夏になると白・赤・ピンク・紫などの様々な色の花を咲かせるキョウチクトウ。
あまり名前に聞き馴染みはないかもしれませんが、車の排気ガスや大気汚染などの悪環境に強いので幹線道路や公園などの緑化に利用されることの多い植物です。
そんなチョウチクトウは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
キョウチクトウは犬猫にとって危険な植物!
キョウチクトウは非常に強い毒性を持つため犬猫が誤って食べてしまうと危険です。
今回はキョウチクトウに含まれている有毒な成分や食べてしまったときの対処法などについてご紹介したいと思います。
キョウチクトウの基本情報
学名
Nerium oleander
科・属
キョウチクトウ科・キョウチクトウ属
原産地
インド
開花時期
6月~9月
別名
半年紅(ハンネンコウ)
花言葉
危険な愛・用心・危険
キョウチクトウに含まれる有毒な成分
キョウチクトウには「オレアンドリン」や「ストロファンチン」などの強心配糖体の一種が含まれています。
これらの成分はキョウチクトウの根から花びらだけでなく、キョウチクトウが生えている周りの土壌にも含まれています。
強心配糖体とは?
強心配糖体とは、心臓の働きに関わる「心筋」の収縮力を高める効果のある化合物の総称です。
心臓には血液を全身に送り出す役割がありますが、心不全によりその力が衰えてしまった方が服用する強心薬に使用されます。
強心配糖体は摂取量の安全域・治療域が非常に狭いため過剰に摂取すると非常に危険です。
症状
犬猫が「オレアンドリン」や「ストロファンチン」などを摂取すると以下のような症状を引き起こす可能性があります。
- 嘔吐・下痢
- めまい
- 倦怠感
- 不整脈
- 心臓麻痺
最悪の場合心肺停止に至ることもある非常に強く恐ろしい毒性のため、十分に注意しましょう。
人間も注意が必要
キョウチクトウは人間に対しても有毒で、各市町村で注意喚起が行われていることもあります。
キョウチクトウ(夾竹桃)にご注意ください
キョウチクトウ(夾竹桃)(キョウチクトウ科キョウチクトウ属)は常緑の中低木で、葉は厚く長楕円形、形状は竹の葉に似ており、6月から9月に桃の花に似た白色や赤色などの花を咲かせます。
車の排気ガスや大気汚染にも強く、緑化樹として公園や緑地などで植栽されていますが、根、葉、茎、花 など樹木全体に毒性を持っており、口に含むなどすると吐き気、嘔吐、下痢、めまい、腹痛などの症状がおこることがあり危険なため、ご注意ください。
参照:千葉県印西市「キョウチクトウ(夾竹桃)にご注意ください」
ご家庭に小さなお子様がいる場合は、公園などで遊ぶときにキョウチクトウが生えている可能性もあるので、誤って口に含んでしまわないように目を離さないようにしましょう。
キョウチクトウの草木を燃やすと有毒な煙が発生するため、BBQを行う場合やたき火を行う際にはキョウチクトウの草木を燃やしてしまわないように注意しましょう。
犬猫や植物に強いイメージのある牛やヤギなどの草食動物にもキョウチクトウは有毒で、過去には家畜動物の死亡例もあります。
犬猫がキョウチクトウを食べてしまわないために
キョウチクトウは基本的に外に生えている低木なので室内飼いの犬猫が家にいる間は心配ないといえます。
屋外にはキョウチクトウだけでなく、犬猫が食べてはいけない植物がたくさんあるので、猫を飼っている場合は家から逃げ出してしまわないように注意しましょう。
犬を飼っている場合は散歩中やお出かけの際に十分注意しましょう。
かじってしまうと危険なので犬がキョウチクトウに興味を示していても近づけてはいけません。
もしも食べてしまったら
万が一、犬猫がキョウチクトウを食べてしまったら食べた量に関わらずすぐに獣医師へ相談するようにしましょう。
人間が食べてしまっても危険なほど毒性の強い成分のため、犬猫が食べると少量でも命に関わる可能性があります。
重篤化しないためにも、なるべく迅速に動物病院で胃洗浄や催吐処置などの適切な治療を受けましょう。
【まとめ】キョウチクトウは犬猫にとって危険な植物
キョウチクトウには有毒な成分が含まれているため、犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。
今回紹介した成分や誤食による危険性についておさらいしましょう。
- キョウチクトウには「オレアンドリン」や「ストロファンチン」などの強心配糖体が含まれている
- 強心配糖体には強心作用があり、心不全患者のための強心薬などに使用されるが、安全な量を超えると心肺停止のリスクもある
- 人間に対しても有毒で、同じように誤食のリスクがある。キョウチクトウの草木を燃やすと有毒な煙が発生するので注意
今回は犬猫に対するキョウチクトウの危険性についてご紹介しました。
人間に対しても有毒なほど非常に強い毒性を持つため犬猫だけで無く飼い主様も誤食には十分注意してください。