ゼラニウムは華やかでかわいらしい花を長期間咲かせるので、ガーデニングで広く楽しまれる人気の植物です。
鉢植えでも気軽に楽しむことができるので、窓辺に飾られる事も多く、香りのよさからアロマオイルの原料としても使われています。
また、虫除け効果が期待できる品種もあり、ゼラニウムの抽出液は防虫剤として使用されることもあります。
ゼラニウムの基本情報
学名:Pelargonium Zonal Group
科名 / 属名:フウロソウ科 / テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)
開花時期:3月~12月上旬
花言葉:「育ちの良さ」「尊敬」「愛情」
ゼラニウムは毒性成分が含まれている!
ゼラニウムは虫除けの効果もある品種もあるので、犬猫にとっても人間にとっても有益なのではと考えて室内外に置かれる飼い主様もいるかもしれません。
しかし、ゼラニウムには犬猫にとって危険な毒性成分『ゲラニオール』と『リナロール』が含まれています。
犬猫がゼラニウムを摂取した場合、これらの影響で消化器官や皮膚に健康被害を起こす可能性があるとして注意されています。
ゼラニウムを摂取した場合に起こる中毒症状例
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 倦怠感
- うつ
- 摂食部分の皮膚炎
ゼラニウムの中毒症状は比較的軽度なものが多く、花びらを1、2枚摂取した程度で死に至るような重篤な症状が起こる事は考えにくいと言われますが。
しかし摂取量や犬猫の個体差によっては嘔吐や下痢を繰り返したり、昏睡などの重度症状が起きる可能性もある事は覚えておきましょう。
犬猫がゼラニウムを食べてしまったら
ゼラニウムには犬猫にとって有害となる毒性成分が含まれていますが、花や葉をごく少量の摂取であれば軽度の中毒症状で治まるケースが多いようです。
ゼラニウムは非常に香りが強い植物なので命の危険があるほど犬猫が大量に食べてしまう事は考えにくいのですが、稀にゼラニウムを好む犬猫がいたり、少量の摂取であっても個体差によっては重度の症状を引き起こす可能性はあるので注意が必要です。
もし、ゼラニウムを犬猫が摂取したことが分かった場合、どれくらいの量を食べたのか、時間の経過を落ち着いて確認しましょう。
併せて、口回りや口腔内、摂食部分に炎症が起きていないかチェックし、下痢や嘔吐など体調に異変が無いか注意深く観察しましょう。
少しでも不安があれば動物病院へ連絡し、獣医師に相談しましょう。
犬猫がゼラニウムを食べないように対策を!
ゼラニウムは開花期も長く、初心者でも育てやすい事からガーデニングや鉢植えで楽しまれている人気の植物です。
犬猫がいる環境でゼラニウムを育てている場合は、犬猫が接触しないように対策が必要となります。
室内に置かれる場合には、犬猫の行動範囲内や簡単に届くような場所には置かないように配置場所は十分に検討しましょう。
屋外で育てられる場合、室内飼いの犬猫は接触する機会は少ないですが、散歩で外出する機会が多い犬に関しては通り道に置かない事や、食べないように目を離さないことが大切でしょう。
また、ゼラニウムは公園の花壇などに植わっていることが多いので、近づけないように日ごろからチェックしておくといいでしょう。
ゼラニウムのアロマオイルについて
ゼラニウムはアロマオイルとしてラックスやリフレッシュ、虫除け効果などが期待され人気があります。
ゼラニウムのエッセンシャルオイルに含まれる主な成分は『ゲラニオール』『リナロール』シトロネロール』であり、これらは非環式モノテルペンアルコールなので犬、特に猫は体内での分解が難しいといわれています。
猫の場合
猫に関しては、ほとんどのエッセンシャルオイルが危険であると考えられているのでゼラニウムも例外ではありません。
そのため、当サイトとしてはゼラニウムのアロマオイル、エッセンシャルオイルを猫に使用することは好ましくないと考えます。
犬の場合
犬に関しては、アロマテラピーや犬用の虫よけ製品に多々使用されていますが、全てのエッセンシャルオイルが使えると考えるのはNGです。
ゼラニウムが含まれる商品を使用する場合には、安全性について製造・販売元へ確認してから使用を検討するのもひとつの選択です。
人間用に販売されている希釈されていないエッセンシャルオイルは猫だけではなく犬にとっても危険であり、犬猫の体に直接塗る事や舐められる状況に置くことは絶対にやめましょう。
併せて、デュフューザーでの使用、保管場所には十分に注意が必要である事も念頭に置いておきましょう。
まとめ
ゼラニウムは世界中で親しまれており、香りが良く虫除け効果も期待される品種もある植物です。
しかし、このゼラニウムには犬猫にとって有害となる毒性成分が含まれるため、食べてしまうと中毒症状を引き起こす可能性がある植物です。
ゼラニウムを犬猫が食べてしまうと、下痢や嘔吐、摂食部分の皮膚炎を起こす場合があるので、犬猫の行動範囲内に置かないように注意する必要があります。
ゼラニウムの毒性は比較的軽度であるといわれていますが、犬猫が食べても大丈夫な植物とは言い難いので、飼い主様は十分に注意してあげましょう。
参考:ASPCA