犬猫の食糞(しょくふん)に注意!猫の食糞は少なく、病気の可能性も。犬猫の違いを解説

初めて犬をお迎えしたときに愛犬がウンチを食べてしまったら驚いてしまうと思いますが、犬の場合は本能的な意味合いもあり、問題がないことがほとんどです。

しかし猫の食糞は非常に珍しく「異嗜」というストレス行動や病気の可能性も高いです。

この記事では犬猫の食糞について、それぞれの原因や対処法などを解説していきます。

猫の食糞について

前述の通り、猫がウンチを食べる「食糞」は珍しい行動で、何かしらのストレスを抱えている可能性があります。

病気など身体的な問題の可能性もありますので、そのままにせずに原因を特定してあげましょう。

猫の食糞の原因

  • ウンチを理解していない

子猫の場合はまだウンチを排泄物と理解していないため、遊びの一環として食べてしまうこともあります。

しかし一般的な猫はウンチの臭いを嫌い、隠したがることのほうが多いようです。

  • 栄養不足

フードの給与量や栄養が足りずに不足分を補うために食糞をする可能性や、腸に寄生虫がいて栄養が取られてしまうために過食になり、便を食べてしまう可能性があります。

  • ストレスや不安

環境が変わるなどストレスや不安を感じたときに食糞をするケースもあります。

家族の出張が続いた、急に多頭飼いになった、など何か生活に変化はなかった思い返してみましょう。

  • 身体的な問題

栄養不足やストレスに心当たりがない場合、病気や身体的な問題の可能性もあります。

認知症になってしまっていたり嗅覚が衰えてしまっている可能性も考えられます。

猫の食糞の対処法

  • 食事の見直し

そもそも食事量は足りているのか、栄養が偏っていないか(おやつばかりあげている、総合栄養食を与えていない)など、まずは基本的な食事から見直してみましょう。

栄養が満たされると自然と食糞が治るケースもあります。

  • ストレスや不安の軽減

愛猫がストレスを感じているようなら、いつもより長く時間を作って遊んであげたりストレスを発散させてあげましょう。

どうしても留守番が長くなってしまうようなら自分で遊べる安全なおもちゃを用意してあげたり、キャットタワーやハンモックなど落ち着く空間作りをしてあげると良いでしょう。

  • 獣医師へ相談

猫の食糞は何か身体的なトラブルが隠れていることが多いので、栄養不足やストレスなどの心当たりがない場合は獣医師に相談をしてみましょう。

早めに行動してあげることで、病気の早期発見にも繋がるかもしれません。

犬の食糞について

犬の食糞の理由はさまざまですが、犬にとっては自然な行動であまり珍しいことではありません

しかし中には健康状態に問題があるケースもありますし、衛生的にも気分の良いものではないですよね。

成長と共になくならないようであれば、やはり原因を特定し対処してあげる必要があります。

犬の食糞の原因

  • ウンチを理解していない

子猫と同様に、子犬の場合はまだウンチを排泄物と理解していないため、遊びの一環として食べてしまうこともあります。

  • 本能的なもの・野生の名残り

排泄物の痕跡をなくして外敵から身を守る・・など、元々は野生の名残ではないかと言われています。

またお母さん犬が子犬のお尻を舐めてきれいにしてあげる自然な行動がインプットされている可能性もあります。

  • 栄養が足りていない

猫も同様ですが、フードの給与量や栄養が足りずに不足分を補う食べに食糞をする可能性や、腸に寄生虫がいて栄養が取られてしまうために過食になり便を食べてしまう可能性があります。

  • 消化器官が未発達・フードやおやつが消化しにくいもの

消化不良によりウンチにフードの匂いが残っていると、食べ物と勘違いをして食べてしまうことがあります。

  • 退屈・飼い主の気を引こうとしている

ウンチを食べてしまった時に飼い主さんが叫んだり駆け寄ったりすると、反応してくれたことが嬉しくてウンチを食べる癖が付いてしまうことがあります。

飼い主さんがいるときには食べないが、お留守番の時に食べてしまう、というワンちゃんの場合は退屈な気持ちや不安を紛らわしている可能性もあります。

  • 身体的な問題

膵外分泌不全という病気により栄養が不十分であるため、食欲が旺盛になり未消化物を含む便をするため食糞をしてしまうケースもあります。

その他の消化吸収障害や、漏出性疾患、食物アレルギー・過敏症・不耐症など、様々な病気が隠れている可能性もあります。

犬の食糞の対処法

  • 食事の見直し

猫も同様ですが、そもそも食事量は足りているのか、栄養が偏っていないか(おやつばかりあげている、総合栄養食を与えていない)など、まずは基本的な食事から見直してみましょう。

栄養が満たされると自然と食糞が治るケースもありますが、なかなか治らない場合は消化の良いフードに替えてみることも有効です。

消化とは別の考え方になりますが、食物繊維の多いフードに替えることで便の嗜好性が低くなり食べなくなることもあるようです。

  • リアクションを抑える・すぐに片付ける

愛犬が食糞をしてしまった場合、大きな声で騒いだり叱ったりするのは逆効果です。

叱られた犬はウンチ=悪いことと認識してしまい、余計に早く食べて隠さないといけないと感じてしまいます。

キャーっと叫ぶことで飼い主さんが喜んでくれたと思ってしまうワンちゃんもいますので、いずれにしても騒がず・冷静に・素早く片付けることが大切です。

  • 獣医師へ相談

犬の食糞は成犬になるにつれて自然となくなるケースが多いですが、中には成犬になってもずっと続いてしまう子もいます。

食事やこれまでの家族の対応などに心当たりがないようなら、かかりつけ医に相談してみると良いかもしれません。

フードにかける食糞防止のシロップやウンチにスプレーする商品なども販売されていますが、そういった商品を使用する前に一度診てもらうことをおすすめします。

【まとめ】犬猫の食糞に注意

犬の食糞については本能的にも自然な行動のため珍しくはないですが、猫の食糞は滅多に見られず、「異嗜」というストレス行動や病気の可能性もあります。

まずは愛犬愛猫の様子をしっかり観察し、原因を特定してあげることが大切です。

食事や環境などに心当たりがない場合は身体的なトラブルによるものの可能性も高いので獣医師に相談してみましょう。

早めに行動してあげることで、病気の早期発見にも繋がるかもしれません。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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