すらりと伸びた茎から白いベル型の花を付けるのが特徴的なスノーフレーク。
スズランに似たその姿から「スズランスイセン」という別名でも呼ばれます。
そんなスノーフレークは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
スノーフレークには有毒な成分が含まれている！
スノーフレークには犬猫だけでなく人間にとっても有毒な成分が含まれています。
そのため人間にも誤食のリスクがあり、厚生労働省から注意喚起されています。
今回はスノーフレークを食べてしまう危険性や症状・食べてしまったときの対処法などについてご紹介します。
スノーフレークの基本情報
学名
Leucojum aestivum
科・属
ヒガンバナ科・スノーフレーク属
原産地
ヨーロッパ中南部
開花時期
3月～4月
別名
スズランズイセン・オオマツユキソウ
花言葉
純潔・汚れなき心
スノーフレークに含まれる毒性成分
スノーフレークには「リコリン」「ガランタミン」「タゼチン」というアルカロイドの一種が含まれています。
これらの成分はスノーフレークの根から花びらまで全てに含まれています。
食べてしまった際の症状
犬猫がスノーフレークに含まれるリコリンなどの成分を摂取すると、少量で嘔吐や口内のかぶれなどを発症すると言われています。
さらに多量に摂取すると、中枢神経が麻痺を起こし最悪の場合死に至る可能性もあります。
人間が食べてしまった場合は、嘔吐や頭痛などの症状が報告されています。
スノーフレークはスズランの仲間？
スノーフレークの花はスズランに非常に似ていますが、スズランの仲間ではありません。
スノーフレークはヒガンバナ科なのに対して、スズランはキジカクシ科なので全く別の植物です。
「スズランスイセン」の別名にもあるスイセンはヒガンバナ科なのでスノーフレークはスイセンの仲間です。
ちなみにスズランも犬猫にとっては有毒な植物なので注意しましょう。
ヒガンバナ科の誤食について
スノーフレークやスイセンなどのヒガンバナ科の植物は、細長い葉を付けるのが特徴です。
花が咲いていないときの姿がニラやノビルなどの野菜に似ているため、間違えて食べてしまう事件が頻発するようです。
実際に2014年に愛知県で空き地に生えていたスノーフレークをニラと間違えて食べ、中毒症状を発症した症例が厚生労働省から報告されています。
スイセンはスノーフレークよりもメジャーな植物ということもあり、誤食事件の発生件数はさらに多いです。
平成25年～令和4年の10年間で216名もの患者数が出ており、そのうち1名は死亡しています。
スノーフレークは症例数が少ないというだけで、スイセンのように死亡事故に発展してしまう可能性も否定しきれません。
誤食を避けるには
ニラは犬猫に与えてはいけない食材なので、ニラと間違えて犬猫に与えることは無いかと思います。
飼い主様が食べる際は間違えないように注意しましょう。
前述した症例のように、空き地に生えているものなどの野生のものは食べない方がいいでしょう。
基本的に売っているものは安全ですが、過去には道の駅でニラとして販売されていたものがスイセンだったという例もあるため、不安な場合は匂いで判断しましょう。
ニラは独特のニラ臭があり、スイセンやスノーフレークは青臭い匂いがするので判別するのは難しくありません。
犬猫がスノーフレークを食べてしまわないために
スノーフレークはたまに野生に生えていることがあるため、犬の散歩コースなどでニラのような植物を見かけたら近づけないようにしましょう。
スノーフレークはおおよそ6月～1月の間は地上部が枯れて休眠状態に入っているので、地上に芽吹く2月～5月の期間には特に注意しましょう。
また、おうちでスノーフレークを育てる場合は、基本的に屋外での管理になるので室内飼いの犬猫が接触する機会はあまりないかと思います。
夏の休眠期も雨の当たらない日陰の涼しい場所に置いておけば室内で夏越しさせる必要も無いので、そういった意味では犬猫がいる環境でも安心して育てやすい植物と言えます。
もしも食べてしまったら
万が一、犬猫がスノーフレークを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
最悪の場合死に至る可能性もある恐ろしい成分を含んでいるため、自分で何とかしようとはせずプロの力を借りましょう。
重症化しないためには素早く処置することが大切なので、食べてしまったのがわかった時点ですぐに対処しましょう。
【まとめ】スノーフレークは犬猫にとって危険な植物
スノーフレークは人間にとっても有毒なほど強い毒性を持つため犬猫が食べてしまうと非常に危険です。
今回紹介した有毒な成分や誤食の危険性についておさらいしましょう。
- スノーフレークには「リコリン」「ガランタミン」「タゼチン」などの有毒な成分が含まれている
- 人間に対しても有毒なほど毒性が強い
- 犬猫が摂取すると嘔吐やかぶれなどの症状だけでなく、最悪の場合中枢神経の麻痺から死に至る可能性もある
今回は犬猫に対するスノーフレークの危険性についてご紹介しました。
スノーフレークは人間に対しても有毒なので犬猫だけでなく皆様も誤食には十分注意してください。
