犬猫の石の誤飲に注意!危険性や窒息した際の応急処置方法・対処法をご紹介

犬猫の誤飲の危険性が高い身近なものに「石」があります。

特に犬の場合は散歩や一緒にお出かけしたりなど、外出の機会が多いので猫よりも注意が必要と言えます。

今回は犬猫が石を誤飲してしまった場合の危険性や対処法などについてご紹介したいと思います。

誤飲の危険性

犬猫が石を誤飲するとのどに詰まらせてしまい、窒息を起こす可能性があります。

さらに、それだけでなく消化器官に詰まって閉塞を起こす可能性もあります。

窒息の危険性

犬猫が窒息した場合、迅速に対処しないと命に関わります

応急処置方法を覚えておきましょう。

窒息の症状

犬猫は窒息したとき咳や嘔吐を繰り返し、詰まっているものを吐き出そうとします。

このとき既に息ができない状態になっている場合もあり、犬猫は口や頭を必死に掻くような動作を見せます。

さらに窒息の状態が続くと犬猫は意識を失ってしまいます。

窒息の応急処置

犬猫が窒息しているとわかるとどうしても飼い主様はパニックになってしまいます。

しかし、そんなときこそ落ち着いて冷静に対処することが大切です。

応急処置方法を頭に入れておくだけで、そういった場面に直面したときに少し冷静になれるかもしれません。

口の中をチェック

まずは犬猫の口の中をチェックしてみましょう。

もしも見える範囲に異物があり、指で取り除けそうな場合は挑戦してみてもいいでしょう。

ただし、窒息状態にある犬猫はパニック状態のため、スムーズに口の中を見せてくれるとは限りません。

口の中を見るのが難しいようであれば無理に見ようとするのはやめましょう。

また、飼い主様の手や指を噛んでしまう可能性もあるので手袋を着用するか十分に注意して行うようにしてください。

取り除けない場合

犬猫の喉に詰まった異物が取り除けない、もしくは見える範囲にない場合は本格的に処置が必要です。

窒息の際の処置はいくつかあるので紹介します。

腹部突き上げ法
医療従事者の方はご存知かもしれませんが、人間が窒息した場合に第三者が行う応急処置に「腹部突き上げ法」というものがあります。

手順は以下の通りです。

  1. 患者の背中側から腹部に手を回します
  2. 片手をグーにし、もう一方の手で包み込むように手の甲側を握ります
  3. へそより少し上の所を手前上方に向かって圧迫するように突き上げます

これは犬猫に対しても有効で、特に大型犬におすすめな応急処置です。

犬猫に行う場合は背中側から手を回し、肋骨の少し下あたりを後ろ足を持ち上げるように突き上げます。

このとき肋骨を圧迫してしまうと骨折の危険性があるので注意してください。

背部叩打法
小型犬や猫におすすめなのが「背部叩打法」という背中をたたくことで異物の排出を促す方法です。

手順は以下の通りです。

  1. 犬猫のお尻を人間側に向けるようにします
  2. 前足と後ろ足の間から手を回し、犬猫のアゴを支えます
  3. 肩甲骨の間を手のひらの腹の部分で叩きます

犬猫を叩くのは少しかわいそうですが、しっかり力を加えないと異物除去効果がありません。

救命活動だと割り切ってしっかり行いましょう。

また、叩くときは手のひらの腹で押すように叩くことで犬猫への痛みを抑えつつ効率よく力を加えることができます。

閉塞の危険性

閉塞とは、誤飲した異物が食道・胃・腸などの消化器官に詰まってしまうことです。

食べたものが正常に流れなくなってしまうため、放置すると命に関わる可能性もあります。

各箇所の閉塞についてご紹介します。

食道閉塞

咀嚼して飲み込んだ食べ物は約3~5秒ほどで胃に到達します。

胃に到達するまでの数秒間の間の通り道となるのが食道です。

食道で閉塞が起こるとすぐに嘔吐や唾液分泌多量などの症状が現れます。

呼吸困難を伴う場合もあるため素早い対処が必要です。

胃閉塞

胃閉塞が起こりやすいのは腸への入り口(胃の出口)である「幽門(ゆうもん)」という部分です。

幽門で閉塞が起こると胃に栓をしたような状態になり、激しい嘔吐などの症状が現れます。

放置すると循環器異常などが原因で死に至る可能性もあるとても危険な状態です。

また、ビー玉やコインなどの丸や球体の異物が胃の中に留まると無症状なこともあります。

しばらく留まった後、幽門や腸で閉塞を起こすこともあるため誤飲から発症までに時間差がある場合があります。

誤飲後に無症状でも油断は禁物です。

腸閉塞

腸はとても長い器官で、食べ物が通過する時間も長いため閉塞が起こりやすいです。

腸閉塞を起こすと便が出なくなり、食欲がなくなってしまいます。

そのまま放置すると閉塞部分が壊死し、腸に穴が空いて他の臓器に影響を及ぼし、死に至る可能性があります。

ご飯を食べているか・排泄はできているかという点は、犬猫の健康状態を確認する重要なポイントです。

もしなにか異常があれば獣医師へ相談することをおすすめします。

犬猫が石を誤飲しやすい場面

犬猫が石を誤飲してしまいやすい場面をご紹介します。

河原などの石が多い場所

河原や砂利道などの石が多い場所におでかけした際には注意しましょう。

普段の散歩で石を食べることがない犬でもたくさんの石に興味を持ち、口に入れてしまうことがあるかもしれません。

BBQ

河原などでBBQをする際にソースを石の上にこぼした際に石ごと食べてしまう可能性があります。

ソースには玉ねぎなどの犬猫が食べてはいけないものが含まれている場合もあるので注意しましょう。

歯の生え替わり時期

犬猫は生後4~8ヶ月に歯の生え替わり時期に入ります。

その期間は歯が痒いため、固いものを噛もうとする傾向があります。

この期間は噛み応えのあるものを与えて犬猫の誤飲を防いであげましょう。

誤飲してしまった際の対処法

犬猫が石を誤飲してしまった際は、可能であればすぐに動物病院へ連れて行きましょう

食べたあとにケロッとしていても胃閉塞や腸閉塞の恐れもあります。

また、食べたあとに苦しそうにしている場合は喉に詰まっている可能性があるので前述した応急処置を試してみてください。

呼吸ができない症状が長く続くと命に関わる可能性があります。

動物病院までの移動に使うタクシーを呼んで待っている間や、動物用の救急車を呼んでいる間に行うと良いかと思います。

【まとめ】石の誤飲は危険!

犬猫の石の誤飲は危険です。今回紹介したポイントをおさらいしましょう。

  • 喉に詰まらせると窒息の恐れがあり、迅速な対処が必要なので応急処置を覚えておくと良い
  • 消化器官での閉塞を放置すると命に関わる可能性がある
  • 河原などの石の多い場所には注意が必要

今回は石を誤飲する危険性についてご紹介しました。

石は身近な存在で、誤飲の危険性が高いです。

日常の散歩やお出かけの際には誤飲しないように十分注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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