犬猫はマッシュルームを食べても大丈夫!
マッシュルームは、コロンとした丸いカサを持つヨーロッパ原産のキノコです。
うま味成分多く味わいが良いのが特徴でもあるマッシュルーム。
日本でも様々な料理に使われ、親しまれているマッシュルームは、世界一生産量が多いキノコといわれています。
マッシュルームは上品な味わいの白色種と香りが濃厚な茶色種があります。
マッシュルームは犬猫が中毒症状を引き起こす成分は入っておらず、犬猫の総合栄養食であるドライフードに使われる場合もあることなどから食べても大丈夫な食材と言えます。
犬猫にマッシュルームを与えるメリット
マッシュルームは食物繊維やカリウムなどが含まれ、整腸効果や体内のナトリウムの調整など健康的メリットがある成分が含まれています。
他にもマッシュルームの特徴ともいえる健康的メリットが期待される成分について解説します。
セレン
マッシュルームにはミネラルの一種であるセレンが含まれています。
含有量はキノコ類の中でもマツタケに次いで多く、シイタケと比べるとその量は3倍ほどになります。
セレンには抗酸化作用があり、老化防止やがんの予防が期待されています。
セレンはビタミンEと一緒に摂取すると感染予防作用もあると言われています。
シャンピニオンエキス
マッシュルームから抽出されるエキスであるシャンピニオンエキスには、消臭効果が期待されています。
シャンピニオンエキスには腸内の善玉菌を増やす効果があり、腸内環境を整えてくれる働きから体臭や口臭などを減らす効果があるといわれています。
パントテン酸
マッシュルームは水溶性のビタミンであるパントテン酸を含んでいて、エネルギー代謝に欠かせない栄養素です。
糖質や脂質などの代謝を補助する役割をしているほかにも、抗ストレス作用も期待されています。
エリタデニン
エリタデニンとは、主にシイタケに多く含まれる成分ですが、キノコ類の中でシイタケ以外にはマッシュルームにのみ含まれると言われています。
シイタケに比べればその含有量は僅かですが、このエリタデニンには血中コレステロール値を下げる効果が期待されています。
そのため、肥満や生活習慣病の予防に役立つと考えられています。
これは人間に対する報告で、犬猫への効果は不透明な部分ではありますが、このような健康的メリットが期待される成分がマッシュルームに含まれています。
犬猫にマッシュルームを与える際の注意点
キノコ類は消化しにくい食材!丸ごと与えないように注意しましょう
食物繊維は排便に有効的な成分として知られています。
キノコ類には食物繊維が多く含まれ、整腸効果に期待される食材として有名ですが、食物繊維は日本食品標準成分表2010では「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。
これは動物も同じで、消化されにくい成分といわれています。
人でも食べたキノコがそのままの形で排便される事がありますが、これは消化吸収されずに排出されている様子です。
丸のみしてしまう習性が多々ある犬猫がマッシュルームなどのキノコ類を大きいまま食べてしまうと、運が悪ければ犬猫がマッシュルームをうまく排出できなくなってしまう可能性も。
便秘気味の犬猫は腸のぜん動運動の機能が低下していることが多く、食物繊維を過剰に摂取してしまうと便のカサが大きくなりすぎスムーズに排出されなくなってしまう事があります。
大腸内で長時間便がとどまってしまうと腸に水分を吸収され、便が硬くなるという悪循環が生じ、酷い便秘を引き起こしてしまう恐れがあります。
マッシュルームが消化不良や便秘を引き起こす原因とならないように丸ごと与える事は控え、細かく刻んだものをトッピングや手作りごはんの一部として与える程度が望ましいでしょう。
参考:繊維質と食物繊維
参考:食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!?便秘改善になる量と食材とは
加熱調理を推奨します
マッシュルームはキノコの中では珍しく、新鮮なものであれば生食が可能です。
人用のサラダにスライスしたマッシュルームが使われることが多くみられるので、犬猫へも生食で与えようと考える方も多くいるかもしれません。
しかし、犬や猫は人間より体が小さく、様々なものに影響を受けやすいと考えられることから、マッシュルームの生食で食中毒を引き起こす可能性はゼロではありません。
ほとんどのウイルスや細菌は加熱することで死滅することがわかっていますので、犬猫にマッシュルームを食べさせる場合には加熱調理をすることで更に安心して食べても大丈夫といえると考えます。
マッシュルームには水に溶けやすい栄養素も多く含まれています。
そのため、汁ごと与えられるスープであれば溶けてしまった栄養素を無駄なく摂取できるので手作りごはんを作る際にはおすすめの調理方法です。
味付け不要!人間用に調理したものは与えない
マッシュルームはサラダやアヒージョ、スープなど様々な料理で食卓に並びます。
これらの料理にはタマネギやニンニクなどを使う場合が多くあり、また人間用の料理は調理段階でおいしく食べられるように様々な調味料を使用されています。
人間用に調理された料理を犬猫に食べさせてしまうと中毒症状を引き起こす可能性や、過剰な塩分や糖分の摂取で健康被害を及ぼすことがあります。
昨今では健康志向の高まりからキノコ類を使用したスナック菓子などもありますが、こちらにも余分な塩分、タマネギ・ニンニクパウダーなどの使用がある場合があります。
どのような食材にも言えますが、犬猫に与えるごはんに調味料での味付けは一切不要です。
また、犬猫が食べる事で中毒症状を引き起こす食材をしっかり認識し、食べさせてはいけない食材との組み合わせがないか確認する必要があります。
まとめ
マッシュルームは犬猫が食べても大丈夫な食材です。
犬猫の総合栄養食であるドライフードなどに使われることもあり、中毒症状を引き起こす成分が含まれているという報告はありません。
香りも控えめでうまみ成分が多く含まれるため、癖が少なく犬猫も比較的食べやすいといわれています。
キノコとしての食物繊維やカリウムの含有、また抗酸化作用や消臭効果、血中コレステロール値を下げる効果などが期待される成分が含まれているので、愛犬愛猫の健康維持に活躍してくれそうです。
マッシュルームは生でも食べられますが加熱がおすすめ。
細かく刻み、少量をトッピングや手作りごはんの食材の一部として食べさせたあげる程度にするとよいでしょう。
参考:食材大全(NHK出版)