キングサリは犬猫にとって危険な植物。ニコチンと類似した毒性成分に注意

キングサリとは

キングサリは滝のように垂れ下がる美しい黄色の花が特徴的な植物で、主にヨーロッパで庭木や街路樹として人気がある、高さ7~10mになる落葉高木です。

日本では広く普及しているわけではありませんが、冷涼な地域を中心に栽培されており、「黄鎖」とも呼ばれ、観賞用として庭園や公園に植えられることがあります。

しかし、このキングサリは非常に強い有毒成分が含まれる植物なので、犬や猫にとっては危険な植物です。

キングサリの基本情報

学名:Laburnum anagyroides
和名:キングサリ(金鎖)、黄鎖
その他の名前:ゴールデンチェーン、キバナフジ
科名 / 属名:マメ科 / キングサリ属
花言葉:「はかない美しさ」「相思相愛」「哀しいほどに美しい」

キングサリの主な毒性成分

キングサリは有毒植物として広く知られており、その毒性は非常に強いと考えられています。

有毒部位は木の全てであり、特に種子さやが最も危険であるといわれています。

その毒性成分はシチシンであり、このシチシンの分子構造はニコチンと類似しているため、誤食した場合にはニコチン中毒とよく似た症状を引き起こします。

キングサリによる中毒症状例

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢
  • のどの痛み
  • けいれん
  • 心拍の異常
  • 呼吸不全

ごく少量の摂取であれば、消化器系症状程度である場合もあるようですが、犬、特に猫は人間に比べて解毒作用能力が低いと考えられています。

少量の摂取でも個体差によっては重篤な症状を引き起こす可能性があります。

特に毒性が強い種子さやの摂取であれば、少量でもあっても軽視できません。

摂取量や誤食部位によっては心拍の異常や呼吸困難を引き起こし、命に係わる場合もあります。

犬や猫がキングサリを食べてしまったら

犬や猫がキングサリを食べてしまった事が分かったら、症状の有無に関わらず早急に動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従うようにしましょう。

その際、食べてしまった部位や量、時間の経過、体調の異変があるかなど記録しておくと診察時のヒントとなりますので、飼い主は冷静に愛犬、愛猫の状態を記録しておきましょう。

中毒症状が現れるまでに時間がかかる場合もあるので、何も症状が無いからと言って様子見をしてしまうと、気づいたときには手遅れになってしまうケースもあります。

少量の摂取だから、症状がないからと油断せず、動物病院で診てもらうことが大切でしょう。

まとめ

キングサリは藤の花に似た鮮やかな黄色の花房を垂れ下げて咲かせる美しい植物ですが、強い毒性を含む有毒植物なので取り扱いには注意が必要です。

日本では冷涼な地域で栽培できるので、庭木や公園樹として人気がありますが、全ての部位に毒性成分が含まれるので、犬や猫が近づかないようにしてあげましょう。

有毒植物について日ごろから知識を持つことで、危険な植物の誤食を防ぐことができます。

キングサリのような有毒植物を誤って食べてしまわないように家庭での植物の管理に気をつけましょう。

参考:キングサリの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

参考:人もペットも気をつけたい園芸有毒植物図鑑 土橋豊博士(農学)

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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