットパンツなどのウエスト部分の紐は犬猫の誤飲が非常に多いです。
これらの紐で抜けにくいように先端が丸くなっているものは、腸に引っかかりやすいため危険性が高いです。
衣類から紐が抜けてしまった場合は、犬猫が触れられないところに置く・衣類に戻す・処分するなどして放置しないようにしましょう。
包装用の紐
包装に使用するリボンや古新聞などを縛るビニールの紐はちぎれにくく、比較的長い状態で使用されることが多いです。
長ければ長いほど誤飲した際の危険性は高くなってしまうため注意しましょう。
食べ物を縛っているたこ糸
お中元やお歳暮などでよく贈られるハムや焼豚には、身崩れを防ぐためのたこ糸が付けられていることがあります。
これらを調理した後には犬猫が食べてしまわないようにしっかり処分してください。
はさみや包丁などでカットしてから食べるものなので、あまり長い状態で残っていることは少ないかと思います。
しかし、犬猫の大好きなお肉の匂いが染みついているため誤飲の可能性は普通の紐よりは高いと言えます。
犬猫用のおもちゃの紐
犬猫用のおもちゃにも紐状のものがあります。
特に猫用の釣り竿型の猫じゃらしは誤飲が起こりやすいおもちゃです。
使用するとき以外は必ず犬猫の手が届かないところで管理しましょう。
紐状のものの誤飲を防ぐために
犬猫が紐状のものを誤飲してしまわないために日常的に行えることをご紹介します。
保管場所に気をつける
おうちにある紐状のものは犬猫が勝手に触れられないような場所で管理しましょう。
特に猫は紐や糸のように、なびくように動くものにじゃれついて遊ぶ傾向があるので注意しましょう。
普段からよく遊ぶ
犬猫が紐状のもので遊んだり噛んだりするのは本能の部分もありますが、ストレスや運動不足の可能性もあります。
普段からよく遊んであげてストレスや運動不足を解消してあげましょう。
誤飲してしまった際の対処法
万が一、犬猫が紐状のものを誤飲してしまった場合は直ちに動物病院へ行きましょう。
飼い主様が誤飲してしまったのを把握している場合はすぐに催吐処置などで対処することが出来ます。
しかし、飼い主様も気づかないうちに犬猫が誤飲してしまっていた場合は、そのまま気づかずに過ごすと重篤化の可能性もあります。
異常に気づいて動物病院へ連れて行き、レントゲン検査をしてもらうと衣類の紐を飲み込んでいたという場合もあります。
発見が遅れると、外科手術で腸を切り開いて紐を取り出す必要がある場合もあります。
しかも、紐が腸内に引っかかってしまっていた場合はすぐに取り出せずに、複数箇所切開することもあるようです。
できるだけ早期発見できるように、普段から犬猫をよく見てあげるようにして異常にすぐ気づけるようにしましょう。
【まとめ】紐状のものの誤飲は非常に危険!
- 紐や糸の誤飲の発生件数はとても多く、致死率も高い
- 体内で引っかかり、アコーディオン状に腸が縮んでしまう可能性がある
- 食道・胃・腸での閉塞の恐れもある
今回は犬猫が紐状のものを誤飲する危険性についてご紹介しました。
おうちの中に紐状のものは意外と多く、見落としがちな場合もあります。
最悪の場合命に関わるケースもあるため、犬猫が勝手に触れられないようなところで管理しましょう。