夏が旬の淡水魚「鮎」
鮎は川に生息する淡水魚で、主に夏に旬を迎えます。独特の爽やかな香りがあることから「香魚」とも呼ばれています。清流を好む魚として知られ、水質の指標として語られることもあります。
人の食卓では塩焼きなどで親しまれる魚ですが、犬や猫に与えても大丈夫なのでしょうか。淡水魚であることや寄生虫の可能性なども含め、鮎の特徴と安全性について整理していきます。
犬猫は鮎を生で食べられる?
鮎の刺身は専門店などで食べることができますが、様々な理由により犬猫に生の鮎を食べさせてはいけません。
加熱をするべき理由についてお話します。
横川吸虫など寄生虫の可能性
横川吸虫(よこかわきゅうちゅう)は鮎に居ることの多い寄生虫。
人間に寄生した場合、無症状で済むこともあれば腹痛や下痢などの症状が現れてしまうこともあります。
人間より体の小さな犬猫は、より影響を受けやすいことが考えられます。
また、天然の川魚にはこれ以外も様々な寄生虫が居る可能性も。
養殖の川魚は衛生面の管理が行き届いているので、こうした寄生虫はほとんど居ないそうですが、ゼロではありません。
アニサキスはいない?
アニサキスは主に海産魚介類に寄生する線虫であり、厚生労働省も海産魚を中心に注意を呼びかけています。アニサキスは海の生態系の中で生活環を維持しているため、淡水で長期間生き続けることは難しいとされています。
鮎は一生の一部を海で過ごす両側回遊魚ですが、一般に流通している成魚は河川で成長した個体です。そのため、海産魚に比べればアニサキスの寄生リスクは低いと考えられます。
ただし、「寄生しない」と断定されているわけではありません。特に河口付近で捕獲された個体などでは、可能性を完全に否定することはできませんので、生の鮎を与えることは避けたほうがいいでしょう。
チアミナーゼの影響
鮎に限らず、一部の魚には「チアミナーゼ」という酵素が含まれていることがあります。
通常の食事で少量を与える程度であれば大きな問題になる可能性は高くありませんが、チアミナーゼはビタミンB1を分解する作用を持ち、生の状態で継続的に多量摂取した場合、ビタミンB1欠乏を引き起こす可能性があります。
鮎などの淡水で暮らす魚を食べるときは必ず加熱を
横川吸虫をはじめとした寄生虫と、チアミナーゼは十分な加熱をすることで死滅します。
愛犬愛猫に食べさせる際は十分に加熱しましょう。
そもそも一般家庭での鮎の生食は危険があるので、犬猫はもちろん人間も避けた方が無難です。
犬猫に鮎を食べさせるメリット
鮎100gあたりの主な栄養成分(1匹は約150g)
| 天然(焼き) | 養殖(焼き) | |
|---|---|---|
| エネルギー | 149kcal | 202kcal |
| 脂質 | 3.0g | 9.6g |
| たんぱく質 | 21.8g | 18.6g |
| カルシウム | 480mg | 450mg |
| カリウム | 510mg | 430mg |
| マグネシウム | 35μg | 31μg |
| ビタミンB12 | 12.0mg | 6.0mg |
| ビタミンE | 1.7mg | 8.2mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
- たんぱく質:筋肉や血液など、体作りに大切な栄養素。毎日一定量摂取する必要があります。
- カルシウム:骨や歯を作るのに欠かせない栄養素。その他、神経や筋肉の働きを助ける効果も。
- カリウム・マグネシウム:ミネラルやペーハーバランスの維持を行い、健康維持に役立ちます。
- ビタミンB12: 赤血球の合成を助け、貧血予防に。細胞の増殖・たんぱく質の合成にも。
- ビタミンE:強い抗酸化作用があり、老化防止や生活習慣病予防効果が期待できます。
栄養はビタミンE以外は天然の方が優れている傾向に。どちらの場合でも鮎は様々な栄養素を豊富に含んだ魚と言えるでしょう。
鮎を食べさせる注意点
必ず加熱したものを食べさせる
前述の通り、鮎には寄生虫やチアミナーゼという酵素のリスクがあるため、必ず加熱したものを犬猫に食べさせましょう。
味付けは不要。塩焼きは絶対にNG
鮎と言えばやはり塩焼きですが、犬猫にとっては塩分過剰となりますので絶対にNGです。
それ以外の人間が食べるための調理方法も、塩分・糖分・油分などが犬猫に過剰となるので与えるべきではありません。
犬猫に食べさせる時は素焼きのものを用意してあげましょう。
骨の処理をしっかりと行う
みなさんご存じの通り、魚は大変骨の多い生き物です。
犬猫は人間と違い咀嚼をあまりしませんし、骨を自分でよけて食べたり、刺さったものを取り除いたりといったこともできません。
そのまま骨を食べると喉などに刺さってしまうこともありますので、加熱後は必ず丁寧に身をほぐし骨を処理してから食べさせてあげましょう。
内臓を食べさせるても大丈夫?
ビタミンAが豊富な内臓は犬猫も食べることができますが、いくつか懸念点もあります。
- 鮮度が落ちやすい
- 独特の苦味を犬猫が好まないこともある
- よく焼いたと思っても、火が通っていない可能性
- 天然モノの場合、なんらかの異物を含んでいる可能性
内臓は栄養に優れていますが、犬猫が必ず食べないといけないものではありません。
不安がある場合は食べさせないほうが無難です。
アレルギーに注意
鮎が特別にアレルギーを起こしやすいというデータは確認されていませんが、初めての食べ物際は食物アレルギーに注意しましょう。
ほんの一口程度の少量から与え
- 下痢・嘔吐
- 目や皮膚の赤み・痒み
- 体毛が抜ける
などの症状が見られる場合は食べさせるのをやめましょう。
愛犬・愛猫への鮎の与え方・レシピ
鮎の素焼き
- 味付けはせずにそのままの状態でしっかりと素焼きする
- 骨・内臓・尻尾などを丁寧によけ、ほぐした身のみを与える
非常にシンプルな素焼きです。
おやつとしてあげる、普段のフードに少しトッピングして食いつきをよくするなどの与え方ができます。
おやつとして食べさせる場合は、1日の給餌量の10%程度に抑えましょう。
テラス席で愛犬と鮎を楽しむ
余談ではありますが、川沿いでテラス席のある専門店の一部は、愛犬と同伴で鮎を楽しむことができるお店もあるでしょう。
バリエーション豊富な鮎料理を食べられるほか、愛犬用には素焼きの鮎を用意してもらえるところも。
少し遠出してレジャーを楽しむ際に一考してみてはいかがでしょうか。
【まとめ】犬猫は鮎を食べても大丈夫
鮎は適切に処理し、加熱した可食部位であれば、少量を与えることは可能です。たんぱく質やビタミンEなどを含む魚です。
生食は寄生虫や細菌のリスクがあるため避け、必ず十分に加熱しましょう。人用の塩焼きなどの味付けはせず、骨は完全に取り除くことが重要です。内臓については、内臓特有のリスクもあるため、不安がある場合は与えない方が無難です。また、魚アレルギーの可能性もあるため、初めて与える際は少量から様子を見てください。







