赤・白・紫・ピンクなど彩り豊かな花を咲かせるスイートピー。
マメ科のつる性の植物で、支柱を立ててあげると巻き付きながら3~4mほどの高さまで成長することもあります。
甘い香りを放つことからスイートピー[sweet(甘い)pea(豆)]と呼ばれています。
そんなスイートピーは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。
スイートピーは犬猫にとって危険な植物!
スイートピーには犬猫にとって危険な成分が含まれているため、誤食した際などに中毒症状を引き起こす可能性があります。
今回はスイートピーに含まれる危険な成分と食べてしまった際の症状や対処法などについてご紹介したいと思います。
スイートピーの基本情報
学名
Lathyrus odoratus
科・属
マメ科・レンリソウ属
原産地
イタリア シチリア島
開花時期
4月~6月
別名
ジャコウエンドウ・カオリエンドウ
花言葉
蝶のように飛翔する・門出・別離・優しい思い出・永遠の喜び
スイートピーに含まれる毒性成分
スイートピーには「アミノプロピオニトリル」というアミノ酸の仲間が含まれています。
アミノプロピオニトリル
アミノプロピオニトリルは一種の神経毒で、食べると麻痺や痙攣などの症状を引き起こす可能性があります。
この成分はスイートピーの種子に特に多く含まれるため犬猫が食べてしまわないように注意しましょう。
スイートピーの豆は食べられない
スイートピーはマメ科の植物なので開花後にはスナップエンドウのような果実が実ります。
中には当然豆が入っていますが、豆は将来種子になる部分なのでアミノプロピオニトリルを多く含みます。
スイートピーは枝豆やえんどう豆とは違い、食べてはいけない豆なので注意しましょう。
人間も注意が必要
アミノプロピオニトリルは人間に対しても有毒な成分なので、私たち人間もスイートピーの豆は食べてはいけません。
スイートピーの他にも、グラスピーやハマエンドウなどのマメ科レンリソウ属の植物を食べると「神経ラチリズム」と呼ばれる中毒症状を引き起こします。
これにより下半身麻痺などになる可能性もあります。
犬猫がスイートピーを食べてしまわないために
スイートピーは基本的に屋外で育てる植物なので、犬猫がいる環境で育てる場合でも室内飼いの場合はあまり接触の機会は無いかと思います。
スイートピーを育てているベランダやお庭で犬猫と遊ぶ場合は目を離さないように注意しましょう。
目を離している隙に犬猫がスイートピーを食べてしまうかもしれません。
特に開花後の果実(豆)が実っているような時期は特に注意しましょう。
また、小さいお子様も興味を持ったものを口に入れてしまう可能性があるので同様に目を離さないようにしましょう。
もしも食べてしまったら
万が一、犬猫がスイートピーを食べてしまったらすぐに獣医師へ相談するのが確実です。
どの部分をどの程度食べてしまったかによって症状の重さも変わりますが、少量でも重篤化する可能性も無いとは言い切れないので注意しましょう。
もしもすぐに動物病院へ行けない状況であればその後の様子をよく観察し、嘔吐や元気喪失などの初期症状が治まらない場合は可能な限り早く獣医師へ相談しましょう。
夜間診療や休日診療を行っている動物病院もあるので活用するのも1つの手です。
無理に吐かせない
犬猫がスイートピーを食べてしまったからといって、既に飲み込んでしまったものを素人が無理矢理吐き出させようとするのはいけません。
濃い塩水を無理矢理飲ませて吐き出させる方法や、犬猫の体を振って嘔吐を促す方法があるようですがおすすめできません。
塩分は犬猫の心臓や腎臓に負担がかかりますし、体を振る方法は関節などを痛める可能性があります。
それに素人が無理矢理吐かせると犬猫の消化器官を傷つけてしまうかもしれません。
動物病院では薬を使用した正しい催吐処を受けることができます。
必要に応じて胃洗浄や外科手術も可能なので、自分で何とかしようとするのではなくプロに任せましょう。
【まとめ】スイートピーは犬猫にとって危険な植物
スイートピーには有毒な成分が含まれているので犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。
今回紹介した成分や危険性についておさらいしましょう。
- スイートピーには「アミノプロピオニトリル」という毒性のあるアミノ酸の仲間が含まれている
- アミノプロピオニトリルは神経毒の一種で食べると体の麻痺や痙攣を引き起こす可能性がある
- スイートピーの中でも種子や豆の部分に多く含まれており、人間に対しても有毒なので注意が必要
今回は犬猫に対するスイートピーの危険性についてご紹介しました。
スイートピーに含まれるアミノプロピオニトリルは犬猫だけでなく、人間に対しても有毒な成分で下半身麻痺を引き起こす可能性があります。
ご家庭に小さいお子様がいらっしゃる場合は誤って食べてしまわないように十分注意してあげてください。