犬猫はベーコンを食べてはいけない!塩分・脂質の含有量が多く、添加物の危険性も

朝ご飯の定番ベーコンエッグやパスタに使用したりなどなにかと使いどころの多いベーコン。

古くから食べられている加工肉で、元々は海賊が長い航海で肉を長持ちさせるために塩漬けにしてそれをたき火で炙って食べていたことが始まりだそうです。

日本には幕末に伝わり、当時は富裕層しか食べることのできない高級食材だったようです。

そんなベーコンは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はベーコンを食べてはいけない!

お肉が大好きな犬や猫でもベーコンを食べてはいけません。

今回は犬猫がベーコンを食べてはいけない理由や食べてしまったときの対処法についてご紹介します。

ベーコンとハムの違い

皆様はベーコンとハムの違いをご存じでしょうか?どちらも同じ加工肉ですが製造過程などに少し違いがあります。

まず使用されるお肉の部位ですがベーコンはバラ肉、ハムはモモ肉を使用されることが多いです。

ですが主な使用部位というだけで肩肉を使えばショルダーハム・ショルダーベーコンになりますしロース肉を使えばロースハム・ロースベーコンになります。

ハムとベーコンを分ける上で大事なのは製造過程で、どちらも豚肉を塩漬けしたあと燻製するのは同じ。

ハムはその後ボイルかスチーム処理を経て完成しますが、一方ベーコンは燻製されたあとボイルやスチームなどはされずそのまま熟成を経て完成になります。

ハムはボイルやスチーム処理を行うので柔らかく仕上がり、ベーコンは香ばしさが残る味わいになるのが特徴です。

ハムに関しては以下の記事も参考にしてみてください。

  • 犬猫にハムは食べさせないで!塩抜きすれば大丈夫?危ない理由や代用方法など解説
  • 犬猫に生ハムは与えない方がいい!塩分量が多すぎる!塩抜きすれば食べられる?

犬猫にベーコンがダメな理由

塩分が多すぎる

前述したようにベーコンは製造過程で塩漬けにする必要があるため塩分を多く含みます

塩を構成するナトリウムの含有量はベーコン100gあたり800mg含まれています。

犬猫のナトリウム必要量は一日あたり体重4kgの犬で約200mg、体重4kgの猫で約738mgと言われています。

動物の血液にはナトリウムが多く含まれているため完全肉食動物の猫の方が必要量は多いようです。

しかし多くのペットフードにはナトリウムが必要量含まれているためそこに加えてベーコンを食べると塩分過多になりやすいです。

犬猫が塩分をたくさん摂取すると水を多く飲むようになり血液量が増え心臓に負担がかかります。

さらに摂取しすぎた塩分を濾過するのは腎臓の役割なので腎臓にも負担がかかります。

そのため塩分過多は心臓病は腎臓病のリスクがあるので注意が必要です。

脂質が高い

主にベーコンに使用される豚バラ肉には脂が多く含まれており、ベーコンには100gあたり38.1gも脂質が含まれています。

脂質は犬猫のエネルギーになるため必要な栄養素ですが脂質は炭水化物やたんぱく質に比べて約2.25倍のエネルギーがあるためカロリーオーバーになりやすいです。

カロリーオーバーは肥満の原因となり肥満には関節炎・糖尿病・呼吸器疾患・心血管疾患など様々な病気のリスクがあります。

添加物が含まれている

市販されているベーコンの中には危険な添加物が含まれているものがあります。

その中でも特に注意するべきものを紹介します。

亜硝酸ナトリウム

亜硝酸ナトリウムには以下のような効果があります。

  • お肉が持っているヘモグロビンなどの色素を固定し、酸化や加熱による色の変化を防ぐ
  • 原材料の獣臭さを消してベーコンの風味を与える
  • 細菌の増殖を抑える

様々なメリットがある亜硝酸ナトリウムですが、一方で発がん性物質生成の可能性があると言われています。

しかし人間の摂取と発がんリスクに関連があるという証拠はなく、人間の健康に悪影響を及ぼしているという科学的知見もないようです。

参考:食品安全委員会Q&A「亜硝酸ナトリウム(発色剤)について」

リン酸塩

リン酸塩はベーコンやハムなどの加工肉類だけでなくスナック菓子やインスタント麺などにも含まれている添加物で、リン酸塩が危険とされている理由はリンの過剰摂取が原因です。

リンは人間の体にも犬猫の体にも必要な栄養素ですが、摂りすぎると鉄やカルシウムの吸収を阻害してしまいます。

また犬猫にとってリンの過剰摂取はストルバイト結石の原因ともなりますので、知らず知らずのうちにリンが過剰になってしまわないように注意しましょう。

犬猫がベーコンを食べてしまわないために

ベーコンは基本的に冷蔵庫で保存するかと思いますが、買ってきたものを犬猫の届く場所に放置したり犬猫が冷蔵庫を開けてしまわないように注意しましょう。

また、飼い主がベーコンを食べる際も落としたり横取りされないように注意してください。

もしも食べてしまったら

もしも犬猫が少しだけベーコンを食べてしまったらまずは様子を見ましょう

ベーコンは少しであれば命に関わるほど危険なものではありませんが、塩分量が多いため一時的に水を多く飲んだりするかもしれません。

もし大量に食べてしまった場合や、食べたあと明らかに様子がおかしい場合などはすぐに獣医師へ相談しましょう。

【まとめ】犬猫はベーコンを食べてはいけない

犬猫はベーコンを食べてはいけません。NGポイントをおさらいしましょう。

  • 塩分の含有量が多く、心臓病や腎臓病につながる可能性がある
  • 脂質の含有量が多く、肥満の原因となる
  • 添加物のリン酸塩が原因でリン過剰になってしまうかもしれない

今回は犬や猫にベーコンを与える危険性を解説しました。

ベーコンはお肉からできているので犬猫が喜んで食べるかもしれません。

食べてはいけないものを喜んで食べるのは非常に危険なので、飼い主様がベーコンを食べる際は目を離さないように注意してください。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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