犬猫は片栗粉を食べても大丈夫!とろみでシニアの食事を補助。注意点やレシピを解説

片栗粉について

片栗粉は元々ユリ科のカタクリという植物から作られ、名前もそれに由来しています。

しかしカタクリの自生数が激減したため、性質の似ているじゃがいもが原料として使われるようになり名前はそのままで現在に至ります。

唐揚げや竜田揚げに使われたり、水で溶いて汁ものや煮物にとろみを加えたりと、様々な料理を影で支えています。

犬猫はじゃがいもを食べても大丈夫なことを知っている人は多いかと思いますが、じゃがいもの粉である片栗粉も犬猫が食べて大丈夫です。

こちらの記事では

  • 片栗粉を犬猫の食事に使うメリット・注意点
  • 片栗粉を使った犬猫用手作りフードのレシピ
  • 爪切りの止血としての使用法

についてお話していきます。

片栗粉は犬猫が下痢になる?

可能性はありますが、片栗粉の成分が下痢を引き起こすというわけではなく、初めてだったりたくさん食べてしまったりしたことが原因だと考えられます。

初めての食事は少量から与え、過剰摂取に気を付けるのが基本です。

腎臓に良い?悪い?

片栗粉は腎臓にあまり影響のない食材だと言えます。

  • たんぱく質
  • リン
  • ナトリウム

が多い食材が腎臓に負担を掛けますが、片栗粉はこれに当てはまりません。

片栗粉を犬猫の食事に使うメリット

食事にとろみをつけて食べやすくすることで、シニアの犬猫の食事を助けることができる

片栗粉と言えばまず浮かぶのが、水と合わせて料理にとろみを付けることだと思います。

犬猫の中には食べることが苦手だったり、年老いてシニア世代になったりで食べ物を口にする嚥下(えんげ)機能が低下してしまう子も居ます。

そうした際に片栗粉でとろみを付け食べやすくすることで、食べ物が誤って気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)を減らすことができます。

また、食材をとろみでくるむことで胃腸を守り、水分や栄養の浸透を促す効果も期待できるので、お腹が弱った子やシニアの犬猫の食事の助けが期待できます。

肉や魚を美味しくする

人間の料理でも使われているように、小麦粉や片栗粉をまぶしてから焼くと水分やうまみが外に流れ出るのを防ぎ、お肉やお魚をやわらかくジューシーに仕上げることができます。

小麦粉の代用に使える

小麦粉と片栗粉を食材にまぶすことで料理をおいしくできるとお話しましたが、小麦粉の場合グルテンが気になる方も多いかと思います。

グルテンとは小麦などに含まれるたんぱく質のこと。

犬猫の体質によってはアレルギーを引き起こすこともあり、グルテンの含まれない「グルテンフリー」の食生活を徹底している飼い主さんもいらっしゃいます。

片栗粉はじゃがいもの粉なのでグルテンを含んでおらず、グルテンフリーの犬猫の食事にも用いることができます。

片栗粉を犬猫に与える時の注意点

粉のままの誤食に気を付ける

粉のまま食べさせることはないと思いますが、料理中や、愛犬・愛猫をお留守番させている間の誤食は考えられます。

片栗粉は中毒などの危険性はない食材ですが、粉のままだと下痢、嘔吐、軟便などを起こしてしまう可能性が高まりますので、誤食がないように

万が一誤食してしまった場合は様子をよく観察し、症状がひどいようであれば動物病院へ連絡を取りましょう。

状況によっては葛粉の方がより適している面も

マメ科の植物である葛から作られる葛粉も、食事にとろみを付ける効果を持っています。

葛粉はとろみで嚥下機能を助けるほかに、胃腸の粘膜保護や整腸作用、身体を温める作用なども期待できます。

ただ、葛粉は片栗粉より高価なので、嚥下機能のみ弱っている犬猫には片栗粉、その他に胃腸や身体全体も弱っている犬猫には葛粉と使い分けると良いかもしれません。

アレルギーに注意

グルテンを含む小麦粉と比べ片栗粉は比較的アレルギー反応の出にくい食物ですが、全く出ない訳ではありません。

片栗粉を犬猫に与える時も、まずは少量から食べさせ様子を見るようにしましょう。

以下の反応が出た場合アレルギーの可能性がありますので、食べさせるのをやめ動物病院へ連絡を取りましょう。

  • 皮膚や目の赤み・痒み
  • 下痢や嘔吐
  • 毛が抜ける

愛犬・愛猫用の片栗粉を使った手作りフードレシピ

当サイト掲載の片栗粉を使ったレシピを2つ紹介します。

カブと鶏挽肉のとろとろ煮

水分量の多いカブと犬猫の好きな鶏肉に、片栗粉でとろみを付けてより食べやすくしたレシピです。

葛粉でも同様に作ることができます。


納豆キャベツ焼き

健康効果が高いもののネバネバとして若干の食べづらさのある納豆を、つなぎとして片栗粉を使用することでキャベツとまとめ、食べやすく調理した一品です。

片栗粉は爪切りで血が出たときに使える?

爪切りなどの際に犬猫が暴れて血が出てしまい、止血剤も無いという時に片栗粉で代用する方法があります。

片栗粉に少しだけ水を加え出血箇所に押し当てて使い、止血後は粉をしっかり拭き取るようにします。

ただし、こちらはあくまで代用なので自己判断で行わず獣医師の指示に従いましょう。

【まとめ】犬猫は片栗粉を食べても大丈夫

犬猫は片栗粉を食べても大丈夫です。

食事にとろみを付け食べやすくすることで、シニアなどの嚥下機能が低下した犬猫の食事を助けることができます。

それ以外にも、肉や魚にまぶして焼くことで料理をより美味しくしたり、グルテンを含まないため小麦粉に代用できたりなどの利点があります。

  • 粉のままの誤食に気を付ける
  • アレルギーの可能性を考慮し少量から与える

などの注意点があります。

犬猫の体質や状況などに合わせて似た性質を持つ小麦粉や葛粉と使い分けるようにしましょう。

思わぬ出血の際の応急処置として片栗粉で止血できますが、なるべくは止血剤を用意することをおすすめします。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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