ソテツは一度葉をつけると年中緑色が続く常緑時で、南国の雰囲気の華やかさもあるので人気の植物です。
観葉植物や学校の校庭、公園などでもよく見かけ、大きく立派な葉枝は存在感もあるので花材としても人気があります。
この身近な植物であるソテツですが、有毒成分を含むため注意が必要な植物です。
ソテツの基本情報
学名:Cycas
英名:Japanese sago palm
和名:ソテツ(蘇鉄)
科名 / 属名:ソテツ科 / ソテツ属
花言葉:「雄々しい」
ソテツは有毒植物で全草危険!犬猫が食べないように注意が必要
ソテツは種子に対する毒性が注目されていますが、葉や幹、根など全草に毒性成分が含まれているのでどの部位であっても犬猫がかじったり食べてしまわないように注意が必要です。
ソテツの種子の誤食に対する注意喚起が多い理由は、毒抜きした種子は食用や生薬として使用されることがあるからです。
人がソテツの葉や幹を口にすることは考えにくいにですが、犬や猫は揺れる葉や枝などをおもちゃにしてかじったり、そのはずみで食べてしまったりすることがあるので気をつけてあげましょう。
ソテツに含まれる毒性成分『サイカシン』
ソテツの種子は今でも一部地域では食用とされています。
しかし、種子の毒抜きには乾燥やアク抜き、流水にさらすなど約3週間ほどの手間と時間がかかります。
この毒抜き作業からもわかるようにソテツの種子に含まれる毒性は非常に強いことがわかります。
そのソテツの主な毒性成分はサイカシンと呼ばれるもので、肝毒性があるだけではなく発がん性物質でもあることでも注目されています。
参考:天然発癌物質ソテツ毒サイカシンの研究とHealth and Human Ecology
ソテツの経口摂取による中毒症状例
ソテツは全草に毒性成分サイカシンが含まれており、どの部位を摂取しても中毒症状を引き起こす可能性が非常に高くあります。
その中でも種子が一番毒性成分を多く含むといわれています。主な中毒症状例は以下の通りです。
- 下痢
- 嘔吐
- めまい
- うつ
- 流涎
- 吐血
- 血便
- 黄疸
- 運動失調
- 呼吸困難
- 肝不全
実際にソテツの茎の一部を摂取してしまった犬3頭が、摂取後数時間以内に嘔吐を繰り返し、顕著な鬱状態・重度の粘膜充血・喉の渇き・多量の唾液分泌の中毒症状があったという報告もあります。
明確な致死量はわかっていませんが、摂取量や個体差によっては命の危険も考えられるほど危険な植物なので、たとえ少量の摂取であっても軽視してはいけません。
参考:犬のソテツ中毒の疑い
犬猫がソテツを食べてしまったら
上記で解説しましたが、ソテツに含まれる毒は犬猫にとって大変危険なものです。
万が一、ソテツの一部をかじったり食べてしまった事に気づいたら、症状の有無に関わらずできる限り早く動物病院へ連れていき、獣医師の指示に従いましょう。
その際はソテツのどの部位をどの程度食べてしまったのか、時間の経過や犬猫の行動、症状を記録しておくと診断のヒントになります。
自宅での自己判断による経過観察や、催吐行為は大変危険です。
日ごろからすぐに相談できる動物病院を確認しておくことで、愛犬愛猫の速やかな治療に繋がりますので、診察時間や夜間対応病院などをチェックしておきましょう。
ソテツ中毒から犬猫を守る
愛犬愛猫がソテツを摂取してしまうリスクを軽減させるために予防策を考慮する必要があるでしょう。
まずは室内・屋内の犬猫の行動範囲内にソテツの鉢植えやソテツが含まれる花材を置かない事が一番の予防策です。
ソテツは屋外でもよく見かける植物ですが、自宅の庭木として育てている場合には犬猫が近づかないように柵を立てるなどの対策をし、公園などに行く場合は近づけないように気をつけてあげましょう。
まとめ
今回はソテツの危険性について解説しました。
命の危険もあるソテツなので、もし犬猫が少しでも摂取した場合、迷わず動物病院へ相談し、獣医師の指示に従う事が大切です。
飼い主様は犬猫がソテツを食べてしまった場合の危険性を理解し、日ごろから緊急時の適切な対処法や予防策を知っておくことが非常に大切です。
参考:食品衛生の窓
参考:ASPCA