犬猫と寒天
超低カロリーでダイエットの強い味方である寒天。
読者の皆様の中には寒天ダイエットにチャレンジしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
煮こごりなどの料理や低カロリーなゼリーなどのデザートを作ることができる寒天ですが、犬猫は食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は寒天を食べても大丈夫!
犬や猫は寒天を食べても大丈夫です。手作りご飯に寒天を使うことはできます。
ただしどんな食べ物でも与えすぎには注意が必要です。今回は犬猫に寒天を与える際の注意点や有効的な使い方について紹介していきます。
寒天について
「寒天」と聞くとゼリー状のものを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますがゼリー状になる前はこんな見た目をしています。
棒寒天と呼ばれる寒天です。
この乾いた状態の寒天は自身の100倍もの水分を含むことが出来ます。
たくさん水分を含む寒天を食べることによって満腹感を得られることが寒天がダイエットに良いとされる理由です。
寒天には他にも粉状の「粉寒天」や細い糸状の「糸寒天」もあります。犬猫の手作りごはん・おやつには手軽な粉寒天が便利かもしれません。
犬猫のダイエットには使える?
寒天は犬猫のダイエットにも効果的です。寒天はほとんどが水分で出来ているためカロリー制限に役立ちます。
愛犬・愛猫が肥満傾向にある場合は普段与えているペットフードを少し減らし寒天に置き換えてあげるなどするとよいでしょう。
ただしダイエット目的で食べても大丈夫とはいえ、ペットフードを全て寒天に置き換えてしまうと栄養不足になるので注意しましょう。
寒天に似ている食材
寒天に似ている食材はいくつかありますので寒天との違いなどをご紹介します。
ところてん
寒天もところてんもどちらも原料となるのは海藻です。
「天草」という海藻を煮溶かし、専用の型に入れてゆっくりと常温で固めたものがところてんです。
そしてこのところてんを凍らせて乾燥させたものが寒天になります。
寒天用のところてんを作る際には天草の他に「おごのり」という海藻なども使用されることがあるようです。
ゼラチン
寒天は海藻から作られているのに対してゼラチンは牛や豚などの動物の骨や皮などに含まれているコラーゲンから作られています。
そのため寒天の主成分は食物繊維でゼラチンの主成分はたんぱく質になります。
また、ゼラチンが溶ける温度は50~60度で、常温では固まらないのでゼラチンを混ぜたものを固めるときは冷蔵庫で冷やす必要があります。
ゼラチンに関してはこちらの記事も参考にしてください。
寒天に含まれる代表的な栄養素
てんぐさ 寒天 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 3kcal |
水分 | 98.5g |
食物繊維総量 | 1.5g |
ナトリウム | 2mg |
カリウム | 1mg |
カルシウム | 10mg |
マグネシウム | 2mg |
リン | 1mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
水分
寒天は100gあたり98.5gが水分で、残りのほとんどは食物繊維です。
犬猫は総合栄養食のペットフードを食べていると必要な栄養素を摂取できているので栄養面での心配は要りません。
食物繊維
食物繊維には水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」の2種類ありますが
このうち寒天などの海藻類に多く含まれているのは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維には便に水分を含ませる役割があり、便秘を予防・改善して腸内環境を整えます。
便秘がちな犬猫に与えてあげたい栄養素ですが過剰に摂取すると逆に下痢になってしまう可能性があります。
ミネラル類
寒天にはカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も含まれています。
ミネラル類は神経や筋肉の働き・骨や歯の形成・代謝など体にとってとても重要な働きをする欠かせない栄養素ですが
寒天に含まれているミネラルはどれも含有量が少なく、期待できない数値です。
しかしミネラルは過剰摂取することによって体にとって悪い働きをするものもあるので
含有量が少ない寒天はそういったミネラルの過剰摂取の心配がない食材といえそうです。
犬や猫に寒天をあげる際の注意点
犬猫に寒天を与える際の注意点を紹介します。
味付けはNG
寒天を使ってなにか手作りデザートなどを作る際に人間用のものだと多少砂糖を使ったりすることもあると思いますが
犬猫のために作ってあげる際は砂糖などの味付けに使うような調味料は使用してはいけません。
砂糖は犬猫に必要ないものですし、摂り過ぎると肥満や糖尿病の原因となります。
冷ましてから与えて
寒天を溶かすときはお湯を使うと早く溶けます。
しかしお湯に溶かして熱いまま犬猫に与えるとやけどの原因となるのでやめましょう。
人肌程度まで冷ましてあげると大丈夫です。
アレルギーに気をつけて
どんな食べ物でもアレルギーの可能性は少なからずあるので注意しましょう。
犬猫に初めて寒天を与える場合は少量にし、下痢・嘔吐・皮膚の赤みやかゆみ・目の充血などが見られないかよく観察しましょう。
犬猫のアレルギー症状は人間のアナフィラキシーショックのような大きな反応は滅多にありません。
実はアレルギー反応を示しているのに気づかずに与え続けるなんてことがないよう注意しましょう。
症状がひどくなる場合は獣医に相談しましょう。
犬や猫にあげる寒天のレシピ
寒天は含まれている栄養が少ないので栄養の過剰摂取の心配が少なく、手作りご飯に取り入れやすい食材です。
寒天を使用した犬猫用のレシピを紹介するのでぜひ作ってみてください。
スイカの甘みとシャリっとした食感、豆乳のクリーミーさと粉寒天で満足感たっぷりの手作りおやつレシピ。
見た目に涼しげで、オレンジが華やかなかぼちゃ寒天です。
ペットフードのかさ増しに使用する場合は
ダイエット目的で水に溶かした寒天ペットフードに混ぜてを犬猫に与える場合は
普通の水で溶かすよりも鶏肉のゆで汁やお出汁で溶かすと食いつきがよくなるでしょう。
お出汁のレシピは以下を参考にしてみてください。
【まとめ】犬猫は寒天を食べても大丈夫
犬猫は寒天を食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 置き換えダイエットなどに使用できるが、栄養不足には注意
- 過剰摂取は下痢の原因となるので注意
- アレルギーに注意
今回は寒天について紹介しました。手作りのケーキやおやつを作るのにとても便利な食材です。
紹介した注意点を守ってぜひ手作りご飯を考えてみてください。