ワカサギについて
ワカサギは川や湖などで暮らす魚で、漢字では「公魚」と書きます。
スーパーなどで一年中並ぶような魚ではないですが、南蛮漬け・天ぷらなどのお惣菜や加工品はたまに目にすることがあり、好きな方も多いのではないでしょうか。
冬場に凍った湖の上で穴を開けて行われる「ワカサギ釣り」のイメージも強い魚です。
犬猫はワカサギを食べても大丈夫
ワカサギ釣りでは平均で一度に100匹以上釣れるそうなので、たくさん釣れたから愛犬愛猫にも食べさせられるかな?と気になる飼い主さんもいるかと思います。
結論からお話すると、ワカサギは犬猫に食べさせることができます。
小ぶりなので給餌量も調節しやすく、一部のメーカーからは、ワカサギを加工した犬猫用のおやつも販売されています。
本記事では
- ワカサギの寄生虫とその回避方法について
- ワカサギを犬猫に食べさせる際のメリットや注意点
- ワカサギの内臓や骨を処理する方法
- 愛犬・愛猫用のワカサギを使った手作りフードのレシピ
などについてお話ししていきます。
ワカサギに寄生虫はいる?
ワカサギをはじめとして、釣ってきた魚を食べるときにまず気になるのは寄生虫だと思います。
ワカサギの寄生虫について少しお話します。
アニサキスはいる?
魚の寄生虫と言えば真っ先に思い浮かぶかと思いますが、基本的にワカサギにアニサキスはいません。
ワカサギは実は川でも海でも生きられる魚なのですが、一般的な「ワカサギ釣り」で釣れるワカサギは川か湖にいるので、海に生息しているアニサキスと出会いません。
川と海の交わるところ近くでワカサギを釣ることは珍しいと思いますが、その場合はアニサキスの可能性があります。
有棘顎口虫(ゆうきょくがっこうちゅう)
有棘顎口虫(ゆうきょくがっこうちゅう)はワカサギなど淡水で暮らす魚に可能性のある寄生虫。
寄生された場合の症状はミミズ腫れ程度と言われていますが、アニサキスと違い体内で生き続けてしまいます。
ワカサギなどの淡水で暮らす魚を食べるときは必ず加熱を
アニサキスや有棘顎口虫はどちらも十分に加熱することで死滅します。
犬猫は人間より身体も小さく影響を受けやすいので、ワカサギを愛犬愛猫に食べさせる場合はいつも以上に丁寧に加熱処理をしましょう。
犬猫にワカサギを食べさせるメリット
ワカサギ100gあたりの栄養成分表(1匹は約10g)
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 71kcal |
たんぱく質 | 11.8g |
カルシウム | 450mg |
ビタミンD | 2.0μg |
ビタミンA | 99mg |
ビタミンB6 | 0.17μg |
ビタミンB12 | 7.9μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
- たんぱく質による身体作り
- カルシウムが骨と歯を作り、ビタミンDが吸収を助ける
- カリウムによる利尿作用・血圧の安定
- ビタミンAによる目の健康維持、感染症予防
- ビタミンB6がたんぱく質や脂質の代謝を促進
- ビタミンB12による貧血予防
ワカサギは小さいながらも、身体作りや健康維持に役立つ様々な栄養素が豊富。
まるごと食べさせられるので、栄養を余すことなく摂取できます。
ワカサギを食べさせる注意点
必ず加熱したものを食べさせる
前述のとおりワカサギには寄生虫が居る可能性がありますので十分な加熱処理を行いましょう。
加熱により寄生虫は死滅します。
調味料や大量の油を使用したものは食べさせない
南蛮漬けや天ぷらのイメージの強いワカサギですが、調味料や天ぷらなどの油の多い料理は犬猫に不適切です。
人間用の味付けや油は過剰になりやすく、これらを口にすると体調不良や肥満・病気などを招く原因となります。
アレルギーに注意
ワカサギが特にアレルギーの多い食材の訳ではありませんが、はじめて食べさせるものは食物アレルギーに注意し、まずは少量から与えて様子を観察しましょう。
- 皮膚や目の赤身・痒み
- 下痢や嘔吐
- 毛が抜ける
などのような症状が現れる場合は食べさせるのをやめ、ひどい場合は動物病院へ連絡を取りましょう。
ワカサギの下処理方法
釣ったあと持ち帰る為の処理についてはその場でレクチャーがあるかと思いますので、調理を行う際の処理についてお話します。
ワカサギは内臓も骨もそのまま食べることが出来る魚ですが、
- 内臓:鮮度が落ちやすく、少し苦味がある
- 骨:大きなサイズだと犬猫の体内で刺さる可能性
と少し懸念点もありますので、気になる場合は処理をしましょう。
内臓の処理
- ワカサギのお腹を頭からしっぽに向かって押します
- お腹のあたりからスジが出てくるので、それを引っ張ればきれいに取ることができます
骨の処理
焼く・ゆでるなどの加熱をしたあとに、指や箸で身をほぐし骨を取り出しましょう。
もしくは、よくゆでて柔らかくしたあとにハサミや包丁で骨ごと細かくきざみ食べやすくする方法も。
骨にはカルシウムが含まれていますので、愛犬愛猫に合わせて食べさせるかどうか判断しましょう。
愛犬・愛猫用のワカサギを使った手作りフードレシピ
ワカサギと野菜のおじや
材料
- ワカサギ
- 山芋
- にんじん
- ほうれん草
- ご飯
- 水
作り方
- ワカサギを軽く水洗いする。内臓が気になる場合はこの時に処理をする
- 野菜を愛犬・愛猫に合わせたサイズに細かく切り、山芋とにんじんを鍋に入れる
- 野菜がかぶるくらいに水を入れ、中火で煮る
- 火が通ってきたらワカサギとほうれん草も入れ、さらに煮る
- 最後にご飯を入れ一煮立ちさせれば完成
ワカサギと野菜の栄養素をご飯とスープが吸って余すことなく摂取することができます。
量は愛犬愛猫に合わせて調節してください。
犬とワカサギ釣り
山梨県の山中湖など、一部の場所では愛犬と一緒にワカサギ釣りを体験できるプランが用意されているようです。
少し遠出してなにかレジャーに参加する際、一考してみてはどうでしょうか。
【まとめ】犬猫はワカサギを食べても大丈夫!
犬猫はワカサギを食べても大丈夫です。
カルシウムを始めとした様々な栄養素を豊富に含んでおり、身体作りや健康維持に役立ちます。
一匹は小さいのでおやつであげる際も給餌量を調節しやすい魚です。
- 寄生虫の可能性があるので、必ず十分な加熱をする
- 人間が食べる時のように調味料を使ったり、天ぷらなど油で揚げたりしたものは食べさせない
- 食物アレルギーを考慮し、はじめて食べさせる時は少量から
といった注意点があります。
栄養のある内臓や骨も含めまるごと食べさせることができますが、気になる場合は処理をしましょう。
あまり目にする機会はないかも知れませんが、栄養豊富なワカサギが手に入ったらぜひ愛犬愛猫に食べさせてあげてみてください。