犬猫はディルを食べても大丈夫?精油成分「リモネン」による中毒症状について

犬猫はディルを食べても大丈夫?

ディルはフェンネルに似て香り高く、サーモンなどの魚料理に合うセリ科のハーブです。

香りのよい花や種はピクルスの風味付けにも使われるなど食卓にたびたび登場し、消化促進・食欲増進・抗炎症などの効果が期待されています。

ASPCA(米国動物虐待防止協会)によれば、ディルには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないといわれています。

ただしディルには気になる精油成分が含まれているので、当サイトでは積極的に与える必要はないと考えます

ディルに含まれる精油成分『リモネン』

ディルは甘く温かい香りが特徴で、その甘い香りは精油のカルボンやリモネンによるものといわれています。

リモネンについては、犬猫に対して中毒症状を引き起こす可能性がある精油成分として知られ、柑橘類の皮に多く含まれることで知られています。

ただしディルは柑橘類のようにリモネンの含有が多い食材としてリストに挙がるほどではありません

そのためディルは危険なハーブというわけではなく、犬猫が生のディルを口にしたからと慌てる必要はないでしょう。

香りの強さから犬猫が一度に中毒症状を引き起こすほど大量にディルを食べる事は常識的に考えづらく、現時点でディルによる犬猫の中毒発症の報告は見当たりません。

このようなことから、ディルは犬猫にとって有害な食材とは言いませんが、リモネンの存在を考えると積極的に毎日のように犬猫が食べても大丈夫とは言い難いと考えます。

犬猫がディルを食べた場合

上記でも解説しましたが、ディルは犬猫にとって有毒な食材とは考えられていないので、犬猫が少量口にしたからといって慌てる必要はないでしょう。

ただし犬猫の個体差による反応の違いや、一度に大量に食べた事がわかった場合にはその限りではありません

万が一考えられるリモネンによる中毒症状は以下の通りです。

リモネンで起こす可能性がある主な中毒症状
  • 過剰な涎
  • 震え
  • 低体温
  • 運動障害
  • 神経症状

上記のような症状がみられたらリモネンによる中毒症状を疑い、かかりつけの動物病院へできるだけ早く相談しましょう。

また、リモネンが皮膚に付着すると皮膚炎を起こす場合があります。

ディルで起こる事は考えづらいのですが、長時間接触した場合には起こる可能性も少なからずあります。

体を痒がる、皮膚に炎症があるなど症状がみられればその場合も動物病院で受診することをおすすめします。

精油の取り扱いには注意が必要です

ハーブはアロマオイルの原料として使われることが多く、ディルも種子から抽出したディルシードオイルとして販売されているのをみかけます。

オイルは一滴抽出するのに大量の原料が使用されます。

そのため、成分が凝縮された精油を少量でも犬猫が舐める、皮膚に付着する、香りを吸引するだけでも中毒症状を起こす可能性があるといわれています。

これは犬より精油の代謝が苦手であることがわかってきている猫に対して強くいわれる傾向にあります。

現時点では全てのアロマオイルに毒性があるとは断言できず、犬猫に対するアロマオイルの危険性はまだ明確ではありません。

しかし当サイトでは少なからず危険性があるものに対して飼い主は注意が必要であると考えます。

犬猫への安全性が確認されていない製品や、人間用、希釈されていないもの、希釈が足りないものは犬猫に使用しないよう注意しましょう。

まとめ

甘い香りが特徴で魚料理やピクルスなどの料理に香りづけとして活躍するディルは、消化促進・食欲増進・抗炎症などの効果が期待されています。

ディルは犬猫にとって有毒ではないとされていますが、精油成分にリモネンが含まれていることから当サイトでは食べても大丈夫とは言い難い食材と考えます。

しかし柑橘類のようなリモネンの含有量ではないため、犬猫が生のディルを少量口にした程度で慌てる必要はないでしょう。

犬猫の個体差によるところもありますので、飼い主の方はリモネンの中毒症状を確認し、食後の様子に注意したうえで異変があるようであれば動物病院へ相談しましょう。

参考:食材大全(NHK出版)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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