イソトマとは
イソトマは、キキョウ科イソトマ属に属するオーストラリア原産の多年草で、星形の可憐な花を咲かせる園芸植物です。
ブルーやピンク、白などの花色があり、特に青い花が人気で「ブルースター」とも呼ばれますが、同じ呼び名で知られるブルースター(別名オキシペタラム/キョウチクトウ科)とは異なる植物です。
開花期が長く、夏のガーデニングに適していますが、毒性成分を含むため犬や猫にとって危険な植物といえます。
イソトマ(ローレンティア)の基本情報
学名:Isotoma axillaris
その他の名前:ラウレンティア
科名 / 属名:キキョウ科 / イソトマ属(ローレンティア属)
花言葉:「強烈な誘惑」「優しい知らせ」「神聖なる思い出」
イソトマの主な毒性成分
イソトマには、アルカロイド系の有毒成分が含まれていると考えられています。
具体的な成分は明確には特定されていませんが、これが皮膚や粘膜に刺激を与える原因とされています。
イソトマによる主な中毒症状
- 嘔吐
- 下痢
- 口腔内への刺激、しびれ
- 過剰なよだれ
- 皮膚炎(乳液に触れた場合)
イソトマの茎や葉を傷つけると出てくる乳液(ラテックス)に触れると、刺激を伴う皮膚炎を起こす可能性があります。
これが目に入った場合には、結膜炎や痛みを生じるケースもあるので、誤食と共に接触もしないように注意してあげましょう。
犬や猫がイソトマを食べたり触れた時の対応方法
イソトマを誤食した場合、口腔内の刺激や過剰なよだれ、消化器系への影響が考えられています。
そのため、誤食が分かったらすぐに口の中を確認し、植物が残っているようであれば取り除きましょう。また、可能であれば口回りを水で洗い流しましょう。
イソトマに接触し、汁液が皮膚に付着した場合にも流水で優しく洗い流しましょう。
特に目に入った場合にはこすらないようにすぐに洗浄し、痛がる様子や赤み、腫れがないか確認、観察をしましょう。
消化器症状や皮膚炎など症状が見られる場合には動物病院を受診しましょう。
イソトマによる健康被害の事例
イソトマに関する研究報告は多くありませんが、2011年、兵庫県宝塚市の小学校で花壇の手入れをしていた児童が次々と目の痛みを訴え、その原因がイソトマによるものと考えられる事例が報じられました。
イソトマは園芸店で手軽に購入できる観賞用植物で、現在も花壇や鉢植えとして広く親しまれています。
しかし、小さな子どもや犬・猫は有毒植物と知らずに触れたり口にしてしまうことがあるため、注意が必要です。
ご家庭で栽培や観賞を楽しむ際は、犬や猫にとって安全かを事前に確認し、手の届かない場所に置くなどの対策を心がけましょう。
まとめ
イソトマはオーストラリア原産の多年草で、星形の美しい花を咲かせる観賞用植物です。
ガーデニングでは人気のある植物ですが、有毒成分を含み、誤食すると嘔吐や下痢、口の刺激を引き起こし、皮膚に触れるとかぶれることがあります。
犬や猫がが誤って触れたり口にしないよう、栽培する際は手の届かない場所に置くなどの対策が必要です。
一番の予防策は、有毒植物を生活環境下に置かない事です。
植物を育てたり、飾って楽しむ場合には、必ず犬や猫にとって危険な植物ではないか確認してからにするといいでしょう。
参考:イソトマ(ローレンティア)の基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)
参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑 著者: 土橋豊