クリスマスシーズンである冬にバラのような花を咲かせることからその名が付いたといわれるクリスマスローズ。
彩が減る冬の時期に花が咲くので寂し気なガーデニングを華やかにしてくれることや、ふたつと同じ花がないといわれるほど、色も花の形も非常に多種多様なところも人気の理由でしょう。
クリスマスローズの基本情報
学名:Helleborus
その他の名前:ガーデン・ハイブリッド、レンテンローズ、ヘレボルス・ヒブリドゥス
科名 / 属名:キンポウゲ科 / クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
花言葉:「私の不安を和らげて」「慰め」
クリスマスローズは犬猫にとって危険な植物
クリスマスローズはその名でバラ科の植物と勘違いされやすいですが、キンポウゲ科の植物です。
キンポウゲ科は毒性を持つ植物が多く、クリスマスローズも例外ではありません。
クリスマスローズの英名・学名は『ヘレボルス』。
これは「殺す」を意味するギリシャ語の「へレイン」と、「食べ物」を意味する「ボラ」から由来するといわれています。
古代ギリシャで起こった第一次神聖戦争では、水源へこのヘレボルスの毒を入れ攻撃したという戦争史が有名であり、アレキサンダー大王もこのヘレボルスの毒を盛られて殺されたと言われています。
参考:Helleborus sp. an ethnopharmacological and toxicological review
クリスマスローズの主な毒性
種によって異なると考えられてはいますが、クリスマスローズの主な毒性は強心配糖体やサポニン、プロトアネモニンであると考えられています。
クリスマスローズを摂取した場合の中毒症状例
- 過剰なよだれ
- 皮膚炎
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 疝痛
- 痙攣
- 呼吸困難
- 心停止
クリスマスローズの毒性は全草に含まれているので、花だけではなくどの部位であっても誤食がないように気をつけましょう。
クリスマスローズの毒性成分は心臓へ影響を及ぼし、最悪のケースでは命を落としてしまう事もあります。
また誤食だけではなく接触も危険であり、人間に対しても素手で触ることで皮膚の炎症やただれ、水疱などを引き起こす可能性があるとして注意喚起がされています。
犬猫をクリスマスローズに近づける事自体が危険であると認識しておくといいでしょう。
クリスマスローズを食べてしまったら
どんなに注意していても、好奇心旺盛な犬や猫は少し目を離した隙にクリスマスローズに接触したりかじってしまう事があるかもしれません。
クリスマスローズは摂取量によっては重度の中毒症状を引き起こす危険があるので、誤食が分かったら症状の有無に関わらずできるだけ早く動物病院に相談し、獣医師の指示に従いましょう。
接触による皮膚トラブルもあるので、かゆがる、赤みが出るなどがあれば水でしっかり洗い流し、この場合も動物病院へ相談することをお勧めします。
まとめ
クリスマスローズは毒性の強いキンポウゲ科の植物です。
誤食した場合には命の危険も考えられ、また接触による皮膚トラブルの危険もあります。
犬や猫の行動範囲内に配置するのは避け、散歩コースなどの屋外で見かけた場合も近づかないように注意してあげましょう。
万が一、愛犬愛猫がクリスマスローズを誤食してしまった、接触し皮膚トラブルが起きてしまった場合はできるだけ早く動物病院へ相談しましょう。
早期発見は早期治療に繋がり、重篤化を防ぐ第一歩となりますので、日ごろから犬猫の行動に異常が無いか注意観察をしてあげましょう。