ヤコウボクは犬猫にとって危険な植物?ナス科の植物に含まれるアルカロイドとは

ヤコウボクとは

ヤコウボク(夜香木)はナス科の常緑低木で、日本では庭木や鉢物として親しまれています。

夜になると甘い香りを放つ小さな花を咲かせるという特徴から「夜香木」の名が付きました。

温暖な気候を好み、日当たりの良い場所で育ちますが、寒さに弱いため冬場は室内での管理が必要な植物です。

その美しい香りから庭のアクセントとして人気がある植物ですが、毒性成分を含む有毒植物なので、犬や猫にとっては危険な植物です。

ヤコウボクの基本情報

学名:Cestrum nocturnum
英名:Night-blooming Jasmine, Night Jessamine
科名 / 属名:ナス科 / ヤコウボク属
花言葉 /「甘い誘惑」「神秘的な愛」

ヤコウボクの主な毒性成分

ヤコウボクはナス科の植物なので、ナス科の植物に含まれるアルカロイドの一種である「ソラニン」が含まれ神経系に影響を及ぼす可能性があります。

ヤコウボクに含まれるソラニン以外のアルカロイドについては、具体的な成分名は完全には解明されていませんが、これらのアルカロイドも中毒症状を引き起こす原因の一つになります。

有毒部位は全草であるため、どの部位の誤食も犬や猫にとっては危険であると覚えておきましょう。

ヤコウボクによる中毒症状例

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 過剰なよだれ
  • 震えやふらつき
  • けいれん
  • 心拍の異常
  • 血圧低下

ヤコウボクを誤食してしまった場合、消化器系の異常や神経症状、重症の場合では循環器への影響まで考えられます。

犬や猫に対する明確な致死量はわかっていませんが、摂取量や個体差によって現れる症状の重さは変わってくるでしょう。

犬や猫がヤコウボクを食べてしまったら

ヤコウボクを誤食してしまった場合、摂取量が少なくても油断はできません。誤食が分かったら以下の対応を参考にしてください。

すぐに動物病院へ連絡

少量の誤食であっても油断できない有毒植物なので、早急な対応が重要です。

誤食を確認したら、可能な限り食べた量や部位、時間の経過を記録し、獣医師に伝えられるようにしましょう。

診察の際には植物の一部を持参する事や、写真を撮っておくことも診察のヒントになります。

また、嘔吐していれば、吐しゃ物をポリ袋等で保管しておくことも有用となる場合があります。

家庭での対処や自己判断での経過観察は避ける

犬や猫の口の中にまだ植物が残っているようであれば、慎重に口をあけ取り除きましょう。

ただし、飲み込んでしまったものを無理やり吐かせる行為はNGです。

気管を詰まらせてしまったり、状態をさらに悪化させる恐れがあるため、獣医師の指示なく催吐処置を行う事は避けましょう。

ヤコウボクの毒性は弱くはありませんが中毒症状は数時間~数日後に現れるケースも少なくないです。

誤食直後に中毒症状がないからと自己判断で経過観察をしてしまうと、気づいたときには重症となっている場合もあります。

有毒植物の誤食は早期対処が重要となります。できるだけ速やかに動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従うようにしましょう。

まとめ

ヤコウボクはかわいらしい花と甘く濃厚な香りが特徴の植物で、観賞用に人気のある植物ですが、全草有毒なので取り扱いには十分に注意が必要です。

また、香りの強い植物は、その香りも犬猫にとって有害となる場合もあります

誤食と併せて香りにも注意が必要なので、一番の予防策は、犬や猫が居る生活環境内には配置しない事です。

ヤコウボクの毒性は、場合によっては命に係わる可能性があるため、少しでも誤食の疑いがある場合には動物病院で相談する事をおすすめします。

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

参考:ケストルムの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:Cestrum nocturnum

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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