梅雨の時期の定番のお花といえばアジサイが有名です。
住宅街を歩いていると見かけることも多く、玄関先やお庭で育てている方も少なくないはずです。
そんなアジサイは犬猫がいても安心して育てることができるのでしょうか。
アジサイは犬猫にとって危険な植物!
アジサイは犬猫にとって危険な成分が含まれているため、誤って食べてしまうと一大事になる可能性があります。
今回はアジサイに含まれる危険な成分や食べてしまわないための対策方法などをご紹介します。
アジサイの基本情報
学名
Hydrangea macrophylla
科・属
ユキノシタ科・アジサイ属
原産地
日本
開花時期
5月~7月
別名
七変化・四片・手毬花・オタクサ・八仙花
花言葉
移り気・辛抱強さ・浮気・無常
アジサイに含まれる危険な成分
アジサイは人間が食べた場合でも中毒症状を引き起こすような強い毒性を持っていますが、実はその成分は明らかになっていません。
一般的には「アミグダリン」という成分が原因ではないかといわれていて、厚生労働省は以下のように発表しています。
毒性成分
毒性成分は、未だ明らかではない。
(中略)
2008 年に発生した食中毒を機に、毒性成分が再検討されているが、未だ定かではない。京都薬大の吉川らは、中国四川省産アジサイの葉部・茎部の成分検索を行い、新規青酸配糖体 hydracyanoside 類 6 種を報告した。しかし、これら青酸配糖体は、京都産のアジサイ抽出物には含まれず、品種によって成分・含量にかなりの差があるとの見解だった。実際、各地のアジサイから青酸配糖体の検出を試みた結果が寄せられているが、陽性・陰性どちらの結果も得られている(私信)。
参照:厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル「高等植物:アジサイ」
上記の文中に登場する「青酸配糖体」がアミグダリンのことで、アジサイから検出されることもあれば、されないこともあるようです。
しかしアミグダリンが私たち人間や犬猫にとって有毒であることに間違いはないので、今回はアミグダリンの危険性や症状について解説したいと思います。
アミグダリンの危険性
アミグダリンはかつて「ビタミンB17」と呼ばれ、人間の体に必要なものとされていました。
しかし後に研究が進み、有害であることが分かりビタミンからは外されました。
アミグダリンを多く含む食べ物
アミグダリンは以下のような食べ物に多く含まれています。
- びわ
- 桃
- すもも
- あんず
- 梅
- さくらんぼ
これらの共通点はバラ科の植物であることです。
ただしこれらは普通に食べてもアミグダリンの心配はありません。
アミグダリンが含まれているのはこれらの種や熟していない実になります。
アミグダリンを摂取するとどうなるのか
アミグダリンは体内に入ると「シアン化水素」という物質を発生させます。
シアン化水素は猛毒で知られる「青酸カリ」などにも含まれている非常に危険な成分です。
症状について
アミグダリンを摂取すると以下のような症状を発症する可能性があります。
- 下痢・嘔吐
- 頭痛・めまい
- 血圧低下
- 呼吸困難
- けいれん
- 昏睡状態
もしもアミグダリンを含むアジサイを大量に食べてしまうと、最悪の場合昏睡状態を経て死に至る可能性もあるので注意しましょう。
犬猫がアジサイを食べてしまわないために
犬猫がアジサイを食べないようにする対策方法は犬か猫かによって変わります。
犬の場合
犬の場合最も気を付けるべきは散歩のタイミングといえます。
アジサイは民家の玄関先や公園に咲いていることも多く、低木のため犬の届く範囲に咲いていることもあります。
興味を持って突然食べてしまうなんてこともあり得なくはないので、犬の散歩中はアジサイに近づけないように注意しましょう。
自宅のお庭でアジサイを育てている方は、目を離した隙に犬がアジサイを食べてしまわないように気を付けましょう。
猫の場合
猫の場合は家から逃げ出してしまわないように注意しましょう。
猫は外に逃げ出してしまっても数分すると家に帰ってくることがほとんどですが、外にいる間にアジサイを食べてしまう可能性があります。
外にはアジサイだけでなく猫が食べてはいけない植物がたくさんあるのでその点も注意が必要です。
おうちの中でアジサイの切り花を花瓶に生けている場合も、猫が興味を持ちやすいためできるだけ近づけないようにするのがおすすめです。
もしも食べてしまったら
もしも犬猫がアジサイを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談するのがおすすめです。
いつ・どのぐらいの量食べてしまったのか説明できるようにしておきましょう。
食べてしまった量が多いほど重篤化する可能性が高いとされています。
【まとめ】アジサイは犬猫が食べてしまわないように注意が必要
アジサイは犬猫にとって危険な植物です。成分や注意点についておさらいしましょう。
- アジサイの毒性の成分は解明されていないが「アミグダリン」が原因という説がある
- アミグダリンは体内に入るとシアン化水素という毒性のある物質を発生させる
- 人間でも中毒症状を発症することがあるほど毒性の強い成分
今回は犬猫を飼っている環境でのアジサイについてご紹介しました。
アジサイは町中に咲いていることも多いメジャーな花なので、犬猫が食べてしまわないように十分注意しましょう。