犬猫にはコンビーフを与えない方がいい!人間用のお肉の缶詰には塩と油がたっぷり

日本でも昔から販売されている台形の缶が特徴的なコンビーフ。

手軽に料理に使用できて今でも人気の食材です。

そんなコンビーフは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬猫にはコンビーフを与えない方がいい!

犬や猫にはコンビーフを与えない方が良いです。

コンビーフの原材料は犬猫の大好物であるお肉なので与えても良さそうですがコンビーフには犬猫に与えるリスクがあります。

今回はそのリスクや注意点について解説していきたいと思います。

コンビーフってなに?

そもそもコンビーフはどういったものなのかご紹介します。

コンビーフは牛肉を塩漬けにした食品で、英語の「corned beef」が訛ったものです。

日本ではほぐした肉を固めて販売されていますが欧米ではブロック肉の状態で販売されるのが一般的のようです。

元々はイギリスの海軍が保存食として作ったものがコンビーフの始まりと言われています。

日本には第二次世界大戦後に伝わり、1948年に初の国産コンビーフが発売されました。

コンミートとの違いは?

コンビーフの他に「コンミート」というものが販売されていますがこの2つには少し違いがあります。

コンビーフは100%牛肉で作られたものものでコンミートは牛肉の他に馬肉などの他の動物の肉も使用されているもののことを指します。

使用されているお肉以外はほとんど変わらないため成分はほとんど同じですがコンミートはコンビーフに比べて安価であることが多いです。

コンビーフを与えない方がいい理由

犬猫にコンビーフを与えない方がいい理由をご紹介します。

塩分の含有量が多い

コンビーフには塩分がとても多く含まれているため犬猫のご飯には向きません。

塩の主成分であるナトリウムは犬猫にとっても大切な栄養素ではあります。

体内の水分バランスの調整・神経伝達や筋肉の収縮に関与するなどの働きがあり健全に活動するためには欠かせません。

しかしナトリウムをたくさん摂取すると水をたくさん飲むようになり血液の量が増えます。

すると血圧が上がったり心臓に負担がかかってしまう可能性があります。

また、健康な犬猫の場合、摂取しすぎたナトリウムは腎臓の働きによって尿とともに体外へ排出することができます。

しかし、腎機能が衰えている場合や腎臓病を患っている犬猫は病気が悪化する可能性もあります。

脂質が多くカロリーが高い

一般的に販売されているコンビーフはほぐしたお肉を牛脂などの油で固めてあるため脂質の含有量が多いです。

八訂 食品成分表2022によるとコンビーフ100gあたりのカロリーは191kcalで脂質含有量は12.6gになっています。

脂質は体内でエネルギーとなり働く一方で、たんぱく質や炭水化物に比べて同重量で約2倍のカロリーを持つため肥満に繋がりやすいのも事実です。

丸々とした犬猫はかわいらしいですが肥満は糖尿病や関節炎などの病気に繋がる可能性があるため注意しましょう。

糖尿病は膵臓から分泌される「インスリン」という血糖値を下げる効果のあるホルモンの一種が正常に分泌されなくなってしまう病気です。

インスリンが正常に分泌されないと高血糖の状態が続いてしまうため糖尿病になると日常的にインスリン注射を行う必要があります。

さらに食事療法や場合によっては点滴などの輸液療法が必要になります。

糖尿病は一度なるとなかなか治らない病気なので犬猫のためにしっかりと予防してあげましょう。

犬猫がコンビーフを食べないために

コンビーフは肉を原料としているため犬猫が好んで食べると考えられます。

そのため開封したコンビーフから目を離すとその隙に犬猫が食べてしまうことも考えられます。

開封したコンビーフやコンビーフを使用した料理からは目を離さないようにしましょう。

また、数年前まではコンビーフの入れ物は台形の缶で、「巻き取り鍵」という付属の道具を使って開けるものが一般的でした。

しかしここ数年のうちにプラスチックの容器にシール蓋という開けやすいものに変化しました。

缶の容器の頃はほとんど心配なかったですがシール蓋だと犬猫が食いちぎって中のコンビーフを食べてしまう可能性があります。

コンビーフは未開封の場合でも犬猫の手の届かないところで保存した方が良いと言えます。

もしも食べてしまったら

コンビーフは犬猫が絶対に食べてはいけないものではないので健康な犬猫は大量に食べない限り重篤化することは考えにくいです。

しかし心臓や腎臓に持病がある犬猫や内臓が未発達な子犬・子猫が食べてしまった場合はすぐに獣医師へ相談するのが良いでしょう。

また、脂質の含有量が多いため健康な犬猫でも食べてしまった後に一時的にお腹が緩くなる可能性があります。

【まとめ】犬や猫にはコンビーフを与えない方がいい

犬猫にはコンビーフを与えない方がいいです。どんなリスクがあるのかおさらいしましょう。

  • コンビーフには塩分が多く含まれているので心臓や腎臓の負担となる可能性がある
  • ほぐした肉を牛脂などの油で固めているため脂質の含有量も多く肥満の原因になる可能性がある
  • あまり与えない方がいい食品だが犬猫は好んで食べてしまう可能性があるので注意

今回は犬や猫にコンビーフを与えるリスクや注意点について解説しました。

コンビーフのように犬猫が食べれられないわけではなくても食べない方が良いものは以外とたくさんあります。

そういったものは犬猫に与えるメリットよりリスクの方が多いのでできるだけ避けるようにしましょう。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事