犬猫にはししゃもを与えない方がいい!塩分量が多く心臓病や腎臓病悪化の恐れあり

塩焼きや竜田揚げなどで食べられることが多く古くから日本で愛されてきた小魚のししゃも。

一般的に販売されているものは特に下処理など必要なくそのまま焼くなどして食べることができるお手軽な魚です。

そんなししゃもは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はししゃもを食べない方がいい!

犬や猫はししゃもを食べないほうがいいです。

犬猫(特に猫)は魚が好きなイメージがありますがししゃもには犬猫に与えない方がいい理由があります

今回はししゃもを与えない方が良い理由や食べてしまったときの対処法についてご紹介します。

一般的に販売されているししゃもについて

実はスーパーなどで手に入るししゃもは厳密にはししゃもではなく「からふとししゃも」という魚です。

どちらも同じキュウリウオ科に属する魚で見た目や名前は似ていますが、生物学上は別の生き物になります。

ししゃもは北海道の太平洋岸にのみ分布し、10月~11月にのみ捕獲できるとても貴重な魚です。

そのため一般的には海外で簡単に捕獲できるからふとししゃもが比較的安価で販売されています。

本記事では一般的に「ししゃも」と呼ばれている「からふとししゃも」について解説していきたいと思います

犬猫がししゃもを食べないほうがいい理由

犬猫には以下のような理由でししゃもを与えない方がいいです。

塩分が多い

スーパーなどに販売されているししゃもの多くは保存性の問題から塩を使用して干したものが販売されています。

そのためししゃもは他の魚に比べて塩分量が多い傾向にあります。

塩分の必要性

塩の主成分のナトリウムは犬猫にとっても重要な栄養素なので塩が全く必要ないわけではありません。

ナトリウムは細胞が正常に機能するために欠かせない栄養素で、以下のような役割を担っています。

  • カリウムとともに体内の水分バランスの調整
  • 細胞のエネルギー代謝や神経伝達に関与
  • 心臓や腎臓の働きをサポート

また、犬と猫のナトリウム必要量には少し違いがあります。

雑食動物の犬に比べ肉食動物である猫は昔から動物の肉を食べて生活していた歴史があり、動物の血液には塩分が多く含まれています。

そのため今でも犬より猫の方がナトリウム必要量が多いようです。

過剰摂取の危険性

犬猫が塩分を取り過ぎると水を多く飲むようになり体内の血液量が増え、心臓に負荷がかかります。

健康な犬猫は多少塩分を取り過ぎても腎臓の働きによって余分なナトリウムを体外に排出することが出来ると言われています。

しかし、犬猫が腎臓病を患っている場合や腎機能が衰えている場合はナトリウムの排出が上手く行えず「高ナトリウム血症」の恐れがあります。

高ナトリウム血症とは血液中のナトリウム濃度が上がってしまった状態のことで重度の場合は脳細胞が萎縮してしまい中枢神経に障害が起こる可能性があります。

心臓病や腎臓病を患っている犬猫は症状が悪化してしまうことも考えられるので塩分の摂取には十分注意してください。

小骨がたくさんある

ししゃもには小骨が非常にたくさんあります。

1本1本が細く小さいため私たちが食べる時は骨が砕けるまで咀嚼して飲み込んでも問題ない程度になってから飲み込む場合がほとんどだと思います。

しかし、犬猫はあまり咀嚼せずに飲み込めるサイズになったら丸呑みしてしまう性質があります。

そのため魚の骨がのどや消化器官に刺さってしまうリスクはとても高いといえます。

たかが魚の骨といえども、最悪の場合外科手術が必要なこともあります。

犬猫がししゃもを食べないために

犬猫がししゃもを食べないようにするためには近づけないようにするのが一番です。

犬猫は魚を好んで食べる可能性が高いため飼い主様の食事として用意した調理済みのししゃもを目を離した隙に食べてしまうことも考えられます。

もしも食べてしまったら

ししゃもは犬猫が絶対に食べてはいけない毒性のあるような食材ではありません。

そのため健康な犬猫が少し食べてしまった程度では重篤化することは考えにくいです。

もし以下のような場合はすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

  • 一度に大量のししゃもを食べた
  • 心臓病や腎臓病を患っている犬猫が食べた
  • 子犬や子猫が食べた
  • 食べたあとに苦しそうにしている
  • 食べたあと皮膚の赤みやかゆみがある
  • 食べてからしばらく経つのに下痢や嘔吐が止まらない

もちろん上記の項目に当てはまらない場合でも心配な場合はすぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

【まとめ】犬猫にはししゃもを与えない方がいい!

犬猫にはししゃも与えない方がいいです。今回のポイントをおさらいしましょう。

  • 他の魚に比べて塩分が多いため犬猫の心臓や腎臓に負担をかける可能性がある
  • 小骨がたくさんあり犬猫ののどや消化器官に刺さってしまう恐れがある
  • 犬猫は魚を好んで食べる可能性が高いので犬猫にはししゃもを近づけないようにするのがよい

今回は犬や猫にししゃもを与えるリスクについてご紹介しました。

ししゃもは与えるメリットよりリスクが高い食材なので犬猫に与えるのはおすすめしません。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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