ラベンダーは犬猫にとって危険な植物?犬と猫への影響の違いや危険な品種について解説

ラベンダーは鮮やかな花を咲かせ、心地よい香りが魅力のハーブの一種です。

初夏には紫色のほかにも、白やピンク色の花を咲かせ、香りの良さとその美しさから「ハーブの女王」と呼ばれれています。

ラベンダーの基本情報

学名:Lavandula
その他の名前:ラヴェンダー
花言葉:「あなたを待っています」「期待」「沈黙」「清潔」「疑惑」「優美」「幸せが来る」「許し合う愛」
科名 / 属名:シソ科 / ラベンダー属

参考:ラベンダーの基本情報

ラベンダーは犬猫にとって危険な植物!?

ラベンダーは一般的にリラックス効果があり、アロマセラピーにもよく使われる植物です。

その香りは私たちにとって心地よいものですが、犬猫が直接その草花を食べてしまう事に関しては注意が必要です。

ラベンダーには犬猫にとって有害となる成分が含まれており、特に猫に対して影響を考慮する可能性があるとされています。

主な毒性成分はリナロール

ラベンダーに含まれる犬猫に対する有害な成分は主にリナロールといわれています。

リナロールは天然のアルコール成分で、ラベンダーの精油の主成分です。

犬の場合

ラベンダーには上記で解説したように犬にとって有害なリナロールが含まれています。

しかし、植物としてフレッシュなラベンダーに含まれるその濃度は比較的低く、犬がラベンダーをごく少量かじる程度であれば重篤な症状を引き起こす可能性は低いと考えられています。

ただし、摂取量が多かったり、個体差によってはその限りではありません。

犬の消化器系は人間ほど植物性の消化を得意としているわけではないので、過剰な量を摂取すれば消化不良やリナロールの影響が大きく出てしまう事もあります

そのため、犬にとってラベンダーが安全であるとは言い難いので、食べさせないように注意したほうがいいでしょう。

リナロールを多く摂取した場合、胃腸障害を起こすことが知られており、主な中毒症状は、嘔吐、下痢、食欲不振などが挙げられています。

猫の場合

ラベンダーに含まれるリナロールはアルコールの一種であると解説しました。

アルコールに関しては、人間や犬に比べ猫は代謝が難しいとされています。(注:犬が完全に代謝できるという解釈ではありません)

そのため、リナロールが含まれるラベンダーを少量であっても食べるのは危険であると考えます。

植物としてフレッシュなラベンダーに含まれるリナロールの濃度は比較的低いといわれていますが、猫にとっては危険な濃度である可能性が高くあります。

たとえ少量であっても食べてしまったら、消化器系や神経系、呼吸器系へ影響し、下痢や嘔吐、興奮や不安、呼吸困難等を引き起こし、場合によっては命の危険も考えられます

これらのことから、猫にラベンダーは絶対に食べさせないように注意が必要でしょう。

ラベンダー製品について

ラベンダーはその香りの良さからアロマオイルやドライのラベンダーを部屋に置かれる方も多くいるでしょう。

これらのラベンダー製品についても注意が必要です。

犬の場合

アロマオイルとしてのラベンダーオイルは犬に対してアロマテラピーで使用されることもあります。

犬用に希釈してあるものであれば有用という情報もありますが、濃度の高いエッセンシャルオイルは皮膚炎などを起こす可能性があるので、犬に対しての安全が確認できているものを選びましょう。

ドライのラベンダー製品については、硬さや成分の凝縮、他の植物との組み合わせによる成分の不明確さは犬にとって安全とは言えません。

犬の行動範囲内に置かないようにすることが最善策であると考えます

※この記事は犬へのアロマテラピーを推奨するものではありません。アロマオイルなどのエッセンシャルオイルを犬に使用するかは飼い主様の判断に委ねられます。

猫の場合

猫にはフレッシュなラベンダーだけではなくアロマオイルなどの精油製品も危険であるため、猫に直接使用したり猫のいる部屋でディフィーザーなどを使用することは控えましょう

ドライのラベンダー製品も猫が食べてしまうと大変危険なので、猫の行動範囲内に置かないようにしましょう

ラベンダーストエカスは犬猫共に危険

犬に関して、ラベンダーは少量であれば重篤な症状を引き起こす可能性は低いと上記で解説しましたが、全てのラベンダーがそうではありません。

『ラベンダーストエカス』(別名フレンチラベンダー、スパニッシュラベンダー)と呼ばれる品種には、犬にとっても有害な神経毒となるケトン類が多く含まれるので他のラベンダーと同様には扱えません。

もちろん猫にとっても大変危険なので、猫は全てのラベンダーと呼ばれる植物がNGであると覚えておくといいでしょう。

ラベンダーストエカスに関しては、犬猫共にとえ少量であっても食べさせるべきではないので十分に注意してください。

ラベンダーストエカスの基本情報
ラベンダーストエカス

ラベンダーストエカス

科名 / 属名:シソ科 / ラヴァンドラ属/ストエカス種
英名:フレンチラベンダー(French lavender)
その他の名前:ラベンダー・ストエカス/スパニッシュ・ラベンダー/トップト・ラベンダー
開花時期:3月~6月
花言葉:「期待」「沈黙」「豊香」「私に答えてください」

犬猫がラベンダーを食べてしまったら

犬の場合

上記で解説しましたが、犬が植物としてフレッシュなラベンダーを少量食べた程度で重篤な症状を引き起こす可能性は高くはないでしょう。

しかし摂取量、個体差によっては下痢や嘔吐などの健康被害を起こすことがありますので、どの程度食べたのか確認し、時間の経過や症状の有無を記録しましょう

食べてしまった後に体調不良や行動に異常がある場合は、すぐにでも動物病院へ相談しましょう。

エッセンシャルオイルやドライのラベンダー製品を食べてしまった場合、『ラベンダーストエカス』を経口摂取してしまった場合は、より健康被害の可能性が高く危険です。

自己判断で経過観察はせずにすぐに動物病院へ相談しましょう。

猫の場合

猫は少量でもラベンダーを食べてしまうと、健康被害を起こす可能性が高くあります。

フレッシュなラベンダーはもちろん、エッセンシャルオイル等はより危険となるので、食べてしまった場合は症状の有無に関わらずすぐに動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう

ラベンダーを食べた後に症状が出ていなくても、時間の経過とともに重篤な症状が出てしまう事があるので

まとめ

ラベンダーは世界中で親しまれる香りのよい植物で、ガーデニングや切り花、ドライフラワーまたアロマオイルなど様々な形で楽しまれています。

その香りにはリラックス効果などが期待されますが、犬猫にとっては危険な成分が含まれているので食べても大丈夫とは言えない植物です。

特に猫はその影響を受けやすく、少量の摂取でも命の危険が考えられています。

ラベンダーの中でも『ラベンダーストエカス』と呼ばれる品種は、犬猫共に少量の摂取であっても重篤な症状を引き起こす可能性が高いので、犬猫共に食べてしまわないように十分に注意してください。

参考:ASPCA

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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