バラに似た見た目が特徴的なラナンキュラス。
華やかな見た目から切り花としても人気で、観賞用に飾られることも多い花です。
そんなラナンキュラスは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
ラナンキュラスは犬猫にとって危険な植物!
ラナンキュラスをはじめとするキンポウゲ科の植物は毒性の強い植物が多く、ラナンキュラスにも有毒な成分が含まれています。
そのため、犬猫が誤って食べてしまうと非常に危険です。
今回は犬猫がラナンキュラスを食べてしまった場合の危険性や予防策・食べたときの対処法などについてご紹介したいと思います。
あの猛毒もキンポウゲ科
人間に対しても猛毒として有名な「トリカブト」もキンポウゲ科の植物です。
「トリカブト」という名前の植物はなく、一般的にトリカブトと言われているものはキンポウゲ科トリカブト属の植物の総称になります。
代表的なものには「オクトリカブト」や「カラトリカブト」などがあります。
人間による誤食の死亡例も報告されているので犬猫だけでなく皆様も十分に注意してください。
ラナンキュラスの基本情報
学名
Ranunculus asiaticus
科・属
キンポウゲ科・キンポウゲ属
原産地
西アジア・ヨーロッパ
開花時期
4月~5月
別名
ハナキンポウゲ(花金鳳花)
花言葉(色により異なる)
赤
あなたは魅力に満ちている
オレンジ
秘密主義
ピンク
飾らない美しさ
黄色
優しい心遣い
緑
お祝い
紫
幸福
白
純潔
ラナンキュラスに含まれる毒性成分
ラナンキュラスには「プロトアネモニン」という刺激性のある油性配糖体が含まれています。
配糖体とは
配糖体とは、有機化合物が糖と結合したものの総称で、「グリコシド」と呼ばれることもあります。
自然界に広く存在しており、特に植物は必ず何らかの配糖体を含んでいると言われています。
配糖体にはいくつもの種類があり、性質も様々です。
例えば、「ジギタリス」という植物に含まれている配糖体は強心作用があるため「強心配糖体」と呼ばれています。
強心配糖体は心不全患者が服用する強心薬を作るために必要で、医療上重要な役割を果たしています。
プロトアネモニンについて
ラナンキュラスに含まれている配糖体のプロトアネモニンには毒性があります。
犬猫が食べてしまうと口唇炎・嘔吐・胃腸炎・血便・心臓麻痺などの中毒症状を引き起こす可能性があります。
また、ラナンキュラスは切った断面に触れるだけでも皮膚のかゆみやかぶれを起こす恐れもあるので注意しましょう。
人間も注意が必要
ラナンキュラスに含まれるプロトアネモニンは人間に対しても有毒な成分です。
断面に触れると同じように皮膚が炎症を起こす可能性があるので切り花などをする際は注意しましょう。
また、犬猫と同じように誤食による中毒症状もあるので、小さなお子様がいる家庭では誤って食べてしまわないようにしましょう。
犬猫がラナンキュラスを食べてしまわないために
犬猫を飼っている場合は誤食のリスクを避けるため、ラナンキュラスは飾らないようにするのが一番です。
特に猫を飼っている方は花瓶を倒してしまう可能性もあるため、普段から切り花などは飾らないようにしていると言う方も多いかと思います。
誤食の危険性だけでなく、ガラスの花瓶を倒してしまうと割れて犬猫の怪我につながる可能性もあります。
また、花の中には挿している花瓶の中の水を飲むだけでも危険なものもあります。
飾る場合は
ラナンキュラスはとても綺麗な花なので犬猫がいる環境でも飾りたいという場合もあるかもしれません。
どうしても飾りたい場合は犬猫の手の届かない所で管理しましょう。
犬を飼っている場合は高い場所に飾るようにし、猫の場合は跳躍力があるため猫が入れないような場所で管理するのが良いかと思います。
トイレなどにインテリアとして飾るのがおすすめです。
もしも食べてしまったら
万が一犬猫がラナンキュラスを食べてしまったら、すぐに獣医師へ相談しましょう。
ラナンキュラスの毒性は人間にとっても有毒であるほど強力です。
例え犬猫が食べたのが少量でも重篤化の可能性もあるので素早く対処しましょう。
動物病院では必要に応じて胃洗浄や催吐処理などの適切な処置を受けることが出来ます。
【まとめ】ラナンキュラスは犬猫にとって危険な植物
ラナンキュラスは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。
今回紹介した有毒な成分や危険性についておさらいしましょう。
- ラナンキュラスには「プロトアネモニン」という有毒な配糖体の一種が含まれている
- プロトアネモニンは触れるだけで皮膚炎の恐れがあり、誤食すると嘔吐・胃腸炎・心臓麻痺などの危険性がある
- プロトアネモニンは人間に対しても有毒な成分なので切り花の際や、子供の誤食には気を付ける
今回は犬猫に対するラナンキュラスの危険性についてご紹介しました。
ラナンキュラスは人間に対しても有毒なほど強力な毒性を持つ植物なので犬猫が誤食してしまわないように十分注意しましょう。